森へいらっしゃいませんか

ねえ もう少し聞いてくれる?

悪夢っっ

2010-05-09 | 森からおでかけ
――さて、久住の花公園を後にした私たちは、大分県は玖珠(くす)というところの道の駅へ向かいました。(まだ引っ張るんかいっ)

まさかそこであんな…あんな怖い状況に巻き込まれるとは、そのときは知るよしもなかったのです

晴天に恵まれた、静かで、のどかな若草色に染まる山の風景に身も心も癒される静寂を突如襲った…あの…あの…身も凍る…事件…

最初に見つけたのは私です

ふと山の方に眼をやると、そこには――


   きゃああああぁぁぁ

   こわあぁぁぁい





驚愕の面持ちで、泣き叫び…逃げまどう買い物客…

玖珠の町が一瞬にして地獄と化したのです

パパさんも叫びまくり、ん? 叫び? 

よく聞くと…えっっ


お―――いっ お前、いつの間に山に行ったんだ―――  戻ってこ―――いっ


   ぼかっっ   ぱしっっ  どてっっ   びゅんびゅんびゅん  


えっと…

話を戻して、先に進めます…

戸惑い、泣き叫ぶ住民や買い物客たちの前に現れたのは――

さあっ みなさん、わたしたちの後ろへっ  もう大丈夫 さあ早くっ


えっ  わたし…たち いったい、あなた方は…あなた方は…


      じゃんっっ





ええと ええと もも太郎さんに 犬に猿にきじ…

そして、お腰につけたきびだんごがあれば…あった――っ ほ、本物だ――っ


    ぼかっっ  ばしっっ どてっっ  びゅんびゅんびゅん


かくして――か弱い私たちと素朴な住民を震撼させた赤鬼は退散し、玖珠の町は平穏と静寂を取り戻したのです

ありがとう もも太郎さんに犬さんに猿さんにきじさん


ほら、こんな綺麗なお花も咲いて





かきつばた? あやめ? アイリス? (正直区別がつきません…汗)


そして私たちは地獄絵が脳裏に焼きついたまま帰路につきました。


今 思い出しても背中に旋律が走ります

もしみなさまがもも太郎さんたちにお会いしたいとおっしゃったらと思い、ご住所を確認しておきましたからね~。(←私 えらい)

大分県は童話の里 玖珠町の道の駅に住民登録をしていらっしゃるそうです。

ただ、鬼も同じく道の駅に住民登録しているということなので、くれぐれもお気をつけくださいね。


その夜――(まだあるんかいっ)

パパさんが神妙な顔で言うのです。

パ  『お前、俺に隠してることないや?』

乙  『なにもないけど』ここだけの話、たくさんありますとも…ヒソヒソ…

パ  『じゃあ、お前自身も知らない出生の秘密があるかも』

乙  『出生の秘密?』

パ  『お前は実は双子だと思う。生き別れた姉妹は、玖珠の山の…』


     ぼかっっ  ばしっっ  びゅんびゅんびゅん