Pixysのポジティブライフ

困難に立ち向かうアラフィフの日常
働いて働いて働いて働いて、たまに旅に出る

いじめ

2006-11-09 00:01:53 | おもしろくない話
今、いじめが大きな社会問題となっているが、実はうちの子もいじめのような仕打ちにあっている。まだ小3なので「いじめ」とまでは言わないかもしれない。
毎日数回殴られているが、今日は右頬をピンタされたそうでかなり痛むようだ。殴る子は同じクラスの他の子にも危害を加えている。その中でもうちの子が特に一番ひどい。校長先生と担任の先生、いじめている子の親とも話をしたようだが、全く変わらず、さらに悪くなっていると子供は言う。うちの子はと言えば、以前から担任の先生には相談しているようだが、その子は先生相手に「死んじまえ!くそばばあ!」と悪態をつき殴る、蹴る、学校を脱走するを繰り返す。先生は殴られているうちの子供に「いつもごめんね。がまんしてくれてありがとね。」と言うだけだという。先生もお手上げ状態という感じだ。実情はそんなもんである。

この子は病んでいるという事実には間違いないが、いじめられるうちの子にもきっと原因がある。それは「問題」ではなく「原因」とあえて言っておくが、うちの子はもっと小さな頃から毎年違う子にいじめられてきた過去がある。つまりいじめられやすい体質だということだ。明るく元気で成績も悪くないし、背が小さく素直で笑顔があどけなくかわいい。先生の手伝いや係りを良くし、特に大人に気に入られるタイプである。言い換えるなら「いい子ちゃんタイプ」なのである。殴られても殴り返す事ができない。朝から「死ね!」と言われても「おはよう。」と言ってしまうのだ。そのため教室に飾ってあった賞をとった絵を破かれたり、毎日殴られる羽目になる・・・。私としてみれば「ばかか・・・こいつ。」と思うのだが、彼の性格ではやはりできないのだ。
どんなに辛くてもうちの子は自殺することはないように育てている。それは子供を守る親の役目として当たり前の事だと言われそうだが、実は私自身が自殺しようとした過去がありその時がどんな状況であるのかを知っているからだ。死のうと思った時、生きている事の辛さよりも、自分自身に対する価値を失っていた。生きていたって仕方ない=自分はいらないであった。
今耐えているこの子を守るためにできる事は何かと考えた時に「自分は必要だ」と思わせる事だと思っている。

いじめている側の子やその親はかわいそうだと思う。これからどんな大人になっていくのか想像もしたくないし、親はそんなつもりもなくいじめる子を作る。実に哀れだ。まだまだ低学年の子の、爆発する、イライラする、殴る等の原因はどこかにあるはずなのに、それを探ろうともしないでその子の性格だという。親は「殴っちゃダメでしょ!」ときつくしかるだけになる。正しい事を教えている気になっているから、なぜこんな事をするのだろうとやがて苦しむ事になる。

そんな親御さんたちに言いたい。子供は自分の分身でもなければ所有物でもない。自分と同じようには考えない。意見も違う。好みも違う。いい事、悪いことの判断も違う。それで当たり前。一人の人間として対していかなければ、子供の気持ちには近づけないと思う。だって子供は大人に比べたらバカだから、経験だってないんだから、こっちが同じ高さまで下がってやらなきゃ話が通じないだろう。
これがいい事、悪いことと教える前に、子供より上にたって物を言う命令口調を改めるべき。それをしているようではいつまでたっても子供に尊敬してもらえる親にはなれない。
子供は黙っていたってちゃんと見ている。親の偉いところ、すごいところ。好きなところ。子供にとって魅力的な大人でいてほしいと思う。

死と向き合うということ

2006-09-11 22:23:20 | おもしろくない話
先週、母(子供から見るとおばあちゃん)が急性骨髄性白血病との診断を受けた。子供も一緒に医師の説明を聞く。なぜだか子供はその病気について大体の事を把握している。抗がん剤治療で吐き気があったり、毛が抜けてしまうこと、細胞の突然変異により癌細胞が生まれ増殖していくこと。最近はマンガやテレビで白血病の話が結構頻繁に登場する。けれどそのどれも助かったためしがない。その先にあるのは「死」のみなのだ。だから子供もそんな風に考えていると思っていた。
「これも運命だから仕方がない・・・。」弱気になったおばあちゃんを見て子供が口を開いた。「おかあさん、人間はみんないつか死ぬんだよね、ぼくもおかあさんもいつか必ず死ぬんだ。だからもしおばあちゃんが先にいったら待っててくれればいい。でも皆いつか死んじゃうから楽しく生きようとするんじゃないかなぁー、ずっと不死身だったら僕、別に生きたくないもん。誰もいなくなっちゃうし、おもしろくないもん。」そのとおりだとお母さんは思いました。

どこも痛くないのに、体中ちょっとした事でアザだらけになり、死と向き合いながら毎日を過ごす、それはおそらく想像以上の恐怖感であろうと思うが、おばあちゃんの弱音はそれきりで、ご飯をもりもり食べ、大きな声で笑ういつもの元気な姿に戻った。

子供の大きく強い生命力が、おばあちゃんにストーンと移っていった気がした。