日本人が古来食べてきた動物性たんぱく質は?

2018-10-21 20:48:54 | Weblog
古文書を紐解けば、遥か古代から牛を飼いチーズの元祖のようなものを作っていた記録はあるが、そういうものを口にできたのはごく一部の上流階級だけだ。一般庶民はやはり海や川のお魚さんを食べてきたのは想像に難くない。しかし、魚も捕れない地域だってあるわけで、では何を食べてきたか。

今の時代と違って昔々は卵は貴重な高級品だったのだ。私の世代の子供時代でさえ、卵は病気の時のお見舞いに持っていくものだったのを覚えている。養鶏などなかった時代は各家の庭で鶏を飼い、卵を採り、ときどきは鶏も各家で締めて肉を食べていた。私の小学生時代はどこでもそうだった。戦争から帰ってきた人々が何もないところから生活を築いていった時代だ。まだあちこちに防空壕の跡が残っていた時代だ。

それでも千葉県は海も小高い山もある便利な土地だから、動物性たんぱく質も、植物性たんぱく質も不自由しなかったのだ。そうではない地域もあることを知らされたのは、母の死で父が再婚したときだった。

長野と新潟の間の山奥の土地の出身の義母のおかげで、まったく知らない食文化に出会ったわけだ。ウサギを食べ物としてみる土地があるなんて考えたこともなかったのが、ウサギは食肉の文化圏の人が義母になったのだ。

そんなこんなで、ある時期から日経新聞のSNSに参加したり、いろいろあって、各地の食文化の違いを知り、地方によっては、虫も重要なタンパク源だと知って驚いた。ウサギどころではなかったのだ。

虫は見るのも嫌いなので、食べ物として見るのは勘弁してほしいところだが、東南アジアの食文化を見ると、なんと虫もれっきとした食べ物なのであった。まあ、牛や豚を殺すと血を流すことになるが、虫なら血は見ないで済むのも事実だ。

そう言えばそれどころではない。国によっては、あるいは地域によっては犬、猫、猿、みんな食物のひとつとわかって大ショックだった。

人間は何でも食べて生き延びてきたのだった。そんなわけで、今の時代の物価の上昇に対処していくという時、いざという時に何がどう料理したら美味しくたべられるかくらいは知っておいてもわるくはない。ただし、なにも悪食の勧めをするのではない。

安くておいしい代表格だった鯖缶が高級品になる時代だ。では何をどう食べたらよいかくらいは考えていきたいところだ。虫も量が取れれば相当なタンパク源なのだ。だから川のザザ虫の佃煮だってあるくらいだ。

しかし、今の時代、都会の普通の生活の中で、安くて美味しいタンパク源となると、魚のアラなどが思い浮かぶが、福島の原発事故以来、魚のアラは危険だ。まったく情け無い時代になってしまったものだ。

江戸時代あたりに戻って植物中心の食生活を考えても、今の時代はやはり問題なのだ。むずかしいことになってしまった。