漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0971

2022-06-27 05:35:50 | 古今和歌集

としをへて すみこしさとを いでていなば いとどふかくさ のとやなりなむ

年を経て 住みこし里を 出でていなば いとど深草 野とやなりなむ

 

在原業平

 

 何年もの間ともに住んできたこの里を出て行ったならば、深草という名のとおり、いよいよ草深い野になってしまうだろうか。

 詞書には「深草の里に住みはべりて、京へまうで来とて、そこなりける人によみておくりける」とあります。「まうで来」は移り住む意。地名の「深草」を詠み込むとともに、「いとど」という副詞を付することで「草深い」意ももたせています。次の 0972 がこの歌への返しになっており、合わせて伊勢物語第123段に収録されています。

 



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