古今和歌集 1065
しらゆきの ともにわがみは ふりぬれど こころはきえぬ ものにぞありける白雪の ともにわが身は ふりぬれど 心は消えぬ ものにぞありける 大江千里 白雪が
古今和歌集 1062
よのなかは いかにくるしと おもふらむ ここらのひとに うらみらるれば世の中は いかに苦しと 思ふらむ ここらの人に 恨みらるれば...
古今和歌集 1042
おもひけむ ひとをぞともに おもはまし まさしやむくい なかりけりやは思ひけむ 人をぞともに 思はまし まさしやむくい なかりけりやは...
古今和歌集 1033
はるののの しげきくさばの つまこひに とびたつきじの ほろろとぞなく春の野の しげき草葉の 妻恋ひに 飛び立つ雉の ほろろとぞなく...
古今和歌集 1021
ふゆながら はるのとなりの ちかければ なかがきよりぞ はなはちりける冬ながら 春の隣の 近ければ 中垣よりぞ 花は散りける...
古今和歌集 1020
あきかぜに ほころびぬらし ふぢばかま つづりさせてふ きりぎりすなく秋風に ほころびぬらし 藤袴 つづりさせてふ きりぎりす鳴く...
古今和歌集 0998
あしたづの ひとりおくれて なくこゑは くものうへまで きこえつかなむ葦鶴の 一人おくれて 鳴く声は 雲の上まで 聞こえつかなむ...
古今和歌集 0993
なよたけの よながきうへに はつしもの おきゐてものを おもふころかななよたけの よ長きうへに 初霜の おきゐてものを 思ふころかな...
古今和歌集 0967
ひかりなき たににははるも よそなれば さきてとくちる ものおもひなし光なき 谷には春も よそなれば 咲きてとく散る もの思ひもなし...
古今和歌集 0965
ありはてぬ いのちまつまの ほどばかり うきことしげく おもはずもがなありはてぬ 命待つ間の ほどばかり うきことしげく 思はずもがな...
古今和歌集 0964
うきよには かどさせりとも みえなくに などかわがみの いでがてにするうき世には 門させりとも 見えなくに などかわが身の 出でがてにする...