ありはてぬ いのちまつまの ほどばかり うきことしげく おもはずもがな
ありはてぬ 命待つ間の ほどばかり うきことしげく 思はずもがな
平貞文
いつまでも生きていることができず、命の終わるのを待つ間くらいは、あれこれといやなことを考えずにいたいものだ。
0964 に続いて、職を解任されたことに伴う歌のようです。なので「命待つ間」は、例えば病を得て具体的に余命いくばくもないということでは必ずしもなく、生は死にいたるまでのわずかなはかない時間との、当時の一般的な認識の表現と思われます。