UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1033

2024-02-29 00:11:59 | 日記
 迫ってくる白い軍団。それは進化を重ねた砂獣の軍勢。それらが砂埃を上げながら迫ってきてた。再びそれだけの軍勢を見て、さっきまでオロオロとしてた教会の奴らは――
 
『まだまだだ!!』
『そうだ、波に終わりなど無い!!』
『貴様たちが絶望をして死にゆくその時までな!!』
 
 ――とかいってる。けど……私の流したコードは確実に世界に走った。迫りくる砂獣の群れにこちら側の人達は再びその剣を構えたり、覚悟を決めたり……そんな風にしてる。でも砂獣共が彼らのもとまで辿り着く事はなかった。どういうことなのか……それは砂獣が走りながらその身を崩していったからだ。まるで砂のように、その体はサラサラときえていった。それには流石にこちらの皆も「は?」となってた。
 けどそれ以上にぽかんとしてたのは教会の奴らだ。
 
「なん……だと?」
「なんだこれは……」
 
 それはまさに絶句……そういう言葉がふさわしい。
 
「くそっ! こんな訳があるか! 世界よ! 我らが神よ! ここに波を! 世界の粛清をお導きください!!」
 
 そんな事をいって教会の奴らは何かを撒いてる? それをドローンの映像を拡大してみてみる。鉱石……いや宝石か。たぶん何やら術式を刻んだものを奴らは撒いてるんだろう。そしてそれによって儀式を遂行して波を発生させる……それが教会がやってる『波』の発生手順なんではないだろうか? まあ邪魔してもいいが……既にあんな事をしてもいみなんてなものはない。
 
 奴らは何も起きないことに声を荒げる。
 
「なぜだ!!」
「なぜですか!! なぜ応えてくれないのです!!」
「こんな事は一度も……」
 
 それはそうだろうね。なにせ私が……彼らの命令系統を遮断してるのだ。世界に奴らの声は届かない。
 
「よくできる様になってるじゃないですか」
 
 そんな事をG-01の肩に乗ったまま言ってくるアイ。それはそうでしょ。私だって努力ってやつをやってるのよ。こんな魔法後進世界の奴らに負けるわけにはいかない。教会はこの世界の魔法技術をそうどってて、それによって敵はいないとか思ってたと思う。けどそれではやっぱり発展は遅いのだ。私……というかG-01の技術よりも……ましてやこの世界の魔法レベルは勇者や魔王がいた世界よりももっともっと遅れてる。
 ただその大系がそもそもが違うから勇者や魔王には解析は出来なかっただけだ。威力やら技術では圧倒的に魔王や勇者の方が上だった。それに他の世界の魔法がわからないってのは普通のことらしい。なにせ最初は知識がないんだからそうなる。そもそもが力の根源も違うしね。
 けどG-01にはそもそもがたくさんの世界の魔法体系が予め情報としてあった。だからこそ、それらを使ってこの世界の魔法の仕組みだって解析することができるのだ。これは結局情報であり、経験とかだろう。
 
 勇者だってもっとたくさんの世界を行き来することで、きっとある程度はその世界の魔法を解析とかできる様になると思う。
 
「さて、これで波は終わったし……次は……」
 
 私は空の門を見上げる。

ある日、超能力が目覚めた件 394P

2024-02-28 23:52:48 | 日記
 その日、何人の人がその声を……叫びを聞いてたのか。ある30代、山を登ってた男性はいった。
 
『あれには驚きました。最初はそれこそ気の所為だと思ったんです。それか熊か……でも明らかに熊とは違うし、なんか空の方から聞こえてました。それにその日は色々と変な音がしてたじゃないですか。それに天気もなんかおかしかった。私は今日は早くに帰ろうと思ったんですよ。
 山登りで大切なのは無理をしないことですからね。それを見誤ったら簡単に命を落とす……それがわかってましたから。なので帰ることにしたんですが、私はその途中で見たんです。空を飛んでる……そう、あれはゲームとかでよく見るドラゴンのようでした』
 
 10代、教室の片隅で。
 
『皆がざわざわしてました。変な音がして、そしてしばらくして聞こえてきた変な声。咆哮とかそんなのでした。自分は窓際の席で、その日はずっと外を見てたんです。他の皆も、ずっと外が気になってたと思います。こっそりと授業中でもスマホで情報収集してる奴らもいましたね。その内天気が変になったりもしましたね。空に変な影もあったし……』
 
 様々な人々。
 
『自分は竜巻を見ました。とっても大きくて、けど気象庁にはそんな記録はないって言われましたよ。でも動画にも取ってたのでSNSに上げたんですよ』
『私は叫び声を聞きました。この世のものとは思えないような……そんな恐ろしい声でした』
『私は大きな何かが飛んでるのを見ました。それにすっごく風がそのときは激しかったんです!』
 
 そんな様々な声がその日はネットに溢れてたという。
 
 
「大丈夫か!?」
『私はなんとも。そちらの方が大丈夫ですか?』
 
 野々野足軽を風の女性が心配してる。それもそうだろう。なにせ野々野足軽はかなり力を消耗してる。それを風の女性はわかってる。てかさっきのドラゴンのブレス。それもある程度は風の女性がその風によって野々野足軽をまもってくれていた。
 
「まだやれるさ」
『それは助かります』
「助かる?」
 
 ふと疑問を口にする野々野足軽けど、その時、遂に口だけじゃなく、バリバリと空が剥がれるようになって、大きく裂けた空間からドラゴンが出てきた。
 
「こいつ――」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
 
 そんな咆哮をドラゴンは上げた。ビリビリと体を押し返すようなそんな音圧があった。けどどうやらドラゴンは焦ってるようだと野々野足軽は感じた。
 
「こいつ……形が……」
 
 そうドラゴンの体は風の少女が中にいたときのようにはっきりとしてるわけじゃない。むしろ限界が近そうにみえた。結構不安定というか……その力だってかなり落ちてて、今にも綻んでしまいそうな……そんな危うさがある。そしてそんなドラゴンは野々野足軽を見てない。
 じゃあ何をみてるのか……それは風の女性を見てるように野々野足軽は感じた。そして彼女も……眼の前のドラゴンを見て眉毛を下げてる。痛ましそうにみてるようだ。
 
『ごめんなさい。私のせいです』
 
 そんな事を風の女性はいった。

ある日、超能力が目覚めた件 393P

2024-02-27 23:53:34 | 日記
「なんっ!?」
『そうでしたね。あれも私の一部です』
 
 穴の中からドラゴンのでっかい爪が出てきてた。それのせいで、穴はそのままだけど、その穴を中心に空にヒビが入ってた。せっかくいい雰囲気だったのに……と野々野足軽は思う。というか、既にもう解決した体だった。どこかに腑に落ちないって感じてたが、風の子と風の少女が抱き合ってるのを見てたら、これでよかったんだ――と野々野足軽は思ってめでたしめでたしって感じになってた。
 いや、というか風の少女がこっちに来たんだから、ドラゴンは消えたのかと勝手におもってたのもある。だってあのドラゴンは風の少女だったんだ。彼女が絶望して変質した姿。それがあのドラゴンだった。なら本体は風の少女だったはずだ。核といってもいい。でも実際、どうやらまだドラゴンは生きてる? と表現していいのかわかんないが、そこにいる。風の少女が野々野足軽の手を取って表れたから、野々野足軽はその時に穴から手を抜いてた。
 
 あの穴とこっちの世界は隔絶してる。いくら向こう側に力を残してたといっても手を抜いてしまったら、穴の向こうの状況は全くわからない。だから確かめるなんてことはできなかった。それにやりたくなかった……というのもある。だってなにせ一番危険なのが、手を突っ込む時なんだ。だからこそ、もう一度あれをやるのは怖い。
 それに実際、ドラゴンはいた。まだあの穴の向こうに。ある意味であのまま忘れられるのなら、それが一番良かったのに……との野々野足軽は思う。けど今、ドラゴンは外に出ようとしてる。今度こそ……絶対に……その気概というか、なんかめっちゃ執念? というのが漏れ出てるというか? そんな感じだ。なにせ爪が一回引っ込んで、今度は穴の上の部分に爪が出てきた。そしてバリバリバリとした斜め方向に切り裂く。けどそれでも出てこれないのか、今度は口の先が出てきた。そしてさらにはそこをぐりぐりして無理矢理引き裂いた空を広げようとしてる。
 まさに絶対に出る……と感じる行動だ。
 
「こいつ! させる――っ!?」
 
 力を使って吹き飛ばしてやる……と野々野足軽は力を集める。あの穴は力とかを全く通さなかったが、今やドラゴンはこっちの空間にその口をだしてる。なら、こっちの攻撃も通ると思ったんだ。けどそれはできなかった。なぜなら、ドラゴンが口の全体を出して、わずかにその深い怒りの目が光ったと思った瞬間、やつはブレスを吐き出したから――空に黒い炎が吹き荒れたんだ。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1032

2024-02-27 23:48:05 | 日記
「なんだこれ……」
 
 誰かがそんな事をいったらしい。眼の前の光景……それが信じられなかったんだろう。
 
「ははっ」
 
 誰かがそんな風に笑ったらしい。眼の前の光景をみて、思わずそんな笑いが出たらしい。そこにあったのは喜びとかでも、ましてや興奮でもなかった。ただの呆れ……そんな感情だった。でもそれもしかたない。今や、この戦場には虚しい風が吹くだけけだ。さっきまで地面は定期的に揺れて、皆の怒号が飛び交ってた。生きるために、生かすために、皆がその生命を燃やして戦ってて、そしてそれを容赦なく摘み取るような、絶対的な暴力という砂獣が進軍してたんだ。
 だからこそ、いろんな音がなってた。うるさいくらいの音。そしてそれはきっとアズバインバカラまで届いてた。けど今やどうだ? G-01が暴れてわずか三分。それで一時間近く戦ってた戦いはあっけなく終わってしまった。実際は砂獣の波の向こう側に教会の奴らがそれなりの数いる。きっと空中を飛んでた蝿を召喚してた教会の奴らだ。
 けどそいつらも蝿は打ち止めなのか、これ以上召喚はないらしい。いや待ってるだけなのかもしれない。なにせ……
 
ドドドドドドド――
 
 そんな振動が再び近づいてきてる。それは第二の波。いや、そもそも波事態は終わってない。だからこそ何度だって砂獣は補充される。あまりにも早く、そして一瞬でこの戦場に居たすべての砂獣をG-01が倒してしまったから、これが第二に思えるだけで、地味にけど、永遠に続くかのように砂獣はずっと補充されてた。そして少しずつ倒すペースよりも増えるペースが増えてしまって、どうすることもできなくなって、飲み込まれる。
 それこそ波の様に……それがこの『波』という現象だ。
 
『ふう……なるほどね』
 
 私はコクピット内でそんな風に呟いた。たった三分で既存の砂獣は倒したが、それで終わりなんてのは私もおもってなかった。波とはこういうものだとわかってたからね。でもだからってずっと波を続けさせる気も私はない。私はこの少しの間のラグ……それを意図的に作り出すのも目的だったんだ。
 だって、こんな風にしたら、きっと教会は慌てるだろう。なにせこんな状況は流石に想定してなかったはずだから。きっと自分たちの安全のために、すぐにでも砂獣を補給するように波をせっつくはずだ。そんな事ができるのか? って思うかもだけど、そもそもが『波』を教会は意図的に起こしてる。
 それは確定してるのだ。それはつまり、そのための手段が教会にあるということで、そして波へと干渉する手段を奴らはもってる。私はそれを観測したかった。術式なのか、それとも何かのアイテムなのか……まあ実際それはどうでもいい。問題はその瞬間。別にこの現場まで来てる奴らがそれをやらなくてもいい。なにせこっちは中央の奴らのところにもスパイはいる。それにこの世界を観測し続けてるんだ。
 だからこそ、そのコードを私は盗める。そしてその思惑は的中した。
 
『もらったよ』
 
 私はそういって世界に走らせる。そう、波の終焉……教会の指示に乗せて、こっちのコードを強制的に世界へと適応させるんだ。

ある日、超能力が目覚めた件 392P

2024-02-26 19:57:56 | 日記
(ちょっと誰よ!)
 
 ポカっとされた風の少女は感動を台無しにされたからか、怒ってる。まあけど野々野足軽的には助かったといえる。なにせさっきのままでは地上がどうなってたのかわからない。風の少女の気持ちに呼応したことで強力な竜巻ができてた。自分たちを囲んでたから、もしかしたら野々野足軽達が動かなかったら、あの竜巻も動かなかったのかもしれないが……全く動かない竜巻って自然現象的にどうなんだろうって野々野足軽は思う。
 もしも誰かがこれを観測してたら……一体何を思うのか。困ることにならないといいなって思ってたから、さっさと消えたのはありがたい。別に何も起こさなくて感謝を述べられるのなら、野々野足軽だって素直に受け入れることが出来るんだ。けど変に自然現象として発生するからどう受け止めればいいのか困るってだけだ。
 でもきっと彼らは風そのものだから、その心が自然に表れやすいとかあるのかもしれない。もちろん普段はもっと気を付けてくれてるんだと思う。だって気持ちに呼応しまくってたら、自然法則的な風の流れなんて生まれなくなりそうだ。そうしたら化学が意味をなさなくなったり……するかもしれない。
 
(よかった! お帰り!!)
 
 そんな事をいって、風の子は少女へと抱き着いた。それにはちょっと怒ってた風の少女もその怒りのぶつけ先を見失ってる。それは風の子が本気で喜んでる……それがきっと伝わってるからだろう。
 
(ごめん……助かったわ)
(僕じゃないよ。彼が助けてくれたんだ!)
 
 そんな事をいって注目される野々野足軽。そうなるとちょっと気恥ずかしい。なにせなんというか? ちょっと消化不良気味だからだ。予想外に風の少女を開放できたから、これでよかったのか? みたいな気持ちがちょっとある。いや、よかったのは間違いない。風の子と風の少女、その存在を見てるとそれは間違いないと思える。
 
「えっと、俺はやれることをやっただけだから」
(それでもです。あなたは私の希望になりました!)
(うん! 僕たちの希望だよ!)
「い、いやー……それほどでも……」
 
 恥ずかしがる野々野足軽。なにせ希望なんて……そんなのは真正面から言われることなんてなかったからだ。どう受け止めればいいのか……野々野足軽が傲慢な奴なら正面から受け止めて「がっはっは」とかできたかもしれない。でも野々野足軽はそんな奴じゃない。
 そもそもそんなに褒められたことなんてない人生をあゆんでたのが野々野足軽である。褒められ馴れてないのだ。
 
(本当に……)
(本当に……)
((ありがとう))
(ぼく『わたし』をもどしてくれて。これで、元に戻れる)
「え?」
 
 何を? と思った野々野足軽。すると抱き合ってる二人がなんかとけていくようにみえる。二人の風が混ざり合ってる。なにが起きてるのか野々野足軽はわかってない。風の少女と風の子の姿が消えて、そして強い風が一瞬拭いた。思わず目を閉じるほどの風。
 けどどこか優しい……暖かい……そんな風だった。
 
『ありがとうございます』
 
 そんな声が聞こえる。目を開けると、一人の女性が見える。さっきまでの風の子でも、風の少女でもない。もっと大人に見える女性だ。体の全体は自然に溶けてるようにみえる。目を閉じてて、顔は端正なつくり。髪は長く、その人は神聖な雰囲気があった。
 
「えっと……」
 
 だれ? と言いたかったが野々野足軽は言葉が出なかった。でもなんとなくわかる。だって彼女は風だ。いや彼女も……か。そして風の子やら少女とかよりもちょっといったような見た目。あれはもしかしたら……
 
『私は――』
 
 何か自己紹介? でもしてくれそうな雰囲気だった。けど、それは阻まれた。何故か……それは穴からドラゴンが出てこようとしてたからだ。