parismaris's days*

大往生




祖母が黄泉の国へと旅立ちました。

95歳になったばかりの大往生でした。


倒れる直前まで元気にデイサービスへと通い、会う人みんなに「Mさんってほんとにかわいい!」と言って貰っていたおばあちゃん。
確かに見た目も仕草も性格も、とっても可愛らしいひとでした。


気が小さいのに大胆で。
控えめなのに人に好かれて社交的で。
かわいくておおらかで、ときどき天然ボケを炸裂させてはみんなを大笑いさせて。

家族の癒しの存在でした。



かつて洋裁のプロだった腕を活かして、幼いころから洋服や小物をそれはそれはたくさん作ってくれました。

美術の教師だったセンス抜群の祖父(ただいま98歳!)が生地を選び、それを祖母が仕立てる連係プレー。
なのでこのふたりがくれるのは、こども服であるにもかかわらず、シックでお洒落なものばかりでした。

祖母の娘である私の母と私が洋裁好きになったのも、たぶんこの祖母の影響*



よくお菓子も作ってくれました。

カステラやクッキーにキャラメル。
どれもシンプルだったけれど、しっかりした甘さのある、とっても美味しいお菓子でした。


そのなかでいちばん好きだったのが、コーヒークッキー。

おとなになってからレシピを教えてもらったのですが、なぜか祖母と同じ味にはならなくて。
おばあちゃんのあの味が食べたい!といつも思います。



生まれたその日から昨日まで。
さり気なくも深い愛情を、たくさんたくさんいただきました。

人としてだいすきでした。
祖母としてずっと尊敬していました。


そのひとがいなくなってしまって、すごく淋しいけれど。
ここまで長く生きて傍にいてくれたのだから、いつもしていたようにほほえんでお別れしてきます。

「おばあちゃん、またね。」

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