洋服を縫わない縫製工房

ミシンを使って、洋服以外で、できることは何でも挑戦!
薄物から、厚物、金属?関わったものを紹介します。

本革シートの難題

2015年09月24日 | ものづくり

一番、廉価設定でも、新車価格が1000万円以上する高級車の運転席の

シワを消してほしいとの依頼がありました。

まず、革シートをはずしながら、パットとカバーの張りのゆがみを確認します。

そして、外したカバーの縫製の確認、縫い代、縫いズレなど・・・

国産車でもそうですが、自動車シートの縫製はレベルが高いです!

すべて、問題のないレベルなので、修復でミシンの針穴が空いたりする

リスクがありますが、思い切ってほどいてみました・・・・

 

 

ようやくシワの原因がわかりました

座面の左右の革の質・・・つまんで握ってみただけではわかり難いのですが

引っ張ってみると違いが歴然!

つまり、シワの無い方は牛の背中の革、シワの出ている方はお腹の革

ということですね。

と言うことで、伸びてしまった革を考慮して縫い直します。

 

慎重に伸びた箇所を調整し10mmほど本来の位置をずらし縫製しました。

量産時は同時に縫い付けているワイヤー袋は後縫いで修復します。

無事にシワが消えました

こういうやってみないと解らない怖い(?)仕事って勉強になりますよね

国産車と違う思想みたいなものを感じることができたし・・・

お幾らいただいて良いものか・・・シワを消すよりも難しい

 

 


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