UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 481P

2024-06-30 20:00:30 | 日記
 ギギィィ――
 
 フロントライトが直接目に飛び込んできて、桶狭間忠国の視界は真っ白になる。ものすごいピンチ。トラックが異様に大きく見えて、その音しか聞こえない。恐怖がせりあがってくるような感覚を感じながらも、桶狭間忠国は「ああ……」と思ってた。
 なぜにそんな落ち着いていられるのか……それは桶狭間忠国の視界にはいつの間にか小さな男の子がいたからだ。真っ白な中、その男の子だけがはっきりと見えてる。そしてその男の子は桶狭間忠国だった。
 正確にいうと桶狭間忠国の幼い姿だ。それは六歳くらいの桶狭間忠国。小さな桶狭間忠国はトラックにビックリして体が動かないようだ。六歳にしては大きくて、しかも既に高学年くらいには身長がある桶狭間忠国。
 でも、それでもトラックにはビビッて一歩も動けてなかった。
 
「このころの僕は誰よりも強いって……そう思ってた。でも、この時初めて、死を感じたんだ」
 
 そんな風につぶやく桶狭間忠国。そして目の前の小さな桶狭間忠国はブワッと涙を流して「うわあああああああああ!?」という悲鳴を上げて後ろに倒れて体を抱え込む。子供にしては大きなその体を必死に小さくして、まるで自分を守ってるかのよう。
 
 でも未来に桶狭間忠国がいるように、ここではどうやら桶狭間忠国は死なないらしい。
 
「ああ、やっぱり」
 
 ドン! という音が響く。けどそれは小さな桶狭間忠国とぶつかった音じゃなかった。桶狭間忠国は今は自分の幼い姿ではなく、その視線をその向こうへと向けていた。そしてそれには誰かがいた。
 トラックを受け止めて、そのライトで照らされてるせいでちゃんと顔は見えないが……そこには確かに誰かがいた。
 
「あぁ……うぇ……」
『大丈夫か坊主?』
 
 その声はどこか不思議と幾重にも重なって聞こえた。低いような高いような……けど男性ではあるだろう。それをあらためて桶狭間忠国は確信する。幼い桶狭間忠国はなんとか首を縦に振って、無事な事を伝える。
 
『そっか、では気をつけろよ。俺だっていつでも救えるわけじゃないからな』
「あ……あの! ど、どうやって……」
 
 幼いながらにも、人がトラックを止める……なんてことが異常だということを桶狭間忠国はわかってたらしい。だからこそ、そう聞いた。けど……その人は「はははは!」と笑った後に桶狭間忠国の頭をガシガシと撫でてこういった。
 
『そんなのやれば出来るんだよ。お前も信じる者になれ!』
 
 その言葉と共に、「じゃあな!!」といってその人は去っていく。いや、違う。去っていくというよりも、まるで消えたかのようにふっとその場から消えた。それから――
 
「坊主大丈夫か?」
 
 ――というトラックの運ちゃんがやってきたりもしてたが、その光景が見えることはなかった。ただ幼い桶狭間忠国が目を輝かせて彼が去ったさまを見つめ続けてる姿だけがあった。そしてそれを見つめる大きくなった桶狭間忠国。
 
「ああ、そうだ……これが……」
 
 桶狭間忠国は戦闘中だったことも忘れて回想に浸ってた。もしもこれがあの悪魔の思惑通りなのだとしたら、まさにはまってるといえる。けど不思議なことにただ原点を思い出してた桶狭間忠国に攻撃がやってくることはなかった。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 13

2024-06-30 19:55:15 | 日記
 目玉たちが動揺してる。きっと最上位の指揮系統が乱れてるんだろう。今この瞬間の混乱を見過ごすわけにはいかない。そのまま光学迷彩を施したまま、移動してポニ子を吸った部分を持ってる目玉を捕まえる。そして近距離から頭のバルカンを撃ち放ってそいつをハチの巣にした。
 
 そしてポニ子が入ってるだろう部分を回収。その部分をグシャっとつぶしたら中からポニ子が「ポニポニ」といって出て来た。全く心配させないでよね。
 
「とりあえず貴方は危ないからこっちに来なさい」
 
 そういってコクピットへと入る許可を上げた。けどポニ子は首を振ってミレナパウスさんの方へといった。そしてブワッとおおきくなると彼女を包み込んでG-01へとへばりついた。そこは最初首らへんだった。そこにミレナパウスさんはしがみついてたからね。
 けど危ないし邪魔だと判断したのか、ポニ子はG-01の体にへばりつきながら器用に背中にいどうしていった。ありがたい。あれはきっとポニ子がミレナパウスさんを守るって事だろう。
 まあ一番でっかい奴は倒したし、これからは掃討戦でしかないと思うけど……それかさっさと無視してこの船の残骸の中へと行くか? この残骸の塔はかなりデカいしね。中にも余裕で入れるだろう。その為の穴も大きく開いてくれたしね。 
 
『勇者、アイ、聞こえますか? 内部に入りますよ』
「わかりました」
「了」
 
 そんな返答がきた。それからすぐに二人はこっちにきた。そこそこボロボロになってるが、危なげはなさそうだ。私は二人とも合流、二人は肩にのって、それから倒れた一番デカい目玉へと向かう。あいつが開けた穴、そこから内部に侵入するつもりだ。
 
 小さな目玉たちはとても散発的になってる。やっぱり一番デカい奴を狙ったのは正解だったね。実際中型クラスもまだいる。そいつらもかなりの大きさだけど、やたらと組織的だったのが仇になってるんだろう。
 一番上からの指示がないから、中型も混乱して動けてない。そして小さいのはG-01が近づいてきたからとりあえず攻撃だけをして牽制してくる感じがある。
 それもいたりいなかっただからね。攻撃をしていいのか、もうやっちゃえ! と思ってる奴の違いなのか……当然そんなのでG-01を止められるわけもない。だって奴らの脅威はその統率された連携にあった。
 それがなくなったら、全然脅威ではないのだ。なので私は簡単にG-01を操って船の残骸へと飛び込んだ。けどその時だ。何かの通信が入った。
 
『ガガ――ピーピーな……ガガガ……ない――ピー』
 
 そんな回線悪すぎの通信。何の通信かはわからなかったからとりあえず無視しておいた。

ある日、超能力に目覚めた件 480P

2024-06-29 19:30:12 | 日記
「くっ……視界が……皆さん気を付けてください!!」
 
 桶狭間忠国がそんな風に声をあげる。やっぱり戦いなれてるからなのか、桶狭間忠国の反応は早い。黒い靄がこの駅構内を覆いつくすほどに広がって一気にライトの明かりとかも見えなくなる程に真っ暗闇に包まれる。いやそれだけじゃなかった。一体どこからこれだけの闇が沸いたのか……と思えるほどだが……
 
「なんだこれ?」
 
 そんな風に桶狭間忠国はいった。けどそれに反応する人はいない。それに……だ。桶狭間忠国の頭には警報が鳴り響いてた。
 
(おかしいおかしいおかしい)
 
 ――と。だって流石にこんな闇……ありえるだろうか? 確かに昼も過ぎてたし、そろそろ夕暮れ……が近づいてただろう。でも……まだ日はあったし、なによりも駅構内はそれこそ電灯はいっぱいあるだろう。それらすべてがみえなくなる? それだけじゃない。周囲に誰の気配も桶狭間忠国は感じなくなってた。
 そこそこ近くにはアンゴラ氏がいたし、少し離れた所には野々野小頭達がいたはずだ。こんな闇の中なら、誰かがスマホのライトをつけてもおかしくない。けどそんなのない。いや、もしかしたらライトをつけたら狙われるかもしれないと思ってつけてないだけかもしれないが……と桶狭間忠国は考えた。
 
「そうであってほしいな……おい、誰か! 聞こえるか?」
 
 確かめるためにも、桶狭間忠国はその大きな体を生かしてて、かなりデカい声を出した。それこそ駅構内中に響き渡るような声だった。でも……その声に反応する声は返ってこない。ただ自然と闇に溶けるように桶狭間忠国の声は消えていく。
 
「おい! 誰か! だれでもいい!! いないのか!!」
 
 桶狭間忠国は軽く走りつつ、周囲を見回しながら声を上げる。その時、ズキッと痛みが腹のあたりに走った。
 
「くっ……流石に完璧には治せてないか……いや、今動けるだけでも凄い事だ」
 
 痛みが鈍く走る部分を抑えながら、闇の中を進む。そして桶狭間忠国はここがやっぱりおかしい……と判断した。
 
「こんなまっすぐに歩いてどこにも当たらないなんて……どこなんだここ?」
 
 駅の構内だったら、実際、広いといっても、すぐに店舗とかにぶつかったりするだろうし、改札とかだってあるはずだ。でも……ない。ここには……この闇には何もなかった。
 
「これはきっとあの悪魔の力……飲み込まれたのか? 僕だけ? いや、皆か?」
 
 そうつぶやきつつ、考えをまとめようとしてる桶狭間忠国。するといきなりだ。目の前がカッ! とはまぶしくなった。そして聞こえるエンジン音。さらにはギギィィ――と聞こえるブレーキの音。でもそれは……目の前のトラックは止まりそうにない。
 
(これは!?)
 
 その瞬間、桶狭間忠国は過去を思い出してた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 12

2024-06-29 19:25:06 | 日記
「むむむ……」
 
 大きい奴に、小さい奴が加わってこっちの出力を上回ろうとしてくる。実際はエネルギー的にはG-01にはまだまだ余裕はある。けど……これ以上込めたらこっちの銃が壊れてしまう。だからここらが限界なんだけど……それなら……
 
「サブウエポン展開!」
 
 私のその言葉で胸の一部が開く。そこから小さなハンドガンクラスの銃がとっての部分だけ出て来た。安定性の為に両手で持って今は銃を使ってたけど、それを片手で制御しつつ、空いた手でそのハンドガンを取った。そして――
 
 バンバン!!
 
 ――と一緒に協力してる小さい奴を撃ちぬくことにした。でも数が多いな。それに、こっちに向かってくる小さい目玉も多くなってきてる。ハンドガンじゃ追いつかなくなってる。
 
「ちょっと舐めすぎたかな」
 
 私はメインウエポンの出力を絞ることにした。そんなことしたら押し切られる? それを狙ってる。奴らが「やった!」と思う事を許してあげようということだ。拮抗しつつ、じりじりと押し負けていく……という演出だ。
 なにせこっちのハンドガンではビームに加わってる奴らを撃つことがもう難しい。流石に多すぎて、こっちに直接向かってくる方を撃つので精一杯。このままここにとどまってひっ迫してると不利になると判断したんだ。
 
 大きなビームがG-01の一部を爆散させる。流石に何もないとすぐにばれると思ったから私はナイフを犠牲にさせた。大きな力を使って、更にはなんとか上回ったとなったら、少しは油断が訪れるだろう。
 
 私は本体であるG-01に光学迷彩を発動させて姿を隠し、さっきとは違う位置から銃を構える。
 
「ピピピ」
 
 そんな風に照準であるレティクルが動く。一撃で決めるためにも、スキャンして一番効率的に倒せる場所を探してる。そして……見つけた。ぎりぎり察知されない程度のエネルギーを充填。
 けどそれで普通に撃ったら奴の外骨格を貫けないだろう。なので、急遽発射されるエネルギーの形状をなるべく細くなるように調整。私はそれだけの事をやって、引き金を引いた。
 
 糸のように細い光線が走る。沢山いる小さな目玉たち。そいつらがひしめいてるが、タイミングが完璧だったから、まっすぐに、けどどれにも当たることなく突き進む。そして――
 
 一瞬、巨大な目玉かビクッと反応した。眠たそうに瞼が落ちだして、そして……傾いたとおもったら沢山の小さな目玉たちを巻き込んで廃船の塔へと突っ込んだ。

ある日、超能力に目覚めた件 479P

2024-06-27 08:04:42 | 日記
「なんで……あれって実体がないんじゃないの?」
 
 そんな風に野々野小頭は、いや彼女だけじゃなく、それを見てた人たちは思ってた筈だ。だってそういう作品は沢山見て来たし、そんな状況というシチュエーションの作品というのは世に溢れてるといっていい。 
 だからこそ、すぐにそれを理解して桶狭間忠国だって本体……なのかはわからないが、実態がある女性の方へと標準を合わせたんだろう。彼女は確実に実態だ。
 そして……桶狭間忠国はきっと気づいてた。あの靄が彼女を守る様にしてるということに。だからこそ彼は女性の方を狙った。きっとあの靄はどうにかするだろうと、そんな思いはあった。
 でも実態じゃない物を実態にするとは……だ。けど桶狭間忠国動じてなかった。何かあると思ってた「何か」が起きただけ。靄が実態を持とうと、それはそこまで彼にとっては驚くことなんかじゃない。
 だからこそ……だ。彼はその拳を広げて大きな手でその靄を掴む。そしていった。
 
「今です!! ここを狙ってください!!」
「任せろ!!」
 
 それに反応したのは勿論アンゴラ氏だ。正確に狙うためにも彼は既に指にガムを置いてそして腕を伸ばして照準を定めてた。それは今日出会ったばかりの二人とは思えないほどの連携。
 アンゴラ氏は片目をつむって狙う。靄の部分がより濃くなってる、桶狭間忠国が掴んでる場所。それは今までよりもより正確な射撃が求められる。下手したら桶狭間忠国に当たるかもしれない。
 
 なにせ桶狭間忠国はでかいんだ。だからこそ、的としても大きい。狙わないといけない所はそんな桶狭間忠国と比べたらとても小さい。靄自体はもっと大きい。けどきっと他の部分は実体化してるようにはみえなかった。だからこそ、アンゴラ氏が狙えるのはわずかな場所。それこそ桶狭間忠国が掴んでる所を狙うのが確実だろうって思った。
 
 今まではそれこそある程度人一人の大きさを狙ってたわけで、それよりも確実に的は小さい。でも、それでもアンゴラ氏はやってのける。アンゴラ氏が放ったガムが爽やかな香りを周囲にまき散らしながら突き進んだ。鋭く……まっすぐに……だ。
 
 そして確実にその弾丸になったガムが桶狭間忠国が掴んでた部分にぶつかった。その瞬間だ。
 
「んんんんああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 
 さっきまでの笑い……それとは違う声。それと同時に周囲にその靄が大きく拡散して、皆の視界を奪った。