古今和歌集 0425
たもとより はなれてたまを つつまめや これなむそれと うつせみむかし袂より はなれて玉を つつまめや これなむそれと 移せ見むかし 壬生忠岑 袂以外のも
古今和歌集 0361
ちどりなく さほのかはぎり たちぬらし やまのこのはも いろまさりゆく千鳥鳴く 佐保の川霧 立ちぬらし 山の木の葉も 色まさりゆく...
古今和歌集 0328
しらゆきの ふりてつもれる やまざとは すむひとさへや おもひきゆらむ白雪の 降りて積もれる 山里は 住む人さへや 思ひ消ゆらむ...
古今和歌集 0327
みよしのの やまのしらゆき ふみわけて いりにしひとの おとづれもせぬみ吉野の 山の白雪 踏みわけて 入にし人の おとづれもせぬ...
古今和歌集 0306
やまだもる あきのかりいほに おくつゆは いなおほせどりの なみだなりけり山田もる 秋のかりいほに 置く露は いなおほせどりの 涙なりけり...
古今和歌集 0296
かむなびの みむろのやまを あきゆけば にしきたちきる ここちこそすれ神奈備の 三室の山を 秋行けば 錦たちきる 心地こそすれ...
古今和歌集 0263
あめふれば かさとりやまの もみぢばは ゆきかふひとの そでさへぞてる雨降れば かさとり山の もみぢ葉は ゆきかふ人の 袖さえぞ照る...
古今和歌集 0258
あきのよの つゆをばつゆと おきながら かりのなみだや のべをそむらむ秋の夜の 露をば露と おきながら 雁の涙や 野辺をそむらむ...
古今和歌集 0236
ひとりのみ ながむるよりは をみなへし わがすむやどに うゑてみましをひとりのみ ながむるよりは 女郎花 わがすむ宿に 植ゑて見ましを...
古今和歌集 0235
ひとのみる ことやくるしき をみなへし あきつゆにのみ たちかくるらむ人の見る ことやくるしき 女郎花 秋露にのみ 立ち隠るらむ...
古今和歌集 0214
やまざとは あきこそことに わびしけれ しかのなくねに めをさましつつ山里は 秋こそことに わびしけれ 鹿の鳴く音に 目をさましつつ...