UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十五話Part2

2024-11-30 19:51:39 | 日記
「うう……」
 
 小頭はフラフラとしてた。目的の場所にはついてた。いや実際ここが目的の場所なのかどうか、実はあんまり覚えてない。一応最近はだいたいラインでそういうやりとりをすると思うけど、幾代ちゃんはそんな事しないんだよね。ただ分かれる時に次はここで待あわせね! とかいうくらいである。時間もちゃんとその時に指定してると思う。けど小頭はよく覚えてなかった。だって別に小頭が覚えてなかったとしても、足軽はちゃんと覚えてるからだ。なのでなんの問題もなかった。
 一応この田舎の事なんてあんまり知らない足軽と小頭だから、幾代もちゃんと次の待ち合わせ場所は全くいったこともないような場所を指定する……なんて事はなかった。それこそ今はスマホでも地図アプリを使えばそれでも大丈夫だと思うが、けどそういう事は幾代はしなかった。
 
 ちゃんとこれまで遊んだ場所で行ったことがある場所を指定してた。だからなんとなくは小頭も覚えてるが、ここだ!! と確信はない。けど鬼はここにまっすぐにきた。まるで確信めいたみたいだった。
 
「ここでいいんだよね?」
 
 小頭はそんな風に鬼にいう。けど鬼は別になにかを言ってくれることはない。ただちらりと小頭を見て、そして再び目を閉じる。そして背中を壁に預けてる。小頭達は学校にきてた。小学校だ。多分この学区というのか? この地域の子供が通う学校だろう。でも確かに幾代が言うにはこの小学校はもう廃校になってるらしい。子供がいないから街の方の学校に統廃合がされてるとか……けど学校がそのままなのはなにかで使ってるかららしい。
 ママさんバレーとかっていってた。鬼は動かないし、小頭はお姫様抱っこの影響でちょっと気持ち悪くなってた。お姫様抱っこに憧れとかあったが、あのスピードはない……そう思ってた。本当にまるで自動車ばりに速かったたのだ。それできっと速すぎたからまだ幾代は来てないんだろう。自転車で行くことを想定して出てたのだ。それなにまるで自動車で来てしまったくらいの時間でついたのだから、待ち合わせよりも早くついてるのは明白。とりあえず夏の日差しがとてもうっとうしいから木陰を求めて小頭は移動した。
 
ミーンミンミン
 
 そんなセミの鳴き声が木霊してる。時折通り過ぎる車の音……それ以外は本当に自然の音しかしない。日陰から日向を見てると、もわもわとしてた。地面が熱であっためられてその熱が湧き上がってるようだ。
小頭は水筒から水をコップに注ぎ口に含む。コクコク――とちびちびとのんでる。いくら熱いといっても一気に飲んでしまったらすぐになくなってしまう。だから大切に飲んでるのだ。
 

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 123

2024-11-30 19:44:26 | 日記
 黒煙の向こうから、いえ黒煙の方向だけじゃないですね。私の背後、それこそ勇者様達側からもやってきますね。私が攻撃をしたことでスイッチが再び入ったみたいです。向かってくる彼らの腕が私に向かって伸びてきます。
 私はポニ子アーマーの腕を伸ばしてこの場所の機械に腕を貼り付けて、それに引っ張られるようにして腕を縮めて高速移動をします。
 レプリカの聖剣を作ってたときはそれに全力を出してたせいでポニ子アーマーの伸縮ができなくなってましたけど、今のハイパワーでレプリカの聖剣を維持できなくなったので再び伸縮機能はもどって来ました。
 とりあえずこのままこの場所を盾にしつつ、私は戦闘をすることにします。一応彼らはこの場所を守りたい気持ちは在るみたいですからね。あの腕が広範囲を殲滅するようなタイプじゃないのは、この場所を守りつつ敵を排除するため……なのかもしれないですね。
 
 私は何やら部品を組み立ててる機械に張り付いて上を見ます。
 
「やっぱり」
 
 勢いよく私に向かってきてた目玉たちの腕。けどそれはこの彼らの生産ラインを前にスピードを落としてます。そしてグニッと曲がって勢いを取り戻して迫ってきます。けど一度落ちたスピードをまた上げるのにはわずかでも時間がかかるというものです。私は再び飛んで今度は目玉たちのその腕に乗って走ります。さらには後方からも迫る目玉たちの腕がまるで網の目のように私の周囲を囲おうとしてる。
 
 あまり走り回られると面倒だから、きっと戦闘範囲を絞りたいんでしょう。でも……そんな思惑関係ないです!! 私は網の目のようになっていく目玉の隙間……それを目指して飛んで走ってとします。
 縮まってく隙間に体を滑り込ませて行くこと数回。どんどん網の目が小さくなっていきますが、ギリギリで私はその包囲網から脱出しましてた。
 
「使わせてもらいますよ」
 
 私はそうつぶやきます。なにせ網の目のように私を包囲しようとしてたんですから、彼らのその腕が今複雑に絡み合おうとしてる状態です。つまりは今、コイツ等はつながってるのです。いえ彼ら的にはまだつながってないんでしょう。ちゃんと素早く解くことがきっと目玉にはできる。けどそれは何も干渉がなかった場合でしょう。
 
「えいやああああああ!!」
 
 私は気合を入れて空気をとりこみました。そして力を込めて、右腕を振り下ろします。伸びていくポニ子アーマーの右腕。それが網目状になってる腕を上から叩きつけて解きを辞めさせます。そしてそのまま今度は叩きつけた手を開いてまとめて掴みます。
 
「すーはー」
 
 気合を入れましょう。なにせコイツ等を全員、どっこいしょってやるのです!!

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十五話part1

2024-11-28 18:03:50 | 日記
「ちょっと! ちょっと放してよ!!」
 
 そんな風に野々野小頭は叫んでる。どういう状況なのかというと、走ってた。うん、もっと具体的にいうと、鬼が小頭をお姫様抱っこして高速で田舎道を走ってるのだ。
 
 どうしてそうなったのか……それは少し前にさかのぼる。つまりはあの――ベギャ!! ――である。あの音は自転車が亡くなった音である。いや、なくなったというのは大げさかもしれない。なにせペダル部分の部品を交換出来たら、直すことは出来るかもしれないからだ。
 けど、あいにくと家に変わりのペダルがある家なんて早々ないだろう。つまりは今はなおせなかった。そもそもがペダルの踏むところ……というか壊れたのはペダルの鉄の部分というか? 軸の部分というか、そんなのだった。
 だからきっと自転車屋にもっていかないとどうにもできないだろう。流石にそんな事になったら小頭は思わず声を荒げてた。
 
「ああー! ちょっとどうするのよ! 何やってんのあんた!!」
 
 とかね。でも思わず言ってしまったその言葉だが、言ってしまって小頭は「しまった」と思ったのも事実。思わずせめてしまったが、向こうが反撃に出てきたらどうしようもないのが実情だ。
 だって明らかに兄である足軽よりも屈強だ。足軽はお世辞にも屈強とは言えない。でも……目の前の鬼はどうみても屈強と言える体をしてる。なにせ筋肉がパンパンなのだ。
 だからまずいと思った。足軽なら……自身の本当の兄なら流石に妹に手を挙げる……なんてしないと思ってるが、小頭の前にいるのは今は鬼なんだ。
 なぜか母親は鬼を足軽と思ってるが、こいつは鬼だ。鬼なんて凶暴で凶悪……そんなイメージが小頭にはある。だからしまったと思った。
 でも……
 
(あれ?)
 
 なんか鬼は結構落ち込んでる? 背を丸めて地面を見つめるその姿はまるで後悔してるような? そんな風に小頭にはみえた。
 
「えっと……あの……」
 
 そんな事を口にするとその瞬間だった。バッと鬼が顔を上げる。その顔から感情を読み取ることは出来ない。だってただただ、鬼は真顔だったからだ。
 鬼といえば喜怒哀楽の『怒』が強調されてるような……そんな印象があった。常に怒ってるというか? 顔が怖いものだと……そんな風なイメージがあった。
 でも目の前の鬼は怒ってるような表情はしない。いや、もっといえば表情がない。まあだからこそ、小頭は余計に不気味だと感じてる。
 
 そしてそのまま鬼は素早く動いた。それが……
 
「きゃあああああああああああああああああ!?」
 
 驚いた小頭の声が響く。そう、それこそがお姫様抱っこだったのだ。いくら小頭が暴れてもそんなのは鬼にはなんの意味もなかった。だって鬼は筋骨隆々の体なのだ。
 それに対して小頭は女子中学生……力で抜け出せる訳はない。そしてそのまま鬼は走り出す。自転車が壊れたから、走っていく。きっとそんな単純な考え。
 普通は……いや人間だと人一人を抱えて走るなんて一キロも無理だろう。けど、鬼は違うようだ。鬼は風景が車よりも早く過ぎるスピードで走り続けてる。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 121

2024-11-28 00:12:09 | 日記
「私は……あれは周囲の目玉も使ってると思います。信号……会話をしてるのはきっと私達の情報を共有してるからではないでしょうか?」
 
 コクリとアイ様が頷いてくれます。あれは腕だけなのにやたらと動きが正確です。その答えはきっとこの周囲の目玉たちなのです。彼らは目玉……そう目玉です。
 
 つまりは視界です。その視界が数えきれないほどここにはある。それをもしも全て使えるとしたら? それだけの目玉があったらたしかになんでも見えてしまうでしょう。
 腕だけなのに、やたらと正確にこっちの攻撃を受けたり避けたりできるのも、やっぱりだけどそれは「見えてる」からだったのです。
 
「私が目玉たちを相手にします! いえさせてください!」
「でもあれだけの数を一人じゃあ……」
「違いますよアイ様」
 
 私の言葉にアイ様はきょとんとします。できる女のほうけた顔はなんとも愛嬌があるものです。いつもは美人だな~という気持ちが前に出ますからね。けど今のアイ様はかわいらしい。
 私はそんな彼女に自信満々にいいます。
 
「私は一人じゃないです」
 
 そんな私の言葉にポニちゃんが答えて私の体にまとってる状態でわずかに手の形をとってグッと親指をたててくれます。きっと「その通り!」と言ってます。
 そう私は一人じゃないです。ポニちゃんが一緒です。
 
「それでもあの数ですよ?」
「うっ……それは……」
 
 そういわれるのも仕方ないでしょう。だって天井から降りてきて、更には今まさに生産されてますからね。目玉の数はこれまでの戦いで一番といってもいいでしょう。数ではきっと一番最初に外で戦ったときの方が多かったかもしれません。けど外は広かったです。
 密集度が違うから、今の方が多く感じます。確かにこれを私一り――ではなくポニちゃんと一緒に相手に……改めて考えるとできるかどうかで言えば無理でしょう。
 でも……そんなのをいえるでしょうか? 言えません!! だって私は腕との戦いでは役に立てません。けど目玉とはこれまで何回も戦って馴れてます。どっちを選ぶとなるなら……こっちしかないでしょう。
 それも碌な理由じゃない……というのはわかってます。ある意味、これも逃げでしょう。でも……それでもわずかでも自分が役に立つことができる事をしようとしてるんです。
 だから……
 
「任せてください!」
 
 私はアイ様にそう告げました。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 120

2024-11-27 23:52:40 | 日記
 最低な私がどうやって名誉挽回するか……そもそも挽回というのがおかしいのかもしれません。だって、お二人はきっとそんなことは思ってません。私が逃げ出そうとしたことだってわかってないでしょう。
 
 だからこれは……ただ私が自分自身を許せないだけです。自分で自分を恥ずべき人にしたくないだけ。けど恐怖というのはそう簡単に乗り越えられるものじゃない。
 それはちゃんとわかってます。一度は覚悟を持ったのですけどね。私の生まれた世界での最後の戦いでは私だって死を覚悟して戦場に出てました。凄い魔法を授かれてましたけど、それでも戦場というのはどこで何がおきるのかなんて分からないでしょう。
 それが戦場というもの……と聞いてました。それに実際に初めて感じた戦場の生の空気……怖気づいてしまいそうになっても、それでもあの時は私は戦場に出た。
 
 まああの時は私は回復主体でしたけど。わざわざ砂獣に自分から向かっていく……なんてことは必要はありませんでした。それでも危険がなかった訳じゃない。あの時はちゃんと私だって覚悟……を決めたはず。
 
 そして今の私はあの時ほどの回復魔法は使えませんが、総合的に見たらあの時よりも私は強くなってます。それは確実です。接近戦もできるようになりましたし、ポニちゃんという頼もしいパートナーだって……なのに……私は震えてる。あの時の勇気をもちあわせてない。
 
「うおおおおおおおおおおお!!」
 
 激しい攻防を勇者様と腕は繰り広げてます。そんな中、近くにアイ様がやってきました。叱られるかもしれません。やっぱり私なんて連れてくるんじゃなかった――といわれるかもしれません。それが怖い。
 
「ミレナパウス」
 
 そういう言葉には厳しさはありません。アイ様は勇者様よりも全然厳しいですけど、今も私も責める気はないのでしょうか? 私は役立たずなのに……
 
「うう……」
 
 私はなんといえばいいのかわかりません。だから口を開けては閉じてるという事を繰り返してしまいます。そんな私を無表情な顔で見つめるアイ様。
 そんな私にアイ様は手を伸ばして肩にその手を置きます。さらに顔を近づけてくる。耳元でささやかれる言葉。
 
「あれの事どう思う? それに周囲の目玉たち。奴らは同じ信号を送ってます」
「え?」
 
 何をいってるのでしょうか? あの腕と周囲を囲む目玉たちが同じ信号を送ってる? それはどういうことなのか……
 
「信号とは?」
「信号は私達の言葉……みたいなもの。私達には理解できないけど、奴らが会話をしてると思ってくれたらいいです」
「なるほど。え!?」
 
 私はびっくりした。アイ様の言葉が本当だとするなら……いえ、アイ様が嘘を言うはずはありません。ならば目玉とあの腕が会話をしてるのは本当なのでしょう。ならばなぜに? そう考えます。アイ様は最初にあの腕をどう思う? と聞きました。
 この話を聞く前の回答は「脅威です」――というだけだっだでしょう。けど今は……私は周囲を見回します。そして戦ってる勇者様と腕。
 私はただ目玉たちは動きを止めてるだけだと思ってました。けどそうじゃないとしたら? 普通、戦いながら会話をする……というのは大変な事です。
 じっさいあの腕が私達と同じような感覚という保証はないです。でもわずかながらも大変なのにそれをやってるのだとしたら、きっと理由があります。
 そう、理由……あの腕が私達の動きを完璧に把握してるのって
……