なんかカールしてる

良いことあったら、ちょっとおしえましょう。

本は暖かい電車のなかが一番

2017-01-24 18:55:59 | 日記
寒ーい。お習字からの帰り、坂道をビューッと自転車で下ってきたら、突き刺さる寒風に思わずヒーッと声が出た。そのまま面白いので誰もいない山道を、ヒー、ヒーと叫びながら自転車を飛ばして帰ってきました。声を出す作戦。

  先日の大阪行きの電車のお伴は、図書館で借りた石田千さんの「からだと はなす、 ことばと おどる」でした。一番新しいエッセイです。エッセイですが、ところどころ詩のような言葉がぷつりぷつりと並びます。イメージが飛躍して、読んでいるわたしが迷子になることがありますが、かまわず読み進めると全体でなんとなく理解できるという不思議な文章でした。よくわからないけど、感覚的にはわかるよ…という。その静かでトボトボと寂しい感じ、懐かしさと哀しさがまじった文章がすごく好きです。読んだあと暗くはなりません。あぁ同じこと思ってる人がいる、という安心感がじわりとやってきます。

石田千さんご本人の横顔が

  片頭痛のあとでまだ左の眉頭のあたりが痛かったけれど、帰りの近鉄電車のなかで読み切りました。大阪も神戸も電車の中までスースーしていたのに、いつもの近鉄特急は暖かくて、すっぽり座席にはまりこんで読むのはいい気持ちでした。それから電車に乗る前に近鉄上本町のファミマで、セルフ式コーヒーを買うという冒険(我々夫婦には初めての経験)をしたのですが、その熱々コーヒーを夫から一口もらったら、それが思いがけずおいしくて、ほっとしました。わたしが外に出たときによく買うトロピカーナのマルチビタミンもおいしく飲んで、ひとごこちつきました。(薬くさいのは苦手なのに、これはなぜか好んで飲むの)

  通路を挟んでお隣の座席には、制服を着た高校生の男の子とお母さん。きっと大学入試の帰りです。二人ともよくしゃべります。きっと緊張のあとの解放感があったのですね。わかるわかる。

  本の話を書こうと思ったら帰りの電車の話になってしまいました。すごく寒い冬の日、暖かい電車の中はほっとするという話になりましたね。

  高校生のとき、わたしが通学に利用していたのは大船渡線という一関と盛を結ぶ鉄道です。電車ではなくてディーゼルがひっぱるものでした。通称「山汽車」。そんな呼ばれ方で馬鹿にされようが、この電車が好きだった。特に古い車両で、緑の別珍の布張りの木製の座席、内装も木製、真鍮に太い網がかかった荷物の棚、黄色い白熱灯の灯りのその車両が好きでした。冬は足もとのヒーターがすごく温かくて、どんなに外が吹雪いても、そこにいれば大丈夫という安心感がありました。乗り降りするドアと車内に入るドアがあって(特急みたいに)外気が入り込まないのもよかった。
  45分近くの乗車時間は、英語の宿題をするのにちょうどいい時間。居眠りするときもあったり、それから友達としゃべりっぱなしのときもありました。今でも電車の中が一番集中して本を読むことができるのは、大船渡線で通学していたせいなのかもしれません。あんな車両、今は残ってないだろうな。

こんな感じ 画像お借りしました


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