ぼくは 空の王さま。
お昼は ふつうの子どもなんだけど、夜になると こっそり空へ行くんだ。
そして、雲の上から しあわせのたねをまいてるんだ。
しあわせのたねをまくと、みんなが どんどんしあわせになっていくんだよ。
きょう、パパとおふろに入ったとき、はじめてこのはなしをしたんだ。
もちろん パパはびっくりしたよ。
でも、「いいことしてるんだな~」って ほめてくれたよ。
「じゃあ、きょう パパもいっしょに行く?」と さそったんだ。
パパはすぐ「よし!いっしょにいこう」と いってくれたよ。
だから、とってもたのしみなんだ。
そうそう、パパに一つ おねがいしたんだ。
雲の上には わるい王さまというのもいて、わるいたねをまいて みんなをいやなきもちにしてしまうんだ。
ときどき そのわるい王さまが ぼくらをせめてくるので、パパもいっしょにたたかってほしいと。
パパは「よし!わかった」と いってくれたよ。
ばんごはんもたべた。おふろも入った。はみがきもした。パパそろそろ行こう!
「くもー」ぼくは雲をよんだ。
雲が一つ、まどのそとに むかえにきた。
ぼくらは その雲にのり 夜の空に まい上がったんだ。
雲の上につくまで、パパに すこしせつめいをしたよ。
雲の上には 2つのかいだんがあって、左がいい王さま 右がわるい王さまのおしろへとつづくんだ。
今日はいい王さま、ぼくのおしろに行くんだよ。
いっしょに しあわせのたねをまこうね。
ぼくらは 雲の上についた。
パパをぼくのおしろまであんないし、すぐに しあわせのたねをまくことにしたんだ。
朝まで あまりじかんがないからね。
「しあわせにな~れ」と しあわせのたねをまけばまくほど せかいじゅうの人がしあわせになっていく。
今日は わるい王さまはおやすみのようだ。
「パパ、あっちにもこっちにも たねをまいてね。」
二人で しあわせのたねをどんどんまきつづけた。
───。
あれ? とおくから ぼくらをよぶこえがする。
だんだんちかづいてくる。
「朝ですよ。ふたりとも 早くおきて」
ママのこえだった。
「つづきはまた夜ね、パパ。」
おしまい。
制作:2009年3月
原案:こぱんだ(6才)
文:ぱぱんだ
絵:こぱんだ&ぱぱんだ
追記:このお話の元になったのは記事1と記事2です。