#佐藤佐太郎 新着一覧
夜のふけの犬の歌:尾崎左永子の短歌
・夜のふけに犬は鎖音ひきて眠りのかたち選びゐるらし「夕霧峠」所収。 場所・地名・犬の種類は「捨象」されている。佐藤佐太郎が言う「表現の限定」だが、作者は「余剰の切り落とし」と呼ぶ。「感動...
愚母の歌:尾崎左永子の短歌
・愚母賢母まぎれもあらず愚母にして娘(こ)の決断におろおろとゐる 「夕霧峠」所収。 こ...
春の雪の歌:尾崎左永子の短歌
・足らざるを補ふごとく街の上夕べふたたび春の雪ふる 「春雪ふたたび」所収。一読してわか...
貧しく生きしものの皺の歌:尾崎左永子の短歌
・ブロッコリの青き球実(たまみ)を選びゐる老いし手貧しく生きしものの皺「彩紅帖」所収。...
巨大なる鉄杭を打ち込む歌:尾崎左永子の短歌
・破裂音に似て巨大なる鉄杭を打ち込むときに空気震(おのの)く「彩紅帖」所収。 都市詠で...
地下鉄の音の重積の歌:尾崎左永子の短歌
・暗黒を犇めき迫る地下鉄の音の重積に圧されつつ佇(ま)つ 「彩紅帖」所収。 都市詠であ...
帆走を終えた舟が帆を畳む歌:尾崎左永子の短歌
・帆走を終へたる舟が春光を畳むごとくに帆をおろしをり 「春雪ふたたび」所収。 場所を明...
別離の歌:尾崎左永子の短歌
・年を経て相逢ふことのもしあらば語る言葉も美しからん「さるびあ街」所収。 離婚した相手...
悲しみの余韻の歌:尾崎左永子の短歌
・悲しみの余韻のごとくつばひろき帽子が白く遠ざかりゆく 「春雪ふたたび」所収。 相手は...
干潟の日の歌:尾崎左永子の短歌
・死滅せし海苔のたぐひの漂はん干潟の沖は日をたたへゐる「彩紅帖」所収。「浦安周辺」と題...
厚き霧の歌:尾崎左永子の短歌
・厚き霧この窓外にきしみゐんあかつきがたに霧笛とどろく「彩紅帖」所収。神経が過敏になる...