岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

巨大なる鉄杭を打ち込む歌:尾崎左永子の短歌

2022年09月11日 23時57分10秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・破裂音に似て巨大なる鉄杭を打ち込むときに空気震(おのの)く

「彩紅帖」所収。

 都市詠である。地名と時間が捨象されている。佐藤佐太郎のいう「表現の限定」だ。

 としの恐怖感に似た心情が「破裂音」「巨大なる鉄杭」「打ち込む」「震く」と四連発で象徴されている。
  
 いずれも佐藤佐太郎の表現技法を引き継いでいるが、作風が佐太郎とはまるで異なる。尾崎左永子の独自性だ。

 歌論や表現技法を引き継いで、独自性を出す。考えさせられる作品だ。



 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地下鉄の音の重積の歌:尾崎... | トップ | かまくら歌会:2022年9月 »
最新の画像もっと見る

尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む」カテゴリの最新記事