こんにちは~、マリーで~す。うちのおばはんはどうしてるって? あの人ねえ、今朝起きたら頭が痛くて午前中寝てたの。だけどやらなくてはならないことがいっぱいあるから、さっき起きだしてバッファリンのんで仕事はじめたわよ。一昨日の大地震でおばはんの住んでるアパートも外のタイルが剥がれ落ちたりして、大家さんも大変。だけど、古いけど一応鉄筋の三階建てだから建物自体は大丈夫なの。
あの人、地震にあったのが阿佐ヶ谷の銀行だったからすぐ外に出て、目の前の阿佐ヶ谷駅に行ってみたのよね。そしたら、すでに全線運休、メトロもだめってわかったの。阿佐ヶ谷でよかったわよ。これが四谷だったらあの人、昔と違って足が悪くなってるから歩いて帰るのも大変なことだもん。それでも今回は二駅だから隣の荻窪まで行ったらバスが出てたのね。おかげで何とかお家には帰ってこれたんだけど、部屋に入ってびっくりよ。
台所は水浸し、高いところに積んであったものは全部下に落ちて部屋中に散らばってるし、板敷きの上に置いてある冷蔵庫がなぜか移動してしまって、ドアも開いたまま。勿論、中の物も外に飛び出しているし、大きい棚はガラスが落ちて割れて破片が飛び散っているし、本棚の本は全部飛び出しているし、本当にすごいの。ただ助かったのは粗大ごみに出す予定のパソコン用の椅子をまだそのまま置いてあったおかげで、机の上のパソコンはちょうど椅子の上に落ちてくれて壊れないでくれてたの。おばはんの一番心配してたのはパソコンが壊れていないかってことだったからよかったわ。
で、その夜が部屋がそんな状態でガスも使えないし、寒い台所で横にもなれずにちょっぴり寝ただけで寒さで寝られなかったの。さすがのあの人も、今回はほんとにあたしだけが頼りだったのよ。だってパソコンも部屋を片付けないことには動かせなかったのよね。そんなこんなだから、うちのおばはん、風邪をひいたみたいなの。そりゃそうだわね、ほんとに大変だったんだもの。
そんでもって、あの地震ってものすごく大きくって、マグニチュード9.0だったんですってね。だからかしら、まだ時々大きいのや小さいのや余震が何回も起こっているし、いろいろな情報を総合すると、地震で起こった巨大津波では多分今後、万単位の数の死者が出てくるみたいだし、まだまだ大きな余震が起こりそうだって、あの人、結構ビビッてるのよ。
怖いから当分は歩いてでも帰れるところ以外、出歩きたくないと思ってるみたい。ほんとにしょうのない臆病おばはんなのよね、あの人。マグニチュード7クラスの余震の確立が70パーセントだっていうし、まあ、仕方ないかなあ。今だって、昼も夜も余震が絶え間なく続いてるしねえ。
うちのおばはんは、それでも去年の9月30日の「備えよ常に」という話に、ひとつの図を添付しておいたのよ。それは日本周辺の震源図なの。すごく気味のわるい図よ。あれでいくとまだまだこの先も怪しいんじゃないの。怖がるだけじゃなくて一通りの心の準備、いざというときは予定通りになんて行くわけないけど、それでも一応出来ることはしておくべきじゃないのかしら。
でもさあ、福島原発があんなことになるとは誰にも予想つかなかったわよね。今回の地震て、あまりにも大きすぎたんだわ。これでこの先、東海とか、東南海とかの巨大地震になったら、ほかの地域の原発だって今からきちんと考えとかないと、大変なことになっちゃうんじゃないの、あたしでさえ心配になっちゃうわ。
あら、こんな時間よ、あの人、また明日具合がわるいなんて言い出しそうだからこのへんで止めとくわね。ほいじゃ、またね。