岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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厚き霧の歌:尾崎左永子の短歌

2022年08月30日 18時29分02秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・厚き霧この窓外にきしみゐんあかつきがたに霧笛とどろく


「彩紅帖」所収。

神経が過敏になるような作品だ。道東の海であろうか。厚岸などは夏でも深い霧が顕つ。地名は捨象され,宿泊所の名前もない。「表現の限定」が効いているのだ。

 美しい情景が浮かぶ。「丁寧に詠まれた叙景歌は立派な抒情詩である」といったのはだれだったろう。

 美しい叙景歌であり、美しい抒情詩だ。




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