結婚30周年を記念して2019年9月に出かけたドイツとイタリア旅行は、訪れたそれぞれの地でたくさんの発見と出会いと再会があり、思い出深い旅となりました。 一方で、個人旅行ならではのハプニングにも事欠きませんでした。それは不可抗力のせいだったり、自分たちの(だいたいボクの・・)不注意や勘違いが原因だったりいろいろですが、それぞれがドラマや謎を孕んでいます。ここではそんなハプニングを紹介していきます。 |
ドイツ&イタリア旅行2019 ハプニングシリーズ2
「どうなってんの?DB ~その1~」
「DB」という2文字を見て、「データベース」ではなく「ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)」を思い浮かべたら、あなたはかなりのドイツ通。以前は正確さやスピードが売りだったDBだが、近年は決して評判は良くない…というか、DBのことをクソミソに云うドイツ人も少なくない。「サービスは悪いし遅れは日常茶飯事、対応は最低!」など。鉄道好きの僕は外国で電車に乗るのは好きだし、ドイツの高速鉄道ICEに乗れるときはワクワクする。切符をDBのサイトから事前予約購入すれば、窓口で買う半額以下で買えてしまう便利さとお得感も嬉しい。だけど今回の旅行ではDBに随分と振り回され、困らされた。そんな体験をいくつかご紹介しよう。
~9月11日(水)~
北ドイツにある世界遺産の美しい自治都市、リューベックからは海が近い。ドイツの海を見たことがなかった僕たちは、リューベックに滞在中に海辺のリゾート地トラヴェミュンデを訪れることにした。リューベック中央駅からトラヴェミュンデまでは鉄道でわずか20分ほど。リューベックに着いた翌日のお昼に、トラヴェミュンデへ行くためにリューベック中央駅へ行った。その途中には町のシンボル的建造物、世界遺産のホルステン門がある。写真は聖ペトリ教会の塔の上から。
切符を買って電車を調べたら、トラヴェミュンデ行きの電車は10分前に出たところだった。けれどホームに下りてみると電車が停まっていて、ホームの案内掲示に「トラヴェミュンデ行き、10分遅れ」と出ている。これはラッキー!電車のドアは客が乗る際にボタンを押して開けるシステム。急いで駆け寄ってボタンを押したが開かない。ボタンのランプが消えているとドアは開かないのだが、まだ停車中なんだから開けてくれてもいいじゃないか!車内のお客の「あーあ…」みたいな視線を感じつつボタンをバシバシと押し続けるもドアは開かず、電車は動き出してしまった。「ケチ!」
まあ仕方ない。元々乗れるはずではなかった電車だし、次の電車まであと40分。お昼だしパンを買ってホームのベンチで食べて待つことにした。しばらく待っているとアナウンスが入った。「5番線から発車予定だった14時20分発トラヴェミュンデ行きは、3番線に変更になります。」発車番線の変更はDBではよくあること。ドイツ語のアナウンスを聞き逃すと大変だ。すぐに3番線に移動。電車は発車予定時刻を10分過ぎてようやく入線した。
待っていた人達が一斉に乗り込む。2両しかないので席が少ない。僕たちも急いで乗り込んで席を取った。すると、座って1分も経たない頃に女性の駅員さんが乗り込んできて「全員すぐに降りてください!」と叫んでいる。訳もわからぬまま電車から降ろされてしまった。空になった電車はホームから去って行った。
何人かがその駅員さんを囲んで話を聞いている。こっちではこんなときものんびりしたもんだ。「どうなってるんだ!?」なんて血相変えて詰め寄る客はいない。みんな駅員さんと談笑している。その話を遠巻きに聞いて、降ろされた理由はわからなかったが、1時間後の電車まで待つか、バスに乗るしかないということは分かった。すでに1時間近く待っていたし、さらに1時間なんて待てない。バスも当てにはならない。「仕方ない、時間をお金で買おう…」。買った切符は払い戻してトラヴェミュンデまでタクシーで行くことにした。
普通電車でも20分で行けるならタクシー料金もそんなにはかからないだろう… と鷹を括っていたら、メーターの料金はどんどん上がって行く。20ユーロ、30ユーロ… 「いったいいくらかかるんだ?まさか50ユーロ超え?」「トラヴェミュンデ」の標識の矢印通りに走っていたので遠回りされたわけではないと思う。タクシーがトラヴェミュンデの町に入ったところで40ユーロを超えた。いくらなんでも50ユーロ以上は払えない。メーターが48ユーロになったところで「ここで降ります!」と降ろしてもらった。49ユーロになっちゃった。ドイツならこんなとき、50ユーロ札を出して「お釣りはどうぞ」とチップにするところかも知れないが、しっかり1ユーロ硬貨を受け取った。なんて出費だ…
しばらく歩くと街中へやって来た。リゾート地だけあって街並みもカフェテラスでくつろぐ人達もどことなくシャレている。リューベックの銘菓「ニーダーエッガ―」のショップもあり、リューベックの本店より空いていたので行ってみた。
初めて見たドイツの海はバルト海。白い砂浜がどこまでも続いていた。風が強くて砂が顔に当たって痛いが、ここの名物”Strandkorb”という風よけの籠型ベンチに座ると、風はぴたりと遮られて海の眺めをゆっくり楽しめる。これに座るのは有料みたいで、空いていると思うと鍵付きの柵がしてあるが、柵のない籠を見つけてちゃっかり座って屋台で買ったニシンのサンドを頬張り、しばしくつろいだ。
浜辺や街中を散歩したり、スナックやアイスを食べたり、買い物したり、ドイツの海辺のリゾート地で午後のひとときを過ごし、さて帰りは何がなんでも電車だ。駅の券売機で切符を買った。1人3ユーロ20セント。あらためて安さを実感!タクシーの49ユーロっていったい? これもみんなDBのせいだ。最初に乗り損なった、あの遅れて発車した電車に乗せてもらえていたらなぁ。。
帰りは乗れました・・・(リューベック中央駅で)
ドイツ&イタリア旅行2019 ハプニングシリーズ 1「誤算続きの旅行初日」
ドイツ&イタリア旅行2019 ハプニングシリーズ 3「どうなってんの?DB ~その2~」
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今となってはいい思い出ですね。違う列車に乗り換えたり、バスに乗り換えたり、ドイツはよくあります。
私もずいぶん前ですが、トラヴェミュンデ行ったことがあります。どこまでも続くバルト海は寂しそうに見えました。
コメントありがとうございます。
トラヴェミュンデへ行かれたなんて、イタリアだけでなくドイツ通なんですね!ドイツの海は初めてでしたが、写真で見ていた印象と重なり殺風景だなと感じました。だけどお洒落な街並みや行き交うカラフルな船が彩りを添えていて、全体的には好印象でした。ドイツのあとはイタリアのハプニング話も続くのでまた遊びにいらしてくださいね。