漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1033

2022-08-28 05:54:47 | 古今和歌集

はるののの しげきくさばの つまこひに とびたつきじの ほろろとぞなく

春の野の しげき草葉の 妻恋ひに 飛び立つ雉の ほろろとぞなく

 

平貞文

 

 春の野の茂った草葉のように繁くつのる妻への思いで、飛び立つ雉がほろろと鳴くように私もほろほろと泣いている。 

 「ほろろ」は雉の鳴き声を表す擬音語で、「ほろほろ」と表現することもありますね。玉葉集には次のような歌が収録されています。

 

やまどりの ほろほろとなく こゑきけば ちちかとぞおもふ ははかとぞおもふ

山鳥の ほろほろと鳴く 声聞けば 父かとぞ思ふ 母かとぞ思ふ

 

行基

(玉葉和歌集 巻十九「釈教」 第2627番)



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