3月19日(火)Vn:ダニエル・ゼペック/Vla:タベア・ツィンマーマン/Vc:ジャン=ギアン・ケラス
王子ホール
【曲目】
1.ベートーヴェン/弦楽三重奏曲第3番ニ長調 Op.9-2![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
2.ヴェレシュ/弦楽三重奏曲![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
3.モーツァルト/ディヴェルティメント変ホ長調 K563![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_heart.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
【アンコール】
♪ ヒンデミット/弦楽三重奏曲第1番Op.34~第3楽章スケルツォ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
世界的な名手3人による弦楽三重奏の演奏会を聴ける貴重な機会。一番のお目当てはモーツァルトだったが、どの曲も今ここで、生きた音楽が溢れ出ていることが実感できる稀有の音楽体験となった。
まずはベートーヴェンの初期の作品。空気を優しく包み込むような導入から生き生きと躍動する主要部へ。野外で意気揚々と歩を進めるような解放感が拡がり、屈託のない対話が飛び交った。移り行く風景に心踊らせながら気のおけない仲間同士の会話が弾んでいるよう。ディヴェルティメント的な軽快で陽気な演奏に心が弾んだ。
続いて演奏されたヴェレシュのトリオは、バルトーク風の濃厚でエモーショナルな民族色が感じられる音楽。精巧な不協和音が織り成す第1楽章では、3人の音色が高い純度で響き合い、静謐で研ぎ澄まされた空気が醸し出された。第2楽章はピチカートや楽器を叩くなど、リズムを前面に押し出したエキサイティングな音楽。3人はそれぞれの我をさらけ出し、赤裸々にアグレッシブに演奏を進めて行く。攻撃的で挑戦的な意気込みを全身で表現し、火花を散らし合う。そこからはご機嫌なノリが感じられ、演奏を楽しんでいる余裕も窺えた。それぞれが個性豊かなパフォーマンスを発揮しながら、3人が一丸となって突き進んで行く様子は圧巻で、大喝采とブラボーを浴びる熱演となった。
後半はお待ちかねのモーツァルト。語りと歌に溢れ、全てのフレーズに魂がこもり、自発的に沸き上がる素晴らしい演奏となった。ちょっとした間やタメ、抑揚などが音楽に命を与え、3人がそれぞれこの音楽に寄せる思いを最高のパフォーマンスで花開かせた。ゼベックのヴァイオリンは艶やかで伸びやかに歌い、ツィンマーマンのヴィオラは分散和音や刻みの一つ一つが音楽を生かし、味のある歌い回しでもアンサンブルの要としての存在感を示した。ケラスのチェロはムードメーカー的役割。音楽って予測通りに行くものではなく常にサプライズに満ちた生き物であることを伝えてくれた。
そんな3人は、楽しくて仕方ないといった歌い回しや畳み掛けでそれぞれが思い思いの音楽を奏でつつ、3人による丁々発止のアンサンブルからは新鮮なインスピレーションが沸き上がり、得も云われぬ幸せ物質が惜しげもなく分泌され、聴き手をワクワクドキドキの幸せ気分に導いてくれ、更に深淵な世界まで眺めさせてくれた。
超名曲でありながら演奏機会の極めて少ないこの作品を、この曲にとって考えられる最高のパフォーマンスで体験することが出来たことは大収穫。疾風が駆け抜けるようなアンコールでもこのアンサンブルの非凡さを見せつけた。
ファウスト&ケラス&メルニコフ 2017.2.23 東京文化会館
ジャン=ギアン・ケラス 無伴奏チェロリサイタル 2016.11.22 杉並公会堂
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世界的な名手3人による弦楽三重奏の演奏会を聴ける貴重な機会。一番のお目当てはモーツァルトだったが、どの曲も今ここで、生きた音楽が溢れ出ていることが実感できる稀有の音楽体験となった。
まずはベートーヴェンの初期の作品。空気を優しく包み込むような導入から生き生きと躍動する主要部へ。野外で意気揚々と歩を進めるような解放感が拡がり、屈託のない対話が飛び交った。移り行く風景に心踊らせながら気のおけない仲間同士の会話が弾んでいるよう。ディヴェルティメント的な軽快で陽気な演奏に心が弾んだ。
続いて演奏されたヴェレシュのトリオは、バルトーク風の濃厚でエモーショナルな民族色が感じられる音楽。精巧な不協和音が織り成す第1楽章では、3人の音色が高い純度で響き合い、静謐で研ぎ澄まされた空気が醸し出された。第2楽章はピチカートや楽器を叩くなど、リズムを前面に押し出したエキサイティングな音楽。3人はそれぞれの我をさらけ出し、赤裸々にアグレッシブに演奏を進めて行く。攻撃的で挑戦的な意気込みを全身で表現し、火花を散らし合う。そこからはご機嫌なノリが感じられ、演奏を楽しんでいる余裕も窺えた。それぞれが個性豊かなパフォーマンスを発揮しながら、3人が一丸となって突き進んで行く様子は圧巻で、大喝采とブラボーを浴びる熱演となった。
後半はお待ちかねのモーツァルト。語りと歌に溢れ、全てのフレーズに魂がこもり、自発的に沸き上がる素晴らしい演奏となった。ちょっとした間やタメ、抑揚などが音楽に命を与え、3人がそれぞれこの音楽に寄せる思いを最高のパフォーマンスで花開かせた。ゼベックのヴァイオリンは艶やかで伸びやかに歌い、ツィンマーマンのヴィオラは分散和音や刻みの一つ一つが音楽を生かし、味のある歌い回しでもアンサンブルの要としての存在感を示した。ケラスのチェロはムードメーカー的役割。音楽って予測通りに行くものではなく常にサプライズに満ちた生き物であることを伝えてくれた。
そんな3人は、楽しくて仕方ないといった歌い回しや畳み掛けでそれぞれが思い思いの音楽を奏でつつ、3人による丁々発止のアンサンブルからは新鮮なインスピレーションが沸き上がり、得も云われぬ幸せ物質が惜しげもなく分泌され、聴き手をワクワクドキドキの幸せ気分に導いてくれ、更に深淵な世界まで眺めさせてくれた。
超名曲でありながら演奏機会の極めて少ないこの作品を、この曲にとって考えられる最高のパフォーマンスで体験することが出来たことは大収穫。疾風が駆け抜けるようなアンコールでもこのアンサンブルの非凡さを見せつけた。
ファウスト&ケラス&メルニコフ 2017.2.23 東京文化会館
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