春の雪の歌:尾崎左永子の短歌 2022年09月15日 21時09分30秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む ・足らざるを補ふごとく街の上夕べふたたび春の雪ふる 「春雪ふたたび」所収。一読してわかる通り歌集のタイトルのネーミングを示す作品だ。 どこの街かは詠みこまれていない。「捨象」されているのだ。佐藤佐太郎の「表現の限定」である。 春の雪が「まだ降り足りないように」夕暮の街に降る。「足らざるを補ふごとく」という比喩によりそれを言い当てている。作者自身の独自の視点でもある。 「言われてみれば確かにそうだ」こういう発見が秀歌の条件のひとつだろう。 #ポエム #短歌 #星座の会 #星座α #尾崎左永子 #佐藤佐太郎 #アララギ系 « 貧しく生きしものの皺の歌:... | トップ | 愚母の歌:尾崎左永子の短歌 »