ちょっと前に録画しといたNHKの「名曲探偵アマデウス」の
「白鳥の湖」篇をやっとみることができた。
探偵事務所助手の響カノン(黒川芽衣女史)がスイーツ教室で知り合った
白鳥姫子(藤井美菜女史)がケーキ屋を開業したいが、
昨今はケーキがよろしくないので父親がなかなか許可してくれない、
どうしたらイインでしょうかしら、という相談者の設定である。
シラトリ・ファンドのファンド・マネージャーの娘でセレブお嬢様、
ということである。実際、藤井女史は
米国カリフォーニア州San Diego(サン・ディエイゴウ)生まれ、
慶應湘南に地域枠調整入試という、
慶應の附属高校としてはもっとも簡易な枠ながら入り、
現在は慶應義塾大学文学部に通う、
現役大学生という才色兼備な女優である。
鼻筋が通って顎がとんがって唇が小さく薄い、
秋田美人によくある顔である。
現在上映中の「武士の家計簿」では、
幕末の主人公の金沢藩士猪山直之の嫡子成之に嫁いで
海軍大佐猪山綱太郎の母となる、
金沢藩士の娘増田政を演じてる。ともあれ、
実際の父親はマネーファンドや財務分析というよりは、
レトロウィルスの解析に長けてるかもしれない。
ところで、
先日、「ドツキ漫才」という、男が女の頭をひっぱたいたり、
思いきりビンタを食らわしたり、跳び蹴りしたりした芸風で、
かつてTVにもよく出てた「正司敏江・玲児」の正司玲児が、
成人T細胞白血病のリンパ腫で死んだ。71歳だった。
故人は大分県の出身らしい。
成人T細胞白血病リンパ腫は、HTLV-1(ウィルス)によって引き起こされる。
ギャロの手柄にはなってるが、実際は、
京大から熊本大に派遣された学者らによって発見されたウィルスである。
といって、潜伏期間が40乃至60年なので、
発症しないまま別の死因で死ぬことがほとんどである。そして、
多くが母親からの垂直感染である。性行為による感染は、
男性の精液から女性に感染する。一般に、
レトロウィルスは性行為に関与することが多く、また、潜伏期間が長い。
有性生殖(行為)に関与して感染する、
という戦略はすなわち、潜伏期間を長くして
その感染機会を増やすことが有効だからである。
また、近年、
女性の子宮頸癌の発症も、男性から女性へのHPV=
ヒトパピローマ(パピローマはイボ)ウィルス感染によるものがほとんど、
ということがわかってきた(セイキの構造上、男性は癌化しにくい)。
このように、ウィルス由来の癌が知られるようになってきた昨今、
罪の多い民主党政権の功罪の中で数少ない功のひとつが、
「HTLV-1特命チーム」の立ち上げである。
あくまでも「立ち上げ」であるが、ATLが
白血病なのかリンパ腫なのか判らない拙脳なる私には、
その期待度が解るわけもない。ともあれ、
「正司敏江・玲児」は実際に夫婦だったが、離婚しても
漫才は続けてた。一生ツガイを解消しないハクチョウのように。
ときに、
HTLV-1と似たウィルスにHTLV-2がある。
HTLV-2はHTLV-1と同様に細胞を不死化させる。一般に、
細胞はデジタル録画のコピーに制限が掛けられてるように、
テロメアが短くなってってしまうので、分裂回数に限界がある。
ところが、不死化した細胞はテロメアが短くなっても
トカゲの尻尾のようにまた伸びてくるのである。簡単にいえば、
癌細胞とは不死化した細胞なので際限なく増殖すると考えていい。
HTLV-2は白血病は発症させない。だから、
このウィルスを研究すればHTLV-1による白血病発症のメカニズムはおろか、
再生医療発展の道が開ける可能性があるのである。
さて、
今回の「名曲探偵アマデウス」の「白鳥の湖」篇は、
前回のチャイコフスキーネタ「交響曲第4番」のように
大ウソをかましたものではなかった。が、
やはりほころびはいくつかあった。まず、
「白鳥のテーマ」の調性について、である。
[白鳥=2♯(ロ短調)←五度圏の対極→黒鳥=4♭(ヘ短調)]
は悪くはないのであるが、そこで言う「黒鳥のテーマ」が
ロートバルトがオディールの正体を明かす第24曲の場面では
実質ハ短調で出てくることは説明されてなかった。それはともかく、
[善=シャープ系の調性←→悪=フラット系の調性]
という紋切り型の説明は大きな間違いである。
チャイコフスキーの嬰変の振り分けは、単純に善悪だけではないのである。
このブログの、
「白鳥の湖/森前半vs川内後半のおフ・クロウさん」(2007年07月01日)
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/ecbb461f4db7fbc79ea191ca1e6d19cb
で取りあげたように、
4幕から成るバレエ「白鳥の湖」が、前半(1幕と2幕)と後半(3幕と4幕)で
縦に対称的に配され、また、1幕と3幕が王子の別邸や王宮であり、
2幕と4幕が白鳥が隠れてる湖、という横の対称を成してる、
いわゆるシンメトリー構造になってること、そして、
曲の調性自体ではなく、
クラリネットとコルネットという移調楽器が
前半ではA管(シャープ系)支配、後半ではB管(フラット系)支配、
と配されてることが肝腎なのである。
それから、
バレエ「白鳥の湖」のあらすじ、である。
これはハナからチャイコフスキーの死後である1895年に改変されたもの、
を「原典」としてることに誤りがある。
オデットはロートバルトによって昼間白鳥に姿を変えられたわけではない。
命と冠を狙う邪悪な継母から身を護るために
祖父が湖に匿ってくれて、昼間オデットらを白鳥に変えて
寛ぐ場を与えて空高く遊ばせたり、
雅に踊ったりさせてくれていたわってくれたのである。
その身の上話が2幕で踊られるのであるが、
それをなくしてしまっては、
♪ミ>(♯)レ<ファ>ミ♪=年長者(ここの場合は祖父)による加護、
の意味がない。のちに、師であり自分の守護であった
ニコライ・ルービンシテインの死に際して作ったpfトリオの主要主題の意図も
へったくれもないのである。
ともあれ、
改変にあたってチャイコフスキーの弟モデストは、
本来の筋では頭が行き届かない多くの聴衆には解りにくいので、
単純に悪によって姿を変えられてしまった、
ということにしたのだとは思う。が、
それをチャイコフスキーもとからのオリジナルのような伝えかたをするのは
よろしくない。
また、
終い、ズィークフリート王子とオデットが死んでも天国で結ばれる、
というのも憶測にすぎない。本当のオリジナルでは、
ズィークフリートはロートバルトと"戦っ"たりはしてない。なぜなら、
勝負はすでに3幕でついてるのである。
4幕はただ王子がオデットに後悔の念を伝え、
無理心中するだけである。このくだりは、
このバレエ完成後ちょうど10年後、
白鳥の騎士ローエングリンに魅せられ金をつぎ込んだ
バイアーン国王ルートヴィヒ2世が侍医とともにグッデンと転がった
水死体で見つかった事件を予想してたかのようである。
いずれにしても、
バレエ「白鳥の湖」の最後は、
[オデットが王子に道連れにされて溺死したあと、
嵐が静まり、雲の間から月の青白い光が射し、
湖面に白鳥の一群が姿を現す]
というものである。つまり、
オデットは死んでもまるで「はじめから何もなかった」かのように、
白鳥たちが湖面を泳ぐ。
"God's in His heaven
All's right with the world"
天国におましますのはGodだけであり、
人間などは到底到達できない。ただ、
世はすべて竪琴も竪ゴットもなし、という死生観なのである。
ちなみに、
我が国におけるオオハクチョウ飛来地として有名な人造湖瓢湖は、
新潟市の隣町、阿賀野市にある。
「白鳥の湖」篇をやっとみることができた。
探偵事務所助手の響カノン(黒川芽衣女史)がスイーツ教室で知り合った
白鳥姫子(藤井美菜女史)がケーキ屋を開業したいが、
昨今はケーキがよろしくないので父親がなかなか許可してくれない、
どうしたらイインでしょうかしら、という相談者の設定である。
シラトリ・ファンドのファンド・マネージャーの娘でセレブお嬢様、
ということである。実際、藤井女史は
米国カリフォーニア州San Diego(サン・ディエイゴウ)生まれ、
慶應湘南に地域枠調整入試という、
慶應の附属高校としてはもっとも簡易な枠ながら入り、
現在は慶應義塾大学文学部に通う、
現役大学生という才色兼備な女優である。
鼻筋が通って顎がとんがって唇が小さく薄い、
秋田美人によくある顔である。
現在上映中の「武士の家計簿」では、
幕末の主人公の金沢藩士猪山直之の嫡子成之に嫁いで
海軍大佐猪山綱太郎の母となる、
金沢藩士の娘増田政を演じてる。ともあれ、
実際の父親はマネーファンドや財務分析というよりは、
レトロウィルスの解析に長けてるかもしれない。
ところで、
先日、「ドツキ漫才」という、男が女の頭をひっぱたいたり、
思いきりビンタを食らわしたり、跳び蹴りしたりした芸風で、
かつてTVにもよく出てた「正司敏江・玲児」の正司玲児が、
成人T細胞白血病のリンパ腫で死んだ。71歳だった。
故人は大分県の出身らしい。
成人T細胞白血病リンパ腫は、HTLV-1(ウィルス)によって引き起こされる。
ギャロの手柄にはなってるが、実際は、
京大から熊本大に派遣された学者らによって発見されたウィルスである。
といって、潜伏期間が40乃至60年なので、
発症しないまま別の死因で死ぬことがほとんどである。そして、
多くが母親からの垂直感染である。性行為による感染は、
男性の精液から女性に感染する。一般に、
レトロウィルスは性行為に関与することが多く、また、潜伏期間が長い。
有性生殖(行為)に関与して感染する、
という戦略はすなわち、潜伏期間を長くして
その感染機会を増やすことが有効だからである。
また、近年、
女性の子宮頸癌の発症も、男性から女性へのHPV=
ヒトパピローマ(パピローマはイボ)ウィルス感染によるものがほとんど、
ということがわかってきた(セイキの構造上、男性は癌化しにくい)。
このように、ウィルス由来の癌が知られるようになってきた昨今、
罪の多い民主党政権の功罪の中で数少ない功のひとつが、
「HTLV-1特命チーム」の立ち上げである。
あくまでも「立ち上げ」であるが、ATLが
白血病なのかリンパ腫なのか判らない拙脳なる私には、
その期待度が解るわけもない。ともあれ、
「正司敏江・玲児」は実際に夫婦だったが、離婚しても
漫才は続けてた。一生ツガイを解消しないハクチョウのように。
ときに、
HTLV-1と似たウィルスにHTLV-2がある。
HTLV-2はHTLV-1と同様に細胞を不死化させる。一般に、
細胞はデジタル録画のコピーに制限が掛けられてるように、
テロメアが短くなってってしまうので、分裂回数に限界がある。
ところが、不死化した細胞はテロメアが短くなっても
トカゲの尻尾のようにまた伸びてくるのである。簡単にいえば、
癌細胞とは不死化した細胞なので際限なく増殖すると考えていい。
HTLV-2は白血病は発症させない。だから、
このウィルスを研究すればHTLV-1による白血病発症のメカニズムはおろか、
再生医療発展の道が開ける可能性があるのである。
さて、
今回の「名曲探偵アマデウス」の「白鳥の湖」篇は、
前回のチャイコフスキーネタ「交響曲第4番」のように
大ウソをかましたものではなかった。が、
やはりほころびはいくつかあった。まず、
「白鳥のテーマ」の調性について、である。
[白鳥=2♯(ロ短調)←五度圏の対極→黒鳥=4♭(ヘ短調)]
は悪くはないのであるが、そこで言う「黒鳥のテーマ」が
ロートバルトがオディールの正体を明かす第24曲の場面では
実質ハ短調で出てくることは説明されてなかった。それはともかく、
[善=シャープ系の調性←→悪=フラット系の調性]
という紋切り型の説明は大きな間違いである。
チャイコフスキーの嬰変の振り分けは、単純に善悪だけではないのである。
このブログの、
「白鳥の湖/森前半vs川内後半のおフ・クロウさん」(2007年07月01日)
http://blog.goo.ne.jp/passionbbb/e/ecbb461f4db7fbc79ea191ca1e6d19cb
で取りあげたように、
4幕から成るバレエ「白鳥の湖」が、前半(1幕と2幕)と後半(3幕と4幕)で
縦に対称的に配され、また、1幕と3幕が王子の別邸や王宮であり、
2幕と4幕が白鳥が隠れてる湖、という横の対称を成してる、
いわゆるシンメトリー構造になってること、そして、
曲の調性自体ではなく、
クラリネットとコルネットという移調楽器が
前半ではA管(シャープ系)支配、後半ではB管(フラット系)支配、
と配されてることが肝腎なのである。
それから、
バレエ「白鳥の湖」のあらすじ、である。
これはハナからチャイコフスキーの死後である1895年に改変されたもの、
を「原典」としてることに誤りがある。
オデットはロートバルトによって昼間白鳥に姿を変えられたわけではない。
命と冠を狙う邪悪な継母から身を護るために
祖父が湖に匿ってくれて、昼間オデットらを白鳥に変えて
寛ぐ場を与えて空高く遊ばせたり、
雅に踊ったりさせてくれていたわってくれたのである。
その身の上話が2幕で踊られるのであるが、
それをなくしてしまっては、
♪ミ>(♯)レ<ファ>ミ♪=年長者(ここの場合は祖父)による加護、
の意味がない。のちに、師であり自分の守護であった
ニコライ・ルービンシテインの死に際して作ったpfトリオの主要主題の意図も
へったくれもないのである。
ともあれ、
改変にあたってチャイコフスキーの弟モデストは、
本来の筋では頭が行き届かない多くの聴衆には解りにくいので、
単純に悪によって姿を変えられてしまった、
ということにしたのだとは思う。が、
それをチャイコフスキーもとからのオリジナルのような伝えかたをするのは
よろしくない。
また、
終い、ズィークフリート王子とオデットが死んでも天国で結ばれる、
というのも憶測にすぎない。本当のオリジナルでは、
ズィークフリートはロートバルトと"戦っ"たりはしてない。なぜなら、
勝負はすでに3幕でついてるのである。
4幕はただ王子がオデットに後悔の念を伝え、
無理心中するだけである。このくだりは、
このバレエ完成後ちょうど10年後、
白鳥の騎士ローエングリンに魅せられ金をつぎ込んだ
バイアーン国王ルートヴィヒ2世が侍医とともにグッデンと転がった
水死体で見つかった事件を予想してたかのようである。
いずれにしても、
バレエ「白鳥の湖」の最後は、
[オデットが王子に道連れにされて溺死したあと、
嵐が静まり、雲の間から月の青白い光が射し、
湖面に白鳥の一群が姿を現す]
というものである。つまり、
オデットは死んでもまるで「はじめから何もなかった」かのように、
白鳥たちが湖面を泳ぐ。
"God's in His heaven
All's right with the world"
天国におましますのはGodだけであり、
人間などは到底到達できない。ただ、
世はすべて竪琴も竪ゴットもなし、という死生観なのである。
ちなみに、
我が国におけるオオハクチョウ飛来地として有名な人造湖瓢湖は、
新潟市の隣町、阿賀野市にある。
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