チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「『悲愴』のマザコン性(終楽章篇)」

2005年04月08日 14時03分17秒 | 悲愴中毒(おreたちdニasはない
ワルツのリズムといえば、「ズン・チャッ・チャッ」である。
ウィンナ・ワルツならば、「ズ・チャァ・チャーァ」である。
悲愴・ワルツなら、「○・ディ・ダ|ー、ディ・ダ|ー」である。
シンコ・ペイションである。が、
それが進化ペイトしてやがてはコハダになることはない。
それはさておき、「ディ・ダー」は、モース信号の「a」である。いっぽう、
チャイコフスキーの母の結婚前の名は、
「aリクサーンドゥラ・aンダリェーェブナ・aッスィエール」
である。「悲愴」終章対主題を導くその
「シンコペイトされたワルツ律動」は、2本のホルンによって、
「a」音のオクターヴ・ユニゾンで吹き始められる。
♪○ソソ・ーソソ・ーソソ|ーソソ・ーソソ・ーソソ|ーソソ・ーソソ・ーソソ♪
                     ドー  ドー >シー >ラー
クラ&ファゴには「コン・エスプレッショーネ」、
トロンボーンには「コン・センティメント」、そして、
♪【ドー|ドー>シー>ラー|>ソー】♪と節を弾く弦には、
「コン・レネッツァ・エ・デヴォツィオーネ」の指示。
「優しさと愛着をこめて」なのである。
チャイコフスキーは、ここで40年前に死んだ母親(の思い出)と、
「ラスト・ダンス」であるワルツを踊ってるのである。マザコンである。
♪【ドー>シン>ラ|>ソー】ー>ファ|>ミー>レー|ドーー
 ……【ド|ド>シ>ラ>ソ|ソン>ファ>ミ】
 主は来ぃまっせぇえりぃ~~~、主は来ぃまっせぇえりぃ~~~、
 主はぁあぁ~~、主はぁ~あぁ、来ぃマーチェリ♪(主格はマーチであるが)
さて、ピアニッシモで始まるこの
♪【ドー|ドー>シー>ラー|>ソー】♪がオクターヴ上で繰り返されるとき、
鈍感凡庸な「指揮者」連中は、あらんかぎりの暴イングで弦に弾かせる。ご苦労。が、
チャイコフスキーの指示は「mf」である。当然である。ここは絶叫なのではない。
ママン(の思い出)との涙あふれる対面そして別れなのである。ヒトの感情を、
痛々しくもこれほどはないというくらい繊細に表現した絶妙な場面なのである。
そしてのち、音楽はクレッシェンドされ、テンポを速められ、
ロ短の主和音による「fff」の極大点に到達するのである。
が、そこは安定した場所ではない。
♪ラーーーーー|ー>ソ>ファ>ミ>レ>ド♪(「ド(<)ミ(<)ラ」)
弦が下降し、すぐに、「ナーポリ調」に「移され」る。
すばわち、「ハ長」の主和音、とスキャンすることもできる。
♪ファーーーーー|ー>ミ>レ>ド>♭シ>ラ♪(「♭シ(<)レ(<)ファ」)
そして、もういちど、今度は「ナーポリ6」を打ち据える。
♪レーーーーー|ー>ド>♭シ>ラ>ソ>ファ♪(「レ(<)ファ(<)♭シ」)
→ヴィヴァーチェ。さらに、ロ短のナーポリの一撃(♪c<e*)。
フェルマータ附きのゲネラルパオゼののちに、
対主題が悲痛に繰り出される(*<g♪)。♪g・g>fis>e>d♪
♪c<e<g♪は「ベト3(英雄交響楽)」葬送章マッジョーレ部の節である。
さらに4度下で繰り返された対主題は、次第に下降する力を失い、
ロ短の属音fisで上に押し戻され、
主主題の(もうザッピングされない)再現を余儀なくされる。
♪ミー>レ>ド>シン>ラ|<シーーーー○♪
亡き母とのワルツは、こころおきなく躍らせてはもらえなかったのである。
ちなみに、この「ワルツ」が「挽歌」に着せ替えられた3トロ&チューによる
エクヴァーレでは、アルトロが吹く上声に「a音」は疎外されてる。
また、シンコペの「dit-dah」律動は、エクヴァーレ後の、
「ラスト・ワルツ」が短調化された結部では、
属音でなく、主音「h」でコンバスに刻まれるのである。
もはや、母の「a」は絶たれてるのである。さらには、最期の断末魔の9小節に、
「生母のa音」は1音たりとも進入を許されない。そして、
「ppp」すらチャイコフスキーの死を看取ることを許可されない。
「p」からのディミヌエンドは「pppp」、そして「>」なのである。
ところで、モース信号において、
「ディ・ダー」は「a」であるが、それが「3つ重なっ」た
「ディ・ダー・ディ・ダー・ディ・ダー」は、
「.(ピリオド)」、終止符。聴き終わると、ドット涙がこぼれるはずである。
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