9月21日(木)トン・コープマン 指揮 NHK交響楽団
《2023年9月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1.モーツァルト/交響曲第29番イ長調 K,201
2.モーツァルト/フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314
【アンコール】
♪ モーツァルト/歌劇「魔笛」よりパパゲーノのアリア「恋人か女房がいれば」
Fl:神田寛明
3.モーツァルト/交響曲 第39番変ホ長調 K.543
コンマス席には長原さんが。N響に来るの?
長旅から帰国した翌日のN響定期は、コープマンが登場するモーツァルトプロ。寝るわけにはいかない、と気合いを入れて臨み、寝落ちすることなく楽しむことができた。
最初は29番。柔らかくデリケートな出だし。メロディーを奏でるファーストヴァイオリンに、セカンドとヴィオラが優しく表情豊かにまとわりつき、香り高く優美なアンサンブルを織り成していった。コープマンには元気溌剌ではち切れるような演奏を想像していたが、ふんわりとした軽やかな演奏はちょっと意外だった。N響の艶やかで瑞々しい極上のサウンドによる優美な演奏にホレボレと聴き入った。
オケが対向配置でないのも意外だったし、そもそもピリオドっぽく聴こえない。コープマンは年齢を重ねるうちにこうしたモーツァルトに行き着いたのだろうか。終楽章は更に落ち着いたテンポで、これはもう少し溌剌とした演奏で聴きたかった。
続いて、神田さんをソリストに迎えてのフルート協奏曲。神田さんのフルートは軽やかで柔らかく、澄んだ音色が美しい。リラックスした自然な息遣いで流麗な調べを聴かせてくれた。癖や汚れのない伸び伸びとしたフルートの音色が真っ直ぐに届いてくるのが心地よい。N響の仲間達との心通わせる和やかな演奏が清々しさを残した。アンコールからも神田さんの優しさと誠実さが伝わってきた。
後半は39番。序奏は春の小川がサラサラと流れるように始まり、快活な本編へと進んで行く。豊かな表情を湛えた調和と安定の演奏で、サプライズ的要素はない。ピリオド奏法をどの程度取り入れているのだろうと、弦楽器奏者の左手に注目したら、普通にヴィブラートをかけていた。N響がピリオド奏法を取り入れた39番と云えば、ノリントンとのお祭り騒ぎのようなイケイケの演奏が強烈な印象が記憶に刻まれていて、コープマンにもそんな演奏を期待していたが、それとは随分異なる優しく軽やかなモーツァルトだった。これはこれで、N響の名サウンドと共に自然体で魅力的なモーツァルト像を作り上げていた。
N響公演の感想タイトルリスト(2017~)
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最初は29番。柔らかくデリケートな出だし。メロディーを奏でるファーストヴァイオリンに、セカンドとヴィオラが優しく表情豊かにまとわりつき、香り高く優美なアンサンブルを織り成していった。コープマンには元気溌剌ではち切れるような演奏を想像していたが、ふんわりとした軽やかな演奏はちょっと意外だった。N響の艶やかで瑞々しい極上のサウンドによる優美な演奏にホレボレと聴き入った。
オケが対向配置でないのも意外だったし、そもそもピリオドっぽく聴こえない。コープマンは年齢を重ねるうちにこうしたモーツァルトに行き着いたのだろうか。終楽章は更に落ち着いたテンポで、これはもう少し溌剌とした演奏で聴きたかった。
続いて、神田さんをソリストに迎えてのフルート協奏曲。神田さんのフルートは軽やかで柔らかく、澄んだ音色が美しい。リラックスした自然な息遣いで流麗な調べを聴かせてくれた。癖や汚れのない伸び伸びとしたフルートの音色が真っ直ぐに届いてくるのが心地よい。N響の仲間達との心通わせる和やかな演奏が清々しさを残した。アンコールからも神田さんの優しさと誠実さが伝わってきた。
後半は39番。序奏は春の小川がサラサラと流れるように始まり、快活な本編へと進んで行く。豊かな表情を湛えた調和と安定の演奏で、サプライズ的要素はない。ピリオド奏法をどの程度取り入れているのだろうと、弦楽器奏者の左手に注目したら、普通にヴィブラートをかけていた。N響がピリオド奏法を取り入れた39番と云えば、ノリントンとのお祭り騒ぎのようなイケイケの演奏が強烈な印象が記憶に刻まれていて、コープマンにもそんな演奏を期待していたが、それとは随分異なる優しく軽やかなモーツァルトだった。これはこれで、N響の名サウンドと共に自然体で魅力的なモーツァルト像を作り上げていた。
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ノリントン指揮 NHK交響楽団 2006.11.1 サントリーホール
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39番は思っていたよりもテンポが速いと感じました。
神田さんのアンコールは2日とも魔笛だったようですね。こうしたソロ、また聴きたいと思いました。
コープマンの39番のテンポは、僕が予想していたよりゆっくり目に感じました。ピリオド系の演奏も昔より落ち着いてきているように思います。