ネナンちゃんの行いで一気に迫ってた砂獣がその湧き上がってた来た植物に取り込まれていく。さらにこっちが動く。
「照準誤差3メートル以内です。発射します」
その声の後、すぐにどこかから『ドガンドガン!!』という音が何回も響く。そして空に上がる光。そしてそれが落ちてくると、周囲が爆発にのまれていく。
「砂獣の80%の殲滅を確認。ですか……さらに大量の反応を確認。続けて殲滅弾の発射を継続します」
映像では炎が高く……それこそ空の壁の様にそびえてる様子がみえてる。映像越しじゃなくても、それだけの高さである。さらに周囲を照らして、熱を届けてるほど。ある意味でこれが味方側の攻撃じゃなかったら軽く絶望を覚えてもおかしくないくらいかもしれない。
でも事前の通信での行いだから、民衆も「いええい!」とか「うおおおお!!」とか興奮してる。けど軍の方は緊張が最高潮に高まってることだろう。なにせ皆が抜刀を指示された。
「ふんぬ!!」
炎を壁を突き破ってやってきたのは、光の矢だった。そしてそれはネナンちゃんを狙ってた。王様の近く、それに近衛兵が守ってるところにネナンちゃんもいる。
もちろんそこは街の外で、軍の後方ってだけで、宮殿の中とかにいるわけじゃない。安全な場所で見守るだけ……なんてのはしなかったからだ。王として、そしてネナンちゃんはその力を使うためにここにいる。だからこそ、敵がここを狙うのはわかってた。それに……だ。元々が教会は後ろ暗いことが得意だった。それこそ世界を操るために、そういう事の方を魔法でも伸ばしてたしね。まあそれでもこの近衛たちは反応出来てなかったけど。
こっちは肉弾戦が強い。それしかできなかったからだ。けど教会は魔法という力をもって、遠距離攻撃の方が得意だ。だからこそ、こういうのはわかってた。なのに……危なかった。
「ふむ、よい剣だ」
そういってネナンちゃんを守ったのは若返ってるジャル爺だった。この世界最強と言えるだろう技を持つ爺である。まあ今や青年の見た目だが……そいつが教会の不意の一撃をとめた。
「それでは王、そしてネナン様。行ってきます! 必ずや教会の首魁を打ち取って見せましょうぞ!!」
そういってジャル爺が走り出す。それに続いて皆も進軍を始めた。