漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0998

2022-07-24 06:26:22 | 古今和歌集

あしたづの ひとりおくれて なくこゑは くものうへまで きこえつかなむ

葦鶴の 一人おくれて 鳴く声は 雲の上まで 聞こえつかなむ

 

大江千里

 

 鶴が群れから離れて一人鳴く声は、雲の上まで届いてほしいものだ。

 詞書には「寛平御時、歌奉りけるついでに、奉りける」とあります。天皇の勅命によって歌を奉呈した際に、それと併せて詠んで奉ったということで、「群れから遅れている鶴の声が上まで届け」とは、官位の遅れを憂い嘆いている自分の声が上の人間に届くようにとの切実な願いの暗喩となっています。



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