UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1072

2024-04-23 23:34:15 | 日記
「う……ん」
「大丈夫、アイさん?」
「大丈夫であるかアイ殿?」
「……そうですか……なるほど……大丈夫です。そして……もうきっと大丈夫です」
 
 私は上半身を起こしつつそう言います。まずは皆さんの顔を見回した後に空へと目を向けました。そして状況を理解……いえ、ダウンロードしました。でも私は一瞬で全てを理解しましたが、眼の前の方々はそうじゃないらしいですね。
 
「えっと……アイさん?」
 
 私はそんな風に心配してくれるネナンちゃんをナデナデするために引き寄せました。ちょっと関節とかからギギギと異音がしますが……この程度は問題なんて無い。なにせ……です。どうやら彼女がちゃんと気を利かせてくれたらしい。私には今、潤沢なエネルギーがあります。すぐに修復できます。私に強制的に譲渡されてたこの世界の力……それを十分な量、ユグドラシルシステムで変換して渡されたみたいです。それを修復に回せばこの辛さも……
 
「理解して無いようですね。大丈夫、今世界はきちんとした手順を踏ん出るのです」
「アイ殿、きちんとした手順とはどういう事だろうか? この現象は一体?」
 
 王様がそう言ってきます。実際わからないでしょうね。きちんとこのシステムを知ってたのはきっと教会だけ……それもきっとトップだけでしょう。いえ、教会さえ、失伝してた可能性はあります。
 
 なにせこれは世界の情報を読み取って解析してたことで見えてきた事。勿論この世界にちゃんとヒントはあったようですけど……それでもたどり着いた人はいなかったでしょうし、それに……
 
(そもそもが辿り着くことはなんてもう不可能だった)
 
 そういう事になります。なにせ多くの町はすでに失われてるのですから。その時点ですでに……でも必要なプロセスをあの子は無理矢理再現して発動しているようです。ここまで出来るようになってるとは……頭良くないと思ってましたけど、そうでもなかったみたいですね。
 脳の拡張のおかげでしょうか? いえアレは記憶力とかメモリ的な物のことで、元来の頭の良さには起因しないはずだったような? それを考えると実はあの子が私が思ってたよりもずっと賢かった……ということになります。
 
 私が不要……とか言われてるようでちょっと不快ですが、成長が嬉しくもあるのはまた事実。とりあえず私は自分が把握できてる事をここにいる皆さんに説明しましょう。

ある日、超能力が目覚めた件 432P

2024-04-22 18:48:49 | 日記
 声はおおきくなっていく。大体おかしくなった人と親しかった人というのはきっと近くにいたはずだ。友達同士で道路を歩いてるとしたら、そんなに離れて歩く……なんてしないだろう。家族なら手を取ってたりするだろう。
 だから一人だけ残るなんてそうそうないはず。もしもそんな事になったら……自分の友だちや、大切な家族……そんな人達に自分の声が届かなくなったら……それは一体どんなに辛いことだろうか。
 おかしくなった人をみる……それは他人だとしても目をそらしたくなるほどだろう。最初はそれこそ「なんだなんだ?」という感じで興味半分で見ると思う。でも見続けてるといたたまれなくなる。
 他人でもそうなんだから、知り合いならもっとだろう。だからこそ、草陰草案に泣きついて来るのは仕方ない。なんでその人だけ無事だったのかはわからない。それでも「ラッキー」とは思えないんだろう。
 だから彼らはすがりつく。年端もいかない少女に……それだけ体裁なんて気にしてられないってことだ。
 
「任せてください」
 
 そう草陰草案はいう。けど、草陰草案はちょっと額に汗が……なにせ実際まだわからないからだ。なにがって? それは草陰草案の力がちゃんとこのおかしくなった人たちに効くか……ということである。でもここで「無理かもしれない」とか言えないのも草陰草案であった。
 
 けど困る事は他にはもある。
 
「私、基本的に力を使うときってその人に触れてたんだよね……」
 
 それである。ぼそっといったそれだけど、すがりついてる人たち以外、つまりはちゃんと草陰草案のことを知ってる猩々坊主たちにはそれは分かってることだ。でも近づくのは論外である。
 
「近づくのは危ない。意識を持ってかれる。君だけは失うわけにはいかない」
 
 そういう大川左之助。そしてその言葉に続くように草陰草案の肩に手をおいて朝日倉三がその端正な顔でいう。
 
「君だけが希望かもしれないから……」
 
 そしてそれは勿論だけど彼らのチャンネルで今も放送されてる。真剣な顔でそういう朝日倉三の言葉にコメント欄では「キャーキャー」と女性たちの黄色い声が大量に流れてる。同じ様なことを大川左之助も言ったはずだけど……その時はむしろなんか誂う様なコメントが多かった。
 けど朝日倉三の言葉にはきっと女性が大量に書き込んでる。これが顔面偏差値の違い……仕方ないことだけど、やっぱりネットの向こう側ではどうしても切迫感……みたいなのは薄くなってしまうものだろう。
 
「離れててもどうにか出来るかやってみます!」
 
 そう言って草陰草案は胸元にいつも下げてる石を両手で包み込み、祈るようなポーズを取った。すると次の瞬間、彼女のスカートの裾、髪の毛が、ふわっとなびく。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1071

2024-04-22 18:42:32 | 日記
「G-01殿……」
 
 確かに今のはその声だった。視線を向けると、片膝をついてたG-01殿が立ち上がってる。そしてその手は胸くらいの位置にあり、両手が天を向いてる。何をやってるのか……それはわからないが、空を仰いでる……ようにもみえる。
 
 すると次の瞬間、アズバインバカラが……いや違う。アズバインバカラだけじゃない。ジャルバジャルの方もなんか光だした。2つの街……その場所には光が沸き立つようになってる。
 そしてその光が空に街の紋章を表してる。それは古から使われてる紋章……誰が作ったのかも今やわからないものだと聴いてた。けどずっと受け継がれて使われてたそれ。重要な書類とかにも、街の至るところにもあった。
 
 実際何か重要な何か……とは思わなかった。街のただの印だとおもってたからだ。けど、あんな風に空に浮かび上がるとか……どうやら何もない……ということないらしい。
 
「あれは……」
 
 そして空には別の紋章も浮かび上がる。それは実際何か……はわかない。けど次々と浮かび上がってくる。
 
 それは扉を囲むように現れてる。扉に一番近い場所の紋章はきっと中央であるドリランドのものだろう。そもそもがドリランドの紋章に扉が入ってる。そしてその外側にある紋章があってそれらをつなげて内側の円になってて、さらにその外に更に紋章があって、それがつながって二重の円なってた。
 その数は二十くらいだろうか? きっとそれはもう今はなき街の紋章もあるんだろう。かつてこの世界にあった全ての街の紋章が空に現れて一つの陣を形作ってる。そう見える。
 いや、確実にそうだ。そしてその中央に扉……きっとこれがこの世界の……いやあの扉の完成形なんではないだろうか?
 
「G-01殿……」
 
 これをなしてるのはきっとあの方だ。あの方が、その力と知識をもってして、完璧な扉を完成させようとしてる。きっと世界を解明したから、その術を得ることができたんじゃないだろうか? 
 
「すごい……」
 
 そんな言葉が自ずと出る。だって自分には太刀打ちできない所業だからだ。世界に直接干渉できるその力……それは自分には到底できないことなんだ。紋章と紋章、その間に複雑な何かが絡み合っていって、とても荘厳な魔法陣が組まれていってる。空全体をそれは覆い尽くしていくようだ。
 
 まさに……世界を全て巻き込むほどの大魔法。それが完成しようとしてることがわかる。こんな状況だが、自分の心がワクワクとしてるのが分かった。

ある日、超能力が目覚めた件 431P

2024-04-21 18:37:52 | 日記
「おお、草陰殿!」
 
 そんな風に言ったのは猩々坊主だ。実際、明確な力……を披露してるのはこの草陰草案だけだし、大っぴらに力を使えるのは彼女だけ。それに彼女の力は『癒やし』だ。
 つまりはこのおかしくなってる人たちにその癒やしが働いて正気に戻る……可能性をきっと皆は思ってる。
 
『皆さん! 草陰草案ちゃんが来てくれたました! もしかしたら彼女なら、この事態を収拾できるかもしれません! なにせ彼女はどんな医療技術をも超越した『力』を持ってるのはもう皆さん把握してるでしょう!』
 
 そんな風に大川左之助が視聴者にいってる。草陰草案は人気者で「「「「キター!!」」」」――と盛り上がってる。皆さん、女子中学生が大好き……というわけじゃなく彼女の力にきっと期待してる。
 いやもちろん、きっと女子中学生が大好きな輩もいっぱいいるだろう。なにせ女子中学生だ。それに草陰草案はオタク気質だが、その格好はかなりギャルによってる。ツーントンカラーの髪色してるし……好みは人によって分かれるようなファッションセンスだが、可愛い系ではある。中学生だから大人っぽくしたいのかもしれないが、子供らしい顔付きだし。
 
「皆さん! 私がきたあああああ! さあ、そこを開けなさい!!」
 
 そんなことを叫んでる草陰草案。けど勿論だけど、警官隊が道をあけるわけはない。
 
「ほら、危ないから下がってなさい!」
 
 そんな風に怒られた。まあ当然ではある。
 
「私の事を知らないというの!? 私の力があればこの事態を収拾出来るの! このままじゃあなた達までおかしくなるのよ!?」
 
 甲高い声でそう抗議してる草陰草案。それにこの動画を見てる人たちも警官隊に文句をめっちゃいってる。「無能」やら「国家権力の犬」やらである。やばめな草陰草案信者っぽいのもいっぱいだ。
 
『どうかそのお御髪を一房』
 
 とか言ってる頭おかしいやつまでわいてる。『その奇跡をここに!!』とかもいってる。
 
「まっくた頭硬いんだから……」
 
 そんな風に悔しがってる草陰草案。すくとそこにこんなことを言ってくる人が。
 
「貴方、草陰……さんよね? どんな人でも治すことが出来るっていう……」
 
 とうやら草陰草案を知ってる人がいたようだ。するとその人は泣きついてきた。
 
「お願い、私の大切を人を助けてください!!」
 
 するとそんな声を聴いた人たちもリアルで草陰草案に泣きついてきた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1070

2024-04-21 18:33:28 | 日記
 悲鳴な様な叫びを扉から出てきた化け物は出してる。それこそ実際のところはサイズ感の違いもあるし、そもそもが自分たちのような世界の外を渡れるような存在と世界の中だけで完結してる存在のエネルギーの差があるから、そこまで……とか思ってた。
 でもどうだ? 結果的には彼らジャル爺達の攻撃はとてもきいてる。実際、そのエネルギーはとても大きい。その原因はきっとネナンちゃんだ。ネナンちゃんの力は自分たちにも流れてた。けどそれを自分たちは百パーセント活かせてはなかった。
 なにせ世界が違うからだ。そして変換するにもその効率はそこまで高くない。けど彼らはどうだ? どうだなんて言う必要さえないだろう。彼らは純粋なこの世界の人間だ。
 だからこそ、ネナンちゃんから供給させるそのエネルギーを取りこぼすことなく、百パーセント使える。面倒な返還なんて必要ない。けど実際アレだけのエネルギーだ。百パーセントを活かせる存在なんてこの世界の人間でもそうそういないだろう。でもそんなそうそういない中の一部が彼らだ。
 
 潤沢なエネルギーに後押しされて、彼らの攻撃はとても強力な物になってる。一回一回があの扉から出てきた化け物に消えない傷をいれてる。でもそれでも決め手にはなってない。
 効いてはいるが、決定打にはなってない……という感じ。それに相変わらず髪はこっちに多く向いてる。ということは、潜在的にはこの化け物はまだ自分のほうが脅威と感じてる……ということだろう。
 
「応えなければのう! この力もきっとただではなかろうよ!!」
「はい! このチャンス、この機会……逃しはしない!!」
 
 そんな風に叫んでるジャル爺とサーザインシャインインラの隊長さん。二人はその体をずっと化け物に貼り付けて切りまくってる。彼ら二人だけじゃない。他の者達だってそうだ。そのおかけで化け物の歩み止まってる。
 そして傷付けていく中で……異変は起こる。それはあの扉から出てきた化け物に巻き付いてた物……螺旋。それが剥がれていってる。目を隠し、そして体に巻き出た螺旋。
 それが彼らの猛攻によって剥がされていってる。実際剥がれるもの? と思うが、実際剥がれてる。自分やアイの攻撃ではあんな現象は起きなかった。何か……あの化け物に巻き付いてる螺旋が反応をしてるのかもしれない。
 
 自分たちの力では起きない反応……それが起きてると見たほうがいいだろう。そしてその螺旋が取れることがいいことなのか……それともまずいことなのかは正直わからない。螺旋はまるであの化け物を縛るようになってるみたいにも見えた。
 
 だからあの螺旋が剥がれると、もしかしたらあの化け物が本当の意味で開放される……かもしれない。でも彼らの攻撃を止めるなんて事はできない。だって効いてる。そしてここは彼らの世界。
 彼らが自身で世界を守れるのなら……それに越したことはないんだ。そんなそんな時――
 
『世界の解明を完了しました』
 
 ――という声が頭に響く。