しらゆきの ふりてつもれる やまざとは すむひとさへや おもひきゆらむ
白雪の 降りて積もれる 山里は 住む人さへや 思ひ消ゆらむ
壬生忠岑
白雪の降り積もる山里では、雪が融けて消えるように人々の気持ちも寂しさに沈んでしまっているのだろうか。
「思いが消える」という最終句の解釈が難しいですね。ただでさえ寂しい山里に雪が降り積もる情景が寂しさの象徴とすれば、そこに住む人「までも」思いが消えるという表現は、寂しい情景に、住む人の心も温かさが雪と同じく融けてしまって寂しさに打ち震えている、と解釈してみました。