結婚30周年を記念して2019年9月に出かけたドイツとイタリア旅行は、訪れたそれぞれの地でたくさんの発見と出会いと再会があり、思い出深い旅となりました。 一方で、個人旅行ならではのハプニングにも事欠きませんでした。それは不可抗力のせいだったり、自分たちの(だいたいボクの・・)不注意や勘違いが原因だったりいろいろですが、それぞれがドラマや謎を孕んでいます。ここではそんなハプニングを紹介していきます。 |
ドイツ&イタリア旅行2019 ハプニングシリーズ4
「どうなってんの?DB ~その3~」
「DB」という2文字を見て、「データベース」ではなく「ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)」を思い浮かべたら、あなたはかなりのドイツ通。以前は正確さやスピードが売りだったDBだが、近年は決して評判は良くない…というか、DBのことをクソミソに云うドイツ人も少なくない。「サービスは悪いし遅れは日常茶飯事、対応は最低!」など。鉄道好きの僕は外国で電車に乗るのは好きだし、ドイツの高速鉄道ICEに乗れるときはワクワクする。切符をDBのサイトから事前予約購入すれば、窓口で買う半額以下で買えてしまう便利さとお得感も嬉しい。だけど今回の旅行ではDBに随分と振り回され、困らされた。そんな体験をいくつかご紹介しよう。
~9月15日(日)~
DB(ドイツ鉄道)に振り回され、困らされたお話しの3つ目。DB編はこれが最後ですが、遅れやトラブルはこの他にも複数あったことだけ付記しておきましょう。
ケルンでマリーナさんらにトラムの停留所まで見送ってもらって向かったのは、ライン河畔の小都市ヴェッセリング。ここには古くからの友人ベルンハルトさんがいる。彼との出会いはもう30年以上前。まだインターネットがなかった時代、職場のIBM大型計算機のBitnetというネットワーク回線を通じて知り合った。夜間にコンピュータの処理待ち中に回線を拝借して、ネットワークでつながっているドイツの知らない相手にチャットで「日本からこんにちは!」とメッセージを送ったのがきっかけだった。それ以来メール交換をするようになり、何度も会い、結婚式にも招待され、お互い子供ができ、家族ぐるみで親交を深めて行った。
トラムの停留所まで出迎えてくれたベルンハルトさん夫婦と5年ぶりの再会。ハグ!お宅の庭でしばしくつろいだあと、マリーナさんがご馳走してくれたピザでまだお腹いっぱいだったので夕食までに少しお腹を空かせておこうと、2人でライン河畔まで散歩に出かけた。ヴェッセリングは何度も来ているが、お宅から離れて散歩するのは初めて。ステキな街、そして観光船が行き交うライン川を見ながらの散歩は気持ちよかった。
お腹もほどよく空いていよいよ夕食タイム。ベルンハルトさんが庭でBQ。ポークにプーテン(七面鳥)、ソーセージ… 香ばしい香りが漂う
ご馳走が食卓に並び、すっかり好青年になった息子くんも一緒に食事タイム。ビールはもちろんケルンの地ビール「ケルシュ」だよ。美味しい食事とウマいビールで話が弾んだ。結婚30周年のお祝いまでもらってしまった
~9月16日(月)~
翌日、夫婦にトラムの駅まで見送ってもらい再びケルンへ。ケルンからはDBでデュッセルドルフ空港へ行き、イタリアへ飛ぶ。
ケルン中央駅前には世界遺産の巨大な大聖堂がそびえている。空港行きの電車の発車までまだ10分ほどあったので、ちょっとだけ駅構内から外へ出て「DOM(ドーム)」と呼ばれる大聖堂を眺めた。駅前は広いテラスになっていてドームの絶好のビューポイントだ。これを見ると「またケルンに来たな」と実感する。
デュッセルドルフ空港へ行くDBは珍しく定刻通りにやって来た。2階建てだったので眺めが良い2階に席を取り、ライン川を渡る橋から見えるドームに別れを告げた。
この電車、順調に行けば空港駅には飛行機の離陸2時間半前に着くゆとりの行程だが、またもや「事件」が起きた。途中の駅で停車したっきり動かなくなってしまったのだ。
10分以上経過。「またまたどうしちゃったの?」今日は飛行機だ。絶対に遅れることはできない。車内アナウンスが入った。「この電車はセキュリティー上の問題があり、この駅で運転を取りやめます。全員下車してください。この先へ行かれる方は後から来る電車をご利用下さい。」乗客は一斉に降り始めた。次の電車は橋を渡った隣のホームからの発車、みんなでぞろぞろと大移動。近くにいた人に「セキュリティーの問題ってなんでしょうね…?」と訊ねてみたが、肩をすくめて「全くワカリマセン…」。ホームには警官が何人かいた。テロの危険でもあったんだろうか。
更に20分待ってようやく到着した次の電車は、運行が取りやめになった電車のお客が一斉に乗り込んだので大混雑。
やっと空港駅に着くも、出発ターミナルは更にモノレールに乗り継がなければならない。モノレールの乗車ホームも乗り継いできたお客で溢れかえった。モノレールは何度にも分けてお客を運び、僕らもようやくターミナル駅に到着。飛行機の離陸まで1時間半を切っていた。
チェックインを済ませたので少し安心した。お昼にしよう!と和食からしばらく遠ざかっていたので空港内の「きかく」という寿司屋に行った。一番安いSapporoという握りセットにしたが、それでも1人前23ユーロ(2700円)。この内容でこの値段は高いなぁ… けど久しぶりの和食はうまかった。
「お茶を二つお願いしま~す」日本人の店員さんに告げて淹れてもらったお茶は、いろんなネタの漢字が書かれた大きな湯飲みで出してくれて、味の方はイマイチだったが日本の寿司屋にいる気分。ところがこのお茶、会計時にしっかり一人2ユーロ(230円)取られた!「お茶、有料だったんですね…」と云うと、「こちらでは飲み物はみんな有料なんですよー」。いやぁ、それはそうかも知れないけど、日本人が経営するお店だし、寿司屋だし、つい「あがり」感覚で頼んでしまった。有料だって教えてくれてもいいのでは? 2人で6000円近くのお昼、高くついた。
そろそろ搭乗ゲートへ向かわねば。ところが手荷物検査場の前はかなりの行列。おまけにセキュリティーチェックが厳しくてなかなか進まない。時間がだんだんやばくなってきた。あと1人というところで、前の人の手荷物に問題があるらしく、荷物の中身を見ながらスタッフとずっとしゃべっている。
そのうち僕らが乗る飛行機の最終搭乗案内のアナウンスが入った。かなりやばい。待ち切れず、前の人をやり過ごして手荷物をベルトコンベヤーに乗せようとしたら、スタッフに「待て、順番だ」と制止された。「アナウンスで呼び出された」と告げたが「もっと早く来なきゃね」と諭された。2時間半も前に空港に着くはずの電車に乗ったんですけど… 寿司も食べたけれど、そもそもDBのせいなんですけど(ブツブツ)。
やっとのこと順番が来て荷物を台に乗せ、ボディーチェックを通過して荷物を待っていると、「あのリュックはあなたのか?」と訊かれた。何かひっかかったようだ。いよいよ時間がない。手荷物チェックを終えた奥さんに、待っててもらえるよう先に走ってもらった。問題のリュック、しばらく放置された後に職員がモニターを見ただけで「行っていいですよ」。何だったんだ~!
もうゲートが閉まる時刻だ。搭乗ゲートB6へダッシュ!ところがB6の案内表示が途中で消えてしまった。行き過ぎたか!?急いで戻ると脇にそれた場所にB6があった。奥さんが必死で手招きしていた。奥さんが到着したとき、スタッフから「Tシマさん?」って訊かれたらしい。そこから更に飛行機へ接続するバスへ。バスは僕らが乗るとすぐに発車した。もちろんビリ。他の人達が厳しい顔をしているように感じたがオレたちはわるくないぞー!
ドイツ滞在の最後の最後までDBのトラブルにたたられることになった。ドイツは楽しかったけど… さあ、次はイターリアだ!飛行機はアルプスの向こうのミラノへ飛び立った。
ドイツ&イタリア旅行2019 ハプニングシリーズ 1「誤算続きの旅行初日」
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ベルリン町中探訪 2015
夏のヨーロッパ家族旅行2014
ヨーロッパ家族旅行2010
飛行機の時間を気にして大変でしたね。
あちらの日本食は高いですよね。
空港だからでしょうが、日本人が働いているだけマシですよ。
アジア人が働いているところ多いですから。
個人旅行派のマンマさまもやはり同じような体験をしてますね!
ドイツの始発駅で乗車した電車が全然発車せず、
結局「運転手が来ないのでこの電車は運行を取りやめます」ということもありました。
いつも感心するのは、こんなときドイツ人もイタリア人も慌てず騒がず、
何事もなかったかのように次の行動に移ること。
駅員さんと談笑しているのを見るのも今回に限りません。
日本は奉仕する側は恐縮し過ぎ、される側は威張り過ぎだと思います。