Pixysのポジティブライフ

困難に立ち向かうアラフィフの日常
働いて働いて働いて働いて、たまに旅に出る

戦争の記憶

2010-08-15 22:37:17 | 難しい話
今日は終戦記念日ですね。
だからってわけじゃないんだけど、実は2週間ほど前から百田尚樹の「永遠の0」という本を読んでいた。内容が難しい、というより複雑なので毎日寝る前に30分ほどの読書にしている。それで蒸し暑い夜でも良く眠れるかなって思って買った一冊だったんだけど・・・。
ゼロ戦に乗っていた今はなき祖父について孫が祖父の戦友達に当時の話を聞いていくストーリーとなっている。難しいっていうのは、フィリピンやサイパン、満州、ガダルカナルなど前もって何の知識もなかったので、島の名前や位置、どの対戦がこの戦いなのか・・・とかあまりに戦地が多く出てきて、頭が混乱した。学校で習っただけの知識ではついていけない。
戦争は悲惨だとか思いながら、この歳になるまで何にも知ろうとしてなかった。

まあ、そのせいか、その本を読み始めてから夢の殆どは戦争の夢で、しかも戦闘機に乗って旋回していたり、陸軍としてジャングルに身を隠していたりと私自身が夢の中で戦っている。なんで?女なのに戦うのかい?と思う。ちょっと笑えるでしょ。
特にゼロ戦にのって操縦機を前にまるでひるんでいない自分。正面から敵機が飛んでくる。目の前で旋回とかして後方にまわり撃墜する。水面ギリギリも飛んだ。夢の中では名パイロットなのである。旅客機にも乗りたくない私が戦闘機なんて、「おいおい。」と自分にツッコミを入れたくなるが。そんな夢を見続けている今日この頃なのです。
さかのぼって、馬に乗って戦に出ているときもあったな。過去に戻りすぎ・・・(笑)

よく考えると私の父方の祖父は兵士だった。祖母は10年位前に101歳でこの世を去ったが、単純計算すると戦争当時30代半ばだったはずだ。祖父の遺影は軍服姿。子供の頃、家に遊びに行くとまずその写真に目を奪われた。ちょっと怖かった。見たくないんだけど見てしまう。やはり30代半ばで祖父は戦死している。
そんなに若くして夫は戦争に取られ、残された6人の父の兄弟達を育ててきたんだな。祖母には全く頭の下がる思いである。生きていた頃の祖母は何もいわずにいつもニコニコ笑っているやさしい祖母だった。
先の戦争で310万人という犠牲があったという。想像もつかない数字だけど実際はもっと多いに違いない。そう考えると、東京空襲の中、生きながらえてその後も子供の命を守った祖母に感謝しなければいけない。もし子供達の命が尽きていたなら、今の私もうちの子供もこの世には存在していない事になるわけで・・・・・。
はあーーーーーーーーーーーーーーー。と大きなため息が出た。今まで戦争は自分には関係のないものだと思っていた。知らない時代に起きたおとぎばなしのような。でもまだ65年、本当は大きく関係していた事に今年初めて気づいた。仕事で拘わっているお年寄り達は間違いなくそんな時代に苦難を乗り越え生きていた。
だから私や子供が生きている限りまだまだ戦争の記憶はずっと繋がっていくのだと思う。
私にも戦争の記憶があるといえるのかも・・・。

写真のちょっと怖かった祖父の面影を重ねて、この本、まだあと200ページ位読みます。