11月の終わりから冷たい雨の日が続いた。
昨日は青空が広がり、それがずいぶんと久しぶりに思える晴れ間だったので
犬の散歩でいつも天候を気にしている家内に聞いてみたところ
十日ほどは雨の日が続いていたらしい。
けれども、その青空もほんの束の間。今日からはまた雨の日が続くという。
週間予報なのでその先のことはわからないが、
悪天候どころか、さらに週末には冷え込んで平野部でも雪が降るのだとか。
暦の上では冬に入ったばかりなので、あと三か月ほどはこの天気を覚悟しなければならない。
雨の季節というと梅雨のうっとおしさを思い浮かべたりもするが、
それに比べて北陸での冬は長雨がやがて雪に変わり、
それが3月初めまで続く。
災害を引き起こさない限りだが、梅雨の長雨などは取るに足らないことでしかなく
むしろ雨の日を楽しむ余裕さえ感じたりもしている。
一方で生まれてこの方嫌ってきた冬のうっとおしさ。
今年も「ヤレヤレ...」という気分が高まっていたのだが
ある話を聞いて心持ちが変わり始めている。
話とは北欧における冬の暮らしのことで、
一日の大半が夜となる冬に「灯り」を楽しむ文化があるのだという。
様々な照明器具が考案され、屋内外に装飾される。
照明器具だけでなく、灯りの強弱や色合いなどでも
暗がりを演出することで長い冬を楽しもうとするのだそうだ。
この話を聞いて自分の部屋の模様替えを始めようとしている。
それは、照明器具はもちろんのこと、カーテンや足元の敷物だったりもする。
寒さをしのいだり明るさを補ったりするだけでなく、冬には冬のしつらえがあると思い始めたのだ。
いや、「むしろ冬を楽しむには...」とほくそ笑んだりもしている。
さて。金沢の冬を代表する風景を「お蔵」の中から探し出した。
冬の風物詩ともなっている兼六園の雪吊り。
そもそもは積もった雪の重みから枝折れを守るためのものだが
そのライトアップは北陸のきびしい冬、そして、夜を楽しむ粋なしつらえだ。
もうひとつ。「冬を楽しむ」ということで
このスティングのビデオクリップを思い出した。
Sting - Fields Of Gold (Live From Lake House, Wiltshire, England, 1993)
イギリス郊外の家屋で収録されたようだが
裸の木立など外の様子からは寒々とした冬の情景が伝わってくる。
ところがその室内。
部屋の奥深くまで射し込むやさしげな陽ざし中で
穏やかな雰囲気で繰り広げられるライブ演奏に温もりと
上質な時間の流れを感じた。