ずっとお利口さんでいてね

3カ月ぐらい前からだろうか

近所で犬を飼ったお宅があった

お庭に人工芝を敷いて

ペット用のフェンスで囲って。

…

こんな住宅地で犬を飼うだなんて…と

最初はちょっと嫌な気持ちだった

時折ワンワン吠えてるのも聞こえたし。

カミさんはあまり気にならないって言うんだが

犬好きだからそう思うんでしょ？

俺みたいにちょっと犬が苦手な人にはさ…

…あれ？別に毎日吠えてるわけじゃないか。

ギリ許せるか…

 

 

 

犬が走り回れるように冬はちゃんと除雪もして

だいぶ大事にされている様子だ

…

で、今朝である。

燃えるゴミを、ゴミ置き場に持って行く途中に

そのお宅の前を通った

ダルちゃんは（勝手に命名）何やら雪の塊の中に鼻を突っ込んで

フガフガやっていた

全集中犬の呼吸壱の型「わんわんお」である

何か雪の中に隠れているものを探しているのか

通り過ぎる俺の足音など耳に入らない様子

 

 

 

ゴミ置き場まで3分ぐらいかな

ゴミを置いて戻ってくる途中もまた

そのお宅の前を通ることになる

お庭がどんどん見えてきたら

ダルちゃんが走り回って遊んでいる

行ったり来たりとにかく走ってる

口には水色の壊れたサンダルを咥えてて

ああ、コレを雪の中から掘り出してたんだと思った

俺が通り過ぎる時だった

あんなに楽しそうに走り回ってたのに

俺を見つけた瞬間に急ブレーキ

ビタ止まりして俺の顔を見たとたんに口からサンダルをボタッと落とした

…なんでやねん

何の発見があったんだよ

吠えるでもなくただジッと見てるんだけど

知ってる。あの行動の感じ。

俺と遊びたいって思ってるパティーンのやつ。

…

あのね、んとね

ダルちゃん初めまして。

俺ね、にゃびちゃん。

俺さ、ごめんね。犬があんまり得意じゃないのよ。

小さいころにガブッと咬まれて大怪我してから怖いんよ。

大人になってから聞いた話だけど

ダルメシアンに咬まれて大怪我した人の話も聞いているから

余計にダルちゃんが怖いの。

だからね、ごめん。遊べない。

…こんなに犬が苦手だと言っているし

ブログにも何度も書いている

でも、犬は俺に興味がある。謎でしかない。

頼むから興味を持たないで。俺はただのおじさんですから。

 

 

 

帰って来てからこの話をカミさんにしたら爆笑

『なんでそんなに好かれるんだろうね～すごいわ』

すごくねぇっす。

そう言えば、カミさんの実家の犬『もうすけさん』も俺の事が大好きだった

もう死んじゃったけど、もうすけさんは第一印象からそんな怖くなかった。

お年寄りだったのもあったのかな。

向こうも第一印象から俺を気に入ったみたいで

俺の横にピタッとくっついて座ってた。

不思議だったなぁ…

俺から犬の好きな匂いがしているのではないかと言われたけど

どうなんだろう

加齢臭ぐらいしかしないと思うんだが。

 

 

 

ダルちゃんはキュルキュルの可愛い目で俺を見ていた

お願いだから無駄吠えしたりしないで

ずっとお利口さんにしててね

にゃびちゃんとの約束だよ。

お利口さんにしてていつか万が一撫でられるような場面が来たら

その時はちょっと撫でてあげるから。

どうかお手柔らかにお願いしますよ。