もう15年以上も前でしょうか。
長崎のハウステンボスが初期の経営形態だった時代に、母娘ふたり旅をしました。
アトラクションに興味のない私たちは、オランダさながらの街並みを散策したり、あふれる花々を愛でたり、街中で始まるショーやダンスを楽しんだり。
3日間にわたってハウステンボス内だけで、とてものんびりとした時間を過ごしていました。
そんななかで1箇所の小さな展示施設が目に留まり、ふらりと立ち入ったのがシーボルトとの出逢いです。
もちろん名前と少しの経歴くらいは、歴史の授業で学んだ記憶がありました。
…が、特段歴史に興味があるわけでもなく、自分の生活ともおよそ無縁の歴史上の人物のことなど、そのときまで思い出すことすらありませんでした。
そもそもその展示施設に興味を持ったのも、最初は現地の焼き物である『柿右衛門』が展示してあったからなんです。
高級磁器で滅多に実物にお目にかかることはない『柿右衛門』のうつわや壺が、生産地らしく豊富に展示されているその施設は、当時から陶磁器が大好きだった私たち母娘には垂涎ものでした(笑)
そこで陶磁器を堪能したあとに、ついでのように足を向けた隣の施設に、シーボルトに関する展示品がありました。
シーボルトの人生と日本&長崎とのかかわりが、各資料とともにごく簡単に紹介されているだけのものでしたが、その中に精密な植物画があるのを見て目が釘付けに。
その植物画をまとめた書籍『フローラ・ヤポニカ(日本植物誌)』や、アジサイにまつわる彼の現地妻おタキさんとの逸話を知って、がぜん興味を持ちました。
その日以来、私たち母娘の会話には、たびたび『シーボルト』が登場します(笑)
そのシーボルトに関する展覧会が近場で開催されると知り、訪れるのを楽しみにしていました*
ちなみに国立民族学博物館は、太陽の塔で有名な大阪の万博記念公園内にあります。
こどものころから親しんだ場所と博物館ですが、おとなになってからはとんとご無沙汰で。
黒川紀章氏設計のモダンな建物と外構、おもちゃ箱のように主種雑多な展示がこども心にもとても興味深かったのを改めて思い出し、半ばレジャー感覚で行ってきました(笑)
ちなみに画像は、シーボルト展が開かれている特別展示館の建物です。
展覧会は小規模でしたが、シーボルトの興味と仕事の幅広さを実感できるものでした。
彼の人生やひととなりもとてもよくわかって、より一層身近に感じられました。
…ただ。
私の目当ては『フローラ・ヤポニカ』に関する展示だったのですが、植物画は2枚だけ、あとは採取に関する一覧表がいくつか展示されているだけで、ちょっと物足りなくて。
もう少し見たかったな、というのが本当のところ。
それでも彼がこの国で収集したものやその研究成果は驚くほど深くて幅広くて、シーボルトが日本にどれほど興味を抱いていたのかがよく理解できました。
…採取品がね、日本人の私の目から見ると面白くて可笑しくて(笑)
「こんなものまで持ち帰ったの?!」とか「これ何?!」とか言いながら、今回も母娘で楽しんできました(笑)
お土産には、『フローラ・ヤポニカ』の絵葉書を*
この『ハイドランジア ~オタクサ~ 』の絵と再会できたことが、何よりの喜びでした*
そしてそのあと、脚が棒になるくらい広い常設展示室を隅々まで廻って思ったのは。
民俗学や文化人類学って面白い…!!ということ。
もう少し若い頃に気が付いていれば、そちらの方面の学校で学んでみたかったかも。
そんなことまで考えた、とても内容の濃い、充実した一日でした*
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ぱりまり
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