UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十五話part6

2024-09-30 19:47:51 | 日記
 全くあらぬ方向から飛んでくる巨大な岩。土がついたままでその土を落としながら進んでくるそれ。そんな光景をゆっくりと観ながら、頭には別の方向の光景が野々野足軽には映ってた。それはさっきまで見てた筈のサルの方だ。はっきりとその姿を捉えてるわけじゃないが、野々野足軽の目にはそのあふれる力とでもいえるものが映ってた。
 それで土ぼこりが起こった中にいる例のサルをみてるのだ。そして確かにそこにいることを確認してる。ならば……だ。ならばこれは? その思考はコンマ数秒だった。とりあえず、避けるか止めるか……足軽はとりあえず止める事を選択した。でも次の瞬間だ。
 
 ドガアアアアン!!
 
 ――と止めたはずの岩が砕かれた。そしてその破片が無数に足軽へと降り注ぐ。
 
「くっ」
 
 足軽はとっさに腕を前にして重要な頭部分を守る。それさえも一気に止めてしまえば……と思うが、どうやらそれはできなかったようだ。細かく分かれた沢山の岩が体に当たる感覚をほんの数秒だけ感じる足軽。いくら派手に砕かれたといっても、その破片のサイズはばらばらだった。それこそ小石程度、ゴルフボールからバレーボールくらいの幅はあっただろう。
 それに当然だけど危なくないように角を丸めてある……なんてのはない。当然すべての部分がギザギザしてただろう。その証拠に足軽の服はいくらは裂けてしまってた。でも……
 
「あぶな……はぁ、ちょっとだけ焦ったな」
 
 そんな風にいって守りを解く。服は確かに破れてしまったが、どうやらあれだけの破片が降り注いだにも関わらずに野々野足軽は無傷のようだ。
 
「失敗したよ。確かに一体なんてそんなの思い込みでしかなかったよな。わるかったよ。だから……二体まとめて相手にしてやるよ」
 
 そういって腕を軽く広げて眼下を見据える。けど……そこには既に何もいなくなってた。
 
「……ん? あれ?」
 
 なんか夜空の風が夏なのにちょっと肌寒く感じる足軽だ。決めたままのポーズをしてたのに……そこには既に誰もいなかった。ただ、ただ空しいだけの奴に足軽はなってた。
 プルプルと小刻みに震えだす足軽は静かにポーズを解いて家に向かって進みだした。けどなんか時々意味もなくアクロバティックな飛行をやってた。どうやら発散しないといけない羞恥心がこみあげてくるようだ。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 79

2024-09-30 19:42:40 | 日記
 フォルダを開く事を決意して、頭の中でダブルタップ! すると私の頭に知らない光景が広がっていく。
 
『なぜだ!! なんでこうなった!!』
 
 なんだろう? いきなり聞こえてきたその声。私の視界には空中に綴られる文字とその向こうで何やら大きな水槽のような……何かが見える。そしてそれに向かってふらふらと歩んでいく自分。
 
 ガツン――とその腕を叩きつけるその人。それも何回も何回も……そんなことをやってると……その水槽の中……緑色に濁った色の水は何もみえない訳だけど、叩いてるといきなり目玉がギョロッと出て来た。
 私はそれを見て「ひっ!?」と短い悲鳴をあげたよ。
 
『はあはあ……ああ、素晴らしい。やはり私は……天才だ』
『おめでとう。君の研究はこれから先の未来をきっと照らすものになるだろう。その頭脳をこれからも全ての世界の為に使ってくれ』
 
 悲鳴から立ち直ると、なにやら厳かな表彰式みたいな? そんなところにいた。そこで私はトロフィーを受け取ってる。それは数十センチの小さい奴だ。何で出来てるのかわからないふしぎな色と輝きをはなってる。
 そして周囲にも百人くらいのスーツの男女。一体何の表彰式なのかは私にはわかんない。けどきっと凄いことを成したんだろう。そんな事を思ってると、彼は……というか自分が見てるその彼は「何か一言」という言葉と共に向けられた花束? を受け取って一歩……二歩と壇上の前に出た。
 そして――
 
『まずは皆さん、私の研究を評価してくださってありがとうございます!』
 
 無難なそんな挨拶。でもそのあとだった。
 
『あははははははは!! 観たか貴様ら!! 本当は嫌だったろう! 認めたくなかっただろう!! だがこれが現実だ!! 思い浮かべられるよ!! 貴様たちが悔し涙を流しながらもこれを否定できない光景をな!! これが天才と凡人の違いだよ!』
 
 そんな風に宣言して彼は壇上を去った。
 
『君がGシリーズの開発者か?』
『ええ、貴方があの研究を進めてくれたおかげで新たな扉が開けました。世界はきっともっと近くなる。素晴らしいですね』
 
 視界は変わってなんか目の前には知的なお姉さんがいた。それに……Gシリーズ? それってG-01も含まれてるんだろうか? となると、この目の前の知的な眼鏡美人がG-01の開発者? 生みの親? つまりは母という事か?

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十五話part5

2024-09-29 18:40:16 | 日記
 ドオォォォン! ドオォォォン! ドオォォォン!
 
 そんな風に激しい音が響き、そして地面が揺れている。地面に木が刺さったり、岩が地面にめり込んだりしてる。でもそこは流石はサル。体が大きいといってもその素早さはかなりの物だ。つづけざまにサルが野々野足軽へと投げつけてきた様々なものを投げ返してる今の状況。足軽は最初はそれこそ投げつけるたびにゆっくりと腕を前へと向けてたけど、それも何回もやってると面倒になってきたから、ただ前に右手を出してる。そしてその手の先をサルに向けて、照準にしてた。けど……
 
(なかなか当たらないな)
 
 力を使って撃ちだしてる訳だけど、結構適当に力を使ってるから、届かないのもあったりしてる。それに大体はサルの前に当たるというよりも、後方に刺さっていってる。それってつまりは足軽の見立て以上にサルが素早く動いてるという事なんだろう。
 
「あまり長く戦ってる訳にもいかないから、もうちょっと先を狙うように……」
 
 そうやって立派な木を打ち出した。まっすぐに空中を突き抜けた木はぶつかった方の木を粉砕していく。けどどうやらサルにはギリギリよけられた。でも……
 
(今のは惜しかった)
 
 足軽は今の感覚を参考にしながら、再び打ち出す。そして次はさらにちゃんとサルの動きを見て――
 
「ここだ」
 
 サルがよけたタイミングで今度は岩を打ち出した。体が横に崩れてるその態勢では避けるのは厳しいだろう。けどどうやらサルは覚悟って奴が決まりきってるらしい。真っ先に拳を向けて岩を砕く。けど拳にもダメージが残ってる。明らかに左腕をかばうようになってる。少しずつサルの部位を損傷していけば、そのうちあいつは動けなくなるだろう。
 けど……
 
「流石にそれは……性格が悪いか」
 
 なんかちょっと哀れに思えてきた野々野足軽だ。実際あのサルはかなり狂暴そうな見た目をしてる。明らかにただのサルじゃないのは明白だ。なにせ普通のサルなら、人よりも小さいだろう。小学生くらいだろうか? それとも幼稚園生くらい? そこまでサルをちゃんと知らない足軽だ。けどこれだけはいえる。あのサルはどう考えても足軽よりもデカい。それに拳だって頭を握りつぶせそうなほどだ。あんなのに普通に遭遇したらきっと絶望を感じるものだろう。
 普通の人は……でも足軽はあのサルに脅威やら恐怖は感じてない。今だってちょっとじゃれあってる感覚だ。だからあまり痛めつけるのもどうかと思ってしまってる。
 
「さっさと捕らえるか」
 
 その結論に達した足軽は残ってた木々や岩を一斉に放つ。一斉といっても結構適当だ。きっとサルのあの動きならよけきれるんじゃないだろうか? という逆方向の信頼を足軽はしてた。
 断続的に響く轟音と地面の揺れ。地上がよく見えなくなってしまったが、足軽には関係ない。足軽の力によって強化された目にはその姿ははっきりと映ってる。それによるとサルは予定通りまだ生きてる。虫の息みたいだけど。
 なのでここでさらに追い打ちをかけて捕らようと足軽は動きだす。けどその時だっだ。あらぬ方向から新たな岩が飛んできた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 78

2024-09-29 18:33:15 | 日記
 やっぱりどこに行ったか分からないフォルダを探すのなら最新だよね。勝手にそこに最近のダウンロード物はぶっこんでくれてる物……というのが私の頭にはあったのだ。
 
 きっと前世の名残だろう。けど実際、それで知らないフォルダが見つかったから良しとしよう。知らない検索結果……そのフォルダの名前は――
 
『カイル・デシリシア』
 
 ――となってた。人名だろうか? つまりはカイルさんが残したフォルダということか? とりあえず私はそれを開けようとしてちょっと止まった。
 
「まてまて、あわてるな私。いきなり正体不明のフォルダを開けるなんて愚の骨頂だよ。まずはウイルスチェックだよね」
 
 私はフォルダを開ける前にウイルスチェックをすることにした。いやー常識だよね。正体不明の何かを無警戒に開けてそれでパソコンがウイルスに感染する……そんなのはよく聞いた話だ。
 実際G-01ほどの高性能さなら、大抵のウイルスなんて速攻で排除してくれそうだけど……この円盤はもともとがG-01と同じ……関係者ともいえる人たちの船みたいだからね。
 つまりは危険という事だ。なにせ同じ技術レベルなんだからね。下の方の、それこそG-01から見たら古いウイルスなら対策なんて既にあるだろう。けど同じレベルだとそうはいかないと思う。
 だから事前に危険がないかをチェックさせる。
 
『ウイルスは検知されませんでした』
 
 とメッセージが出て来た。なら大丈夫か。けど一応私はまずはプロパティを表示することにした。これがちょっとのデータ量なら、それこそ危険視をしなくても気軽に開ける。けど、アホみたいに膨大なデータ量だと流石になにかあるんでは? なるじゃん。
 私の頭の中にあるわけだし、ウイルスというかそれこそ精神をむしばむ系とかさ……まあそれが何メガ……何ギガ……何ペガ必要なのかしらないけど……プロパティによるとかなりのデータ量ということがわかった。 
 まあ拡張されてるからなんとか収まったという感じだね。拡張前のまっさらな私の頭ではきっとこのフォルダを受けとることもできなかった。それはいい事なのか……悪い事なのか……
 
「誰かにそうだん……」
 
 しようにも誰もいないしな。通信もなんかつながらないし……
 
「仕方ないか。女は度胸だしね」
 
 そういう訳で、私はそのフォルダ。開いてみることにした。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十五話part4

2024-09-28 19:31:02 | 日記
「なんのつもりだ? どうして襲ってくる?」
 
 とりあえず動き回って攻撃をしてくるサルに向かって野々野足軽はそんな風に言葉を向ける。このサルが言葉を理解できるのか……はわからない。いや、寧ろサルが人語を理解するわけはない。だから足軽も別に返答を期待してるわけじゃないのかもしれない。ただ、言葉と共に足軽はサルに向かって圧力を発してた。別に攻撃ではない。ただ押し付けられる圧だ。
 
 けどサルは一気に足軽から距離を取った。そのせいで空中にいられなくなったサルは地上へと落ちていく。サルは丈夫な木へと着地した。デカいサルがいきなり乗ってきたから、木もグワングワンと大きく揺れる。でもそこはサル。そんな揺れはものともせずに安定感を見せて木にしがみついてる。
 
「ガァァァァグガアアア」
 
 そんな風にサルは毛を逆立てて足軽を威嚇してる。けどよく見るとその体が震えてるのがわかる。なにせ足軽はあれだけ攻撃をされてたにも関わらずに、傷一つない。それに対して、サルの爪からは血が滴ってるし、何本かの爪は欠けてしまってる。通用してない……それをサルは感じてる。けど矜持でもあるのか、サルは逃げ出す事はしてない。ただの動物なら、勝てない存在にはさっさと逃げるか定石だろう。
 本能と言ってもいい。勝てないんだから、さっさと逃げて安全を確保する……それが野生なら普通だろう。なにせ医者も薬もないんだ。そこらにいる動物たちはちょっとはした怪我でも命に係わるんだから、無理やら無茶やらしてはならない。
 でも……このサルはまだやる気だ。やっぱりだけど、ただのサル……なわけはない。
 
「まあちょっと遊んでやるよ」
 
 だいたいサルの攻撃力的な所はわかったと足軽は思ってる。サルの力は足軽の脅威にはなりえない。だから余裕を持てる。どんな存在なのかわからないし、多分こいつは言葉だって話せない。けどそれは問題視してなかった。
 
(べっこべこにした後にサイコメトリーをしたらいいだろ)
 
 とね。そんな風におもってた。他人の残滓……思いを覗き込むその力があるから、足軽は別に言葉にこだわってなんてない。いや、寧ろいくらでも偽れる言葉なんかよりも、直接触れてサイコメトリをした方が真実を観れる――と思ってるんだ。絶妙な距離を開けて、さらに足軽の背後には無数の岩やら木々が追従してる。足軽よりも後ろにあるせいで、それを利用なんてもうサルにはできない。
 いや、足軽は絶対にそれをさせない腹積もりだ。
 
「返してやる」
 
 そんな言葉と共に、まずは挨拶のように、一本の木を力を使ってサルに向かって撃ちだした。