チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキーのジュピター・セレナード」

2007年12月14日 00時21分47秒 | チャイコ全般(6つの目のチャイコロジー
チャイコフスキーの「弦楽セレナータ」は
1880年の秋に、ごく短期間で作曲されたそうである。
第3楽章に「エレジー」が置かれてるのには、
その年の初頭に父イリヤーが死去した、
という事実があるからだと私は考えてる。
この作品は「内面からわきあがる衝動によるもの」
から生まれたのだそうである。おそらくは、
幼児の時分の幸せな家族団欒への懐古が
根底にあるのだろう。第2楽章の
「ワルツ」はもちろん母の思い出への感傷である。そして、
「ソナチネ形式の楽章」という副題が附されてる
第1楽章が「モーツァルトの様式への意図的模倣」
というように、幼少期に触れて感動した
モーツァルトへの愛着とオマージュなのである。
第4楽章の「ロシア民謡」の「意味」についての
私の見解は別に触れるつもりである。さて、
*♪ドーー・>シーー│>ラーー・>ソ<ラ<ド│
 >ソーー・ーー>ファ│>ミーー・ミミ<ラ*♪
は、TVCMによって、クラ音にまったく興味がない人にも
知れわたった第1楽章冒頭である。ここは
「センプレ・マルカティッスィモ」と指定されてるのだが、
巷に出回ってる録音物はそのほとんどが、この
チャイコフスキーの指示をないがしろにしてる。
まだしもましなのは、指揮者なしという音楽アナーキスト
集団楽団の形態で一時期もてはやされたことがある
「オルフェウス管弦楽団」の演奏である。それはともかく、
この「序奏」の主題が2回呈示されたのちに確保されるとき、
*♪ドーー・>シーー│>ラーー・>ソ<ラ<ド│
 >ソーー・ーー>ファ│>ミーー・>【ド<レ<ファ│
 >ミーー】・……*♪
と変じられる。この【】部分はまぎれもなく
【ジュピター音型】なのである。
モーツァルトへのオマージュである。ちなみに、
チャイコフスキーは最初の交響曲を作るにあたって、
モーツァルトの最後の交響曲の有名な音型である
【ジュピター音型】すなわち
【2度あがって、そこからさらに3度あがり、
 そこからは2度さがる】
という音進行を組み込んでるのである。
第3楽章中部:
*♪【ソーー│<ラー<ド│>シー】<レ│<ファーー│
 >ミーー│>レー>ド│<レーー・ーーー*♪
「冬の夢想」である。この
【ド<レ<ファ>ミ】が『ド<レ<ミ>レ』という
『パッション音型』にヘンゲするのは
「くるみ割り人形」の第8曲「冬のモミの森」である。

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