洋服を縫わない縫製工房

ミシンを使って、洋服以外で、できることは何でも挑戦!
薄物から、厚物、金属?関わったものを紹介します。

ドア内装パネルの取っ手の張り替え

2020年05月02日 | ものづくり

今回は自動車ドアの内装パネル張り替えです。

内張は樹脂部品の破損が起きやすいので、あまり引き受けていません。

なおさら古い車だと、なかなか代用品が見つからない事があります。

せっかく、他所で、はずして届けてくれたので引き受けて剥がしました。

本革のシミ取りで深みにハマってしまったようですね。

はがして型紙を採り始めて重大なことに気づきました。

Wステッチの幅・・・私の工場では基本の常設幅は、

3/8インチ(約10㍉幅)です。

この内張は、5/16インチ(約8㍉幅)で2㍉ほど合いません

この1枚の為に8㍉幅で縫えるミシンを用意しなくてはなりません。

そこで、5台ある2本針ミシンのあまり使っていない、
マジックテープ縫い付け用の3/4インチ(19㍉幅)がついている

ミシンを変更することにします。

2本針ミシンの幅変更(ゲージ交換と言う人もいます。)は

針カブ、針板、送り歯、中押さえ、外押さえの5部品をセットで交換し

左右の釜の調整を行います。

細かい事を言うと、ミシンメーカーの違いもありますが、今回は

三菱ミシンの自動糸切りミシンで交換します。

複数の2本針ミシンを使っている人にしか、解らないと思いますが

同じ三菱ミシンでも自動糸切りと糸切り無しでは、針板だけでなく

送り歯も形状が異なります。よって、ゲージ幅を色々と揃えると

高価なミシン部品の数が大変なことになります。

ステッチ幅の問題とは別に、今回のもう一つの難題は、

元の経年退色した本革と合う色を安価で探す事でした。

こだわるとキリが無いので、シンコールの塩ビレザーの類似色を調達しました。

本革と塩ビレザーでは風合いは勿論ですがステッチの糸の沈み具合(絞まり具合)の質感が異なります。

よって、本革では縫い代を切り落として張り込んであったものを

3㍉ウレタンを重ね、縫い代を開いてあえて糸絞まりが良く見えるようにしました。

ボンドを使った内張張りは、どこまで見えるのか?隠れるのか?

どうしても深く貼ろうとしてコーナー部分に腐心してしまいます。

年式は古くても、さすがに高級車なので気を使いますね(苦笑)

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