不機嫌なモノノケ庵 第10話「木偶」

2019-02-11 20:27:42 | Weblog
あんたねえ、もうじき本当に70歳だろ、古希じゃないか、漫画なんか見て感動してるような年齢じゃないだろう、とか言われそうなところなんだが、でもこころに響くものがあるんだもの。優れた表現作品てのは年齢や形に関係なく人の心に訴えかけてくるのだからしかたないじゃないか。漫画とかアニメとか言われる分野だって、優れた作品はやっぱり人の心に響く何かをもっているのだと思っている。

このところお気に入りの「不機嫌なモノノケ庵」不気味なものや、可愛いもの、様々な妖怪が登場する中で今回見ていたのは「木偶」人の悪口を言うときに使う、でくの坊の「でく」だ。

話の内容はご自分で、jcomオンデマンドとか、amazon primeのビデオでご覧いただくとして、いつもの狂言回しを勤める、不気味でいて、可愛い妖怪狐のヤヒコがまたもや事件を引き起こす。食いしんぼ狐くんは、知らずに妖怪畑で取れたジャガイモを盗み食いして、体が巨大化してしまい動きが取れなくなってしまう。幼馴染のアベノや、芦屋、禅子たちはヤヒコを助け出すために動き出す。

奇妙なジャガイモの土が妖怪臭いことに気が付いたヤヒコの言葉で、アベノと芦屋はジャガイモの取れた畑の様子を見に行くとそこで風変わりな妖怪、のぼうに出会う。この作品のすごさは妖怪の話の形で、深層心理学的な問題、人の心の深みを語っていることだろう。

のぼうさんは、火事で友人のかかしを失い、かかしを救い出せなかった自分の悲しい記憶のループにはまり込んで、そこから抜け出せず、苦しんでいたのだ。のぼうさんを救い出したのは、のぼうさん自身が自力で出てくるのを待っていてくれるアベノや芦屋たちの存在とそれを信じたのぼうさん自身の心だった。これってただの漫画、アニメじゃないかと読み過ごしては惜しいと思う。すごい内容じゃないか。