ロワール川の河畔に立つアンボワーズ城 Chateau d’Amboise sur la Loire
フランス中部: 1)サントル地方(La Region de Centre)
c. ロワール城巡り(2) Circuit des chateaux de la Loire (2)
2007年7月初旬にトゥールに滞在した時に、3件のお城巡りツアーに参加しました:
ツアー1 (ロワール・エ・シェル県 Dep. de Loire-et-Cher)
シャンボール城(Chateau de Chambord)及びシュベルニー城(Chateau de Cheverny)
ツアー2 (アンドル・エ・ロワール県 Dep. d’Indre-et-Loire)
アゼー・ル・リドー城(Chateau de Azay-le-Rideau) 及びヴィランドリー城(Chateau de Villandry)
ツアー3 (アンドル・エ・ロワール県 Dep. d’Indre-et-Loire)
シュノンソー城(Chateau de Chenonceau)、アンボアーズ城(Chateau d’Amboise) 及びクロ・リュセ城(Château du Clos Lucé)
お城の所在地については、次の地図をご参照ください。
前回の記事では、ツアー1(ブロワ近郊)で訪れたシャンボール城及びシュベルニー城についてレポートしました。今回は、ツアー2(トゥール近郊)とツアー3(アンボアーズ近郊)で訪れたお城についてレポートします。
ツアー2
1.アゼー・ル・リドー城
アゼー・ル・リドー城は、水辺に浮かぶ優美な姿に至玉の美しさを感じるお城です。文豪バルザックは、「アンドルにきらめくダイヤモンド」(Un diamant taillé à facettes, serti par l'Indre)と讃えています。
アゼー・ル・リドー城
このお城はトゥールの南西約27キロ、ロワール河の支流アンドル川の中州に建っており、建造時期は16世紀初め頃です。初期フランスルネサンス様式の傑作と言われており、ロアール渓谷流域の古城の一つとして、世界遺産に登録されています。
2.ヴィランドリー城
ヴィランドリー城は、幾何学模様にデザインされた広大で美しい庭園が最大の特徴です。
ヴィランドリー城
庭園はいくつかの区画に分かれていますが、装飾庭園と呼ばれる区画には、『優しい愛』(l’amour tender)、『熱烈な愛』(l’amour folie)、『移り気な愛』(l’amour volage)、『悲劇的な愛』(l’amour ragiwue)などの愛がイメージされているそうです。
ツアー客は、庭園に咲くバラの花とか美しく剪定されたツゲの木を見ながら、この庭園内をゆっくりと散策して、庭園に溢れる心地よい息吹きを味わうことができます。
ツアー3
1.シュノンソー城
川の上に建てられた白亜の優美な城館です。
その川は、ロワール川の支流のシェール川で呼ばれる川ですが、5連のアーチから成る橋の上のお城と川が調和して生み出す景観は見事です。建設されたのは16世紀で、後期ゴシック様式と初期ルネサンス様式が混在した建築様式となっています。
川の上を跨いで立つシュノンソー城
ところで、この城は別名として「貴婦人たちの城」(chateau des dames)と呼ばれています。建設されて以来19世紀まで、代々、女性が城主であったことに由来します。
お城の入り口から見て左手にはカトリーヌ・ド・メディシス庭園(jardin de Catherine de' Medici)、反対側にはディアーヌ・ド・ポワティエ庭園(jardon de Diane de Poitiers)があります。この城をフランソワ1世から継承したフランス王のアンリ2世にとって、カトリーヌ・ド・メディシスは正妻、ディアーヌ・ド・ポワティエは愛妾でした。そのような経緯を考えると、奇妙な気がします。
カトリーヌ・ド・メディシス庭園から見たお城
この城は、フランスの歴史的建造物に指定されており、来訪者が多い観光スポットとなっています。
見学終了後、バスに戻るまでに少々時間のゆとりがあったので、入り口近くにあるカーヴCAVE(ワイン貯蔵所兼カフェ)に立ち寄り、試飲(degustation)をして気に入った1本のボトルを購入しました。
シュノンソー城のカーヴ
2.アンボアーズ城
アンボアーズ城に到着した時、これまでとは違って、堅固な要塞を思わせる構造が印象的でした。
アンボワーズ城の城門付近
この城は、中世期にロワール川沿いの小高い丘の上に築かれており、周囲は高い城壁に囲まれていますので、敵の攻撃を難しくする城塞となっています。その後15~16世紀には、シャルル8世、フランソワ1世らにより美しい城に改装された様です。現在、この城はユネスコ世界遺産に登録されています。
観光客にとっては、ロワール川を見下ろす美しい景色を展望できるのが嬉しいです(記事冒頭の写真参照)。
1516年にはフランソワ1世が、レオナルド・ダ・ヴィンチを城に呼び寄せましたが、この地で亡くなったダ・ヴィンチの墓は、城の礼拝堂に置かれています。
ダヴィンチの墓標
ガイドによる城内の案内が終わった後、しばらくの間自由時間がありました。城門のすぐそばにワイン・バーがあったので、ワイン好きの私は店内に入り、ロワール・ワインを試飲しました。
ワイン・バー
3.クロ・リュセ城
この城は、レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年の3年間を過ごしたところです。位置的には、アンボアーズ城から歩いて行けるほどのすぐ近くにあります。
ところで、イタリアのルネサンス期を代表する芸術家のダ・ヴィンチが、なぜフランスにやって来たのでしょうか? それは、1515年にフランス王フランソワ1世がミラノ公国を占領した折、ダ・ヴィンチとの出会いがあり、その縁で彼は1516年にフランソワ1世に招かれ、ロ・リュセ城を邸宅として与えられたと言うエピソードがあるのでした。
クロ・リュセ城の正面
お城の内部に入ると、ダ・ヴィンチが寝起きした部屋(Chambre restaurée de Léonard de Vinci)や執務室、アトリアなどがあり、彼が発明した作品が飾られていました。又、屋外の庭園には広い庭や池があり、ダ・ヴィンチが発明した実物大の動力船とか跳ね橋などが展示されていました。
ダ・ヴィンチの寝室 ダ・ヴィンチが発明した動力船
ロワールの古城については、筆者の旅行記のサイト、“魅力一杯の海外旅行”(http://www.geocities.jp/yoshida_international/travel_index.htm)に詳細の記事を掲載しておりますので、よろしければご参照ください。
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