こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
ご主人に先立たれ、今は1人で持ち家で暮らしている70歳の方から相続相談を受けました。
子どもは娘さんが1人いるものの、交流はほとんど途絶しているとのことです。
自分が認知症になって施設に入所する必要が生じた場合は、自宅を売却して施設入所費用に充てたいとのことです。
また、施設に入所することなく最期まで自宅で暮らせた場合は、自身が亡くなったあとの自宅のことを心配されていました。
住む人がいなくなって廃墟となった自宅が倒壊等して、近隣に迷惑を掛けることにならないか、といった心配です。
子どもと交流があり普段から連絡が取れる状況であれば、自宅の売却や処分を子どもに任せれば大丈夫ですが、この相談者の場合はその方法が採れないわけです。
ただ、相談者には信頼できる友人がいるとのことでした。
そこで、私がお勧めしたのが【任意後見契約】でした。
任意後見契約とは、認知症になった場合に備えて、本人の判断能力が十分なうちに、任意後見人に代理権を与えておく契約です。
任意後見人は、判断能力が低下した本人の代わりに、本人の療養看護や財産管理を行なうことができます。
そして、任意後見人に与える代理権の一部として、自宅の売却・処分に関する権限を明記しておけば、本人が認知症になって施設入所の必要が生じた場合、本人の代わりに任意後見人が自宅を売却して、施設入所費用に充てることができます。
また、認知症になることなく最期まで自宅で暮らせた場合に備えて、任意後見契約とは別途に、自宅を任意後見人に「遺贈」する旨の遺言書を作成しておけば、相談者が亡くなったあと、任意後見人が自身のものとなった自宅を売却処分することもできます。
任意後見契約は本人が死亡すると同時に終了するため、本人の死亡後に自宅を任意後見人に売却処分してもらいたい場合は、自宅を任意後見人に遺贈する旨の遺言書を作成しておく必要があります。
以上の説明を聞いて、相談者は安堵しておられました。
ただ、相談者は犬(6才)、猫(15才)と一緒に暮らしておられ、自身の身に何かが起こった場合のペットのことも非常に心配しておられました。
ペットの不安を解消する方法については、次回のブログで取り上げることにします。
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