洋服を縫わない縫製工房

ミシンを使って、洋服以外で、できることは何でも挑戦!
薄物から、厚物、金属?関わったものを紹介します。

不思議な(苦笑)チェアーの張り替え

2019年04月06日 | ものづくり

 

 

ラインの写真で簡易見積もり依頼のあと、届いた現物確認で本見積をだし作業にかかりました。

何気に生地の要尺を計算して正式見積もりを送り、了解していただき作業に取り掛かりました。

なんだかあまり見かけないサイズ感でどんな部屋で使っているか・・・・

でも、ちょっとアメリカンでガレージでさりげなく置いてあると男の会話が

弾みそうな椅子ですよね

不思議その1

裏布のタッカーを抜いていって、おやっ??? 縦スリットがたくさん入った合板が

タッカー打ちされています・・・

これは何の為か?  お尻部分の高さ合わせ・・?

どうやら、背と座のつなぎの谷部の引き布を出すために切り込んだライン穴の

合板の補強のようですね

背当てのフラットバーが左右のアールが異なっている・・・(???な穴が開いてる)

底板の固定ネジが不揃いで、なぜ皿ビス・・・・?

ここに来る前に一度張り替えたのだろう・・・と思って進めていきました(苦笑)

しかし、タッカーを抜いた形跡は無いんです・・・・

薄いベージュと赤茶の総革の高そうな椅子だったのですが、なんと赤茶の方は

同じ薄いベージュを後で塗ってありました

こんな技、初めてです(驚) 教えて欲しいです

張り替えの隠れた楽しみを堪能して、いよいよ本業の作業を始めます4

外したカバーと土台ベース、ウレタンを計測し、整合性を導き出し型紙を製作します。

整合性を導きだす時に大切なのは左右の対称を正確に決めることだと思っています。

よって、私の場合はパソコンでリフレクトと縫い距離計算を積み重ねて各型紙を作成します。

劣化したカバー、ウレタンでも出来上がりをイメージして製作した型紙をそのまま

正確にレーザーカットします。

ハサミや復動式の裁断機では切り口がほつれてロック掛けしなくては本縫いできない布でも

レザーカットすることでキレイな切り口で正確な縫製できます。

写真のように、ポイントの穴あけや、ミシン目カットも可能です。

このミシン目カットで折縫いしてなんちゃって玉縁仕様で玉芯を巻いていきます。

最近は全周玉縁パイピングやテープ裁断が面倒な時に採用する方法です。

たくさん製作する場合や、玉縁テープの色の指定がある場合バインダーを使いますが

今回はまとめ縫いの押さえもこのままでいくことにします。

驚きの合板補強方法は、5㍉のフラットバーを適当に切って補強骨としてネジ止めしました。

このままだと、背と座の引き布が引き出すことが出来ません。

そこは自動車シートでは常識のワイヤーを使った引き張りをします。

写真のように、吊り込みテープにワイヤーを通しヒモを裏に引き出しタッカー止めします。

後は通常の張り作業をして、隠し布で黒不織布を張って組み立てていきます。

出来るだけ安価でとの依頼で元の本革のようなステッチは指定の表皮は布だから

廃止すると見積もりで了解していただいていたのですが、指定表皮と完成イメージから

玉縁仕様にしました。

出来上がってみると、正解だったようです。最近は簡単な廉価品が多いですが

やはり玉縁があると良い感じだと思いませんか?

ずいぶん、感じが変わりましたね~~

喜んで頂けると嬉しいです(苦笑)

 

疑問を整理すると、フレームのパイプの切断&溶接はしっかりしている・・・

総本革で縫製されたカバーも技量の高さがうかがえる・・・・

張り込み、組み立ての細部が家具メーカーの物とは異なり詰めが甘い・・・

(まるで私が自分用に作ったみたいな・・苦笑)

引き渡しの時に色々聞いて作った人に会えるなら会ってみたい

 

 

 

 

 

 

 

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