I am NOBODY! Who are YOU? ~ ぽーぽー的ACIMブログ『エセー』 ~

“ひとのフリ見て我が(ego)フリ直せ” ナマケモノ系acimerの
『NO』奇跡のコース×奇跡講座×奇跡の道なエセー

ぽつくりとあゆけるみには

2024-06-16 | わたしと私たちのくらし
逢佛殺佛、
逢祖殺祖、
逢羅漢殺羅漢、
逢父母殺父母、逢親眷殺



Ummet Ozcan A Shaman's Mantra


  「 たすけて 
   だれか。
   殺される だれか! だれか!」

しずかな住宅街では ありえない さけび声に呼ばれ
築浅のマンション1階、ノックをして 部屋に入ると

わかい女のひとが 半狂乱の てい で 泣いておりました。

彼女と 同じくらい
ふぎゃあ ほぎゃあと 泣いている 1、2歳くらいの坊やを 抱いて。

すっきり 片付けられた部屋の奥の
ベビーベットには 生まれて間もない赤ちゃん。

なにごと なく
透明な寝息をたて そのこは やすらかに 眠っていました。




母さん お窓をしめましよう、
もう 郭公くわくこう鳥は 鳴きませぬ。

林の虹も 消えました、
沼には 靄がおりました。

母さん お窓をしめましよう、
風が ひえひえいたします。

もうすぐ 夜が来るのです。
もう郭公鳥も鳴きませぬ。

病気がおもるといけませぬ。
母さん お窓をしめましよう、
ランプに あかりも いれましよう。

             「 沼の家 」




女のひとの 連れあいと思われる
口を真一文字に こわい顔の わかい男のひとが 隅っこで

ものいわず じっと 床を睨んでおりましたけれど
もう だれかが 殺される風ではありません。


何が あったのか わからない。

こわい。

私は しらず
泣いているふたりを ぎゅっと 抱きしめたのです

すると ふたりは さらに 声をあげ ひどく泣く。

・・・・・・どうしたものでしょう


The Zone of Interest. Piano scene


   天若不愛酒 酒星不在天
   地若不愛酒 地應無酒泉


ああ。そういえば・・・

小さいころのわたし
こわい夢をみて 目がさめると よく父に しがみついたっけ。


私をすっぽりいだいて
父は まるで 子もり唄 でも うたうように 
背中をやさしく ぽんぽんっと たたいて あやしてくれた

ひとのぬくもり おおきな父の手が しん に ひびく

やわらかな きそくただしい律動に
安心した 私は また すうっと 眠れたことを ふと 思い出しました。




坊やがせがむと
乳母車、
つばきの花をつけられる。

そしてくるくる
くるくると、
ご門のとこまでひかれてく。

坊やがねないと
乳母車、
ねんねこようをきかされる。

そしてゆらゆら
ゆらゆらと、
ぶらんこみたいにゆすられる。

坊やがねちやうと
乳母車、
日かげにそつといれられる。

そしてふんはり
ふんはりと、
もひとつ毛布をのせられる。

            「 乳母車 」




夢 を み る

それは 生きとし生ける種々に 与えられた
この世界の はからい。

 こわい夢。
 たのしい夢。
 つらくかなしい夢。
 みなひとつに溶け合う至福の夢。

それぞれの夢を みなくてはいけない
ここは 夢なくしては いきられない所処です。

目覚める ときでないこ を 
目覚め させては なりません

ここは 様々の「私」たちが ひつような ひのじくう なのですから



Mother Is The First Other


どの夢も
その時々に ようする 大事

だいじな「私」と「貴方」の 夢です。

  人間は 何者でもない。
  特別ではないし、偉大でもない。
  もちろん、劣ってるわけでもない。

  人間は人間だ。
  貴方は貴方だし、私は私だ。
  それ以上でも以下でもない。笑


なのに にんげんは 自らの大事を 尽くさず 
よまよひ ヒトごとのイイに 逃げてしまう

それが にんげんの かなしい 因業ナライ カルマの「よい」みたい。



   
 

 だ い じ ょ う ぶ 
 だ い じ ょ う ぶ だ よ。


泣くこを しっかり抱きしめ 私は 
父のように やさしく あやしながら ふたりを み守るしかできません。

  こわくない。
 いっしょ。いっしょだよ。いっしょにいるから。
 だいじょうぶ だいじょうぶ。私のいいこ。だいじょうぶよ。



彼女の坊やは しらないひとが こんな近くにいるのが めずらしかったのでしょう

しばらくすると 泣くのをやめ
涙でうるんだ まあるい目で 私の顔を じぃと 見つめた

坊やの やわらかい首もとの うっ血したあとが
まっしろい肌のうえに あかあか と 浮かんでおりました。



   


    天地既愛酒 愛酒不愧天
    已聞清比聖 復道濁如賢


だれか 呼んだらしい 町内会のひとが
   いつのまにか 部屋に いらしたので

分かる範囲の状況を伝え  あとを任せて 私は そこを離れました。

  もう わたしは 帰らなければいけない

  時 間 で す。

  私のおうちは ここから 遠い、とても 遠いところにある
  私は かえらなければなりません

これきり 二度といきることのない己世世 
じかんの私は それぞれのぞむ 貴方ヒトいい幻想ナリ に すぎないもの。




【公式】尾崎豊「I LOVE YOU」 (LIVE CORE IN TOKYO DOME 1988・9・12)



嗚呼 夢は みたくなかった。

夢も 
現実というものも 
私は 何一つ 欲しくなかった。

傷みつかれ 慄え歪んだ 
私の魂魄が ここで 日々を慈しみ 
この俺として いきていくには

今生いまの私に与えられている地歩は あまりに少なかった

仕事 
メシ 
修道 
獣の犬歯
クスリ
閃光 
疼痛 
曝首シャレコウベ どもの マツリ

この「俺」として いきながらえるだけなら

私は ひとり 靜かに 
淡々と 坦々と 暮らせる。それで よかった・・・




かえりみち

その時間にしては 空いた電車に揺られ 
ひろびろ 共用の座席を 独り占めた

私は ゆったり 外を眺めておりました。


いつもなら 愉しく眺めていられる
あざやかな新緑の ひかる風景が 目に入らない。

な に か が 間 違 っ て い る。

車窓にうつる 私の目が ふいに
あのとき 私を見上げた あの坊やの目と 重なった


Steve Reich - Different Trains (Europe - During the war)


賢聖既已飲 何必求神仙
三杯通大道 一斗合自然



部屋の隅にいた 真一文字 の 口 の 貴 方

こに 手をかけずには いられなかった
あなたは また みなに 見殺されてしまいます。

殺されそうになったのは 
あの女のひと、坊やだったかもしれない

なれど 私たち よいにんげんの
みえない こうきゅうの 良識ぼうりょく に 虐げられ

なんども なんども 加害の彼は コの世界の真っ当さに 殺されつづける。






 それが 処世の せいカイ。
     せいなるひとの 「幸せ」だろう(笑)

 
こわい顔をしていた あの彼のそばには
くちのあいた ボストンバック

有名会社の社員証が 投げ出されており
壁のもの掛けには 洒落たスーツが かかっておりました。

家族と離れ  ひ と り
貴方は 家族のために 働いてた。

まいにち まいにち 
みなを 食わせるため 懸命に いきているのね。 あなた。





島で、或るあさ、
鯨がとれた。

どこのうちでも、
鯨を食べた。

ひげは、うなりに、売られていつた。

りらら、鯨油あぶらは、
ランプで燃えた。

鯨の話が、
どこでもされた。

島は、小さな、
まづしい村だ。

             「 島 」



Vaundy「呼吸のように」


彼の家は きれいな 「おうち」でした。

しろい壁
まあたらしい床
いま風の しゃれた調度品が ならぶ 

モデルハウスのような ぴかぴかのおうち。

彼らのうちは 目にするものどれも
ふつうの生活レベル以上のもので 調えられておりました。

うるため 
うられるために 作られたような 幸せな夢のおうち。





それはソレは 素敵な「おうち」に なるでしょう、貴方。


「だいじょうぶ だいじょうぶだよ」って
妻と坊や ふたりのように 誰かに やさしくして ほしかったの?

貴方も 誰かに 抱きしめてもらいたかった?


The hero of this dream will NEVER change.

あのうちで 誰よりも いちばん 泣いていた
      誰よりも いちばん 誰かに 愛されなければいけなかったのは 

      ほんとうは 貴 方ぼうや  あなた、ね。 




嗚 呼
イキ抜きに 月並みの 戯れ歌を

たまには 酔いどれ 
千鳥足の夢の中で 顏のない女を しこたま抱ける

充溢の夢路に 微睡めれば よかった。

「ヨイ」の夢に 連なる 
アヴァロンの囚人は 求められた 裸形アリのまま でよい。 
自らが よく感じるままに かえすだけで い」と思えればいい

彼らは それを「良い」と 断定できる 「全き」御上かみで イるから。





  I am the light of the world. ( W-pI.61 ) 

このテのせいカイを しゃぶり尽くす ゼンニン様の 内在神マもの ゆえ

「ヨイ」現臨 実存の いいワケ
 日月のタわけ信者が 戯言の イイ 因 果ワレよし が 続くのだ


「ある」と
「なる」じくうが 歪むか・・・・・・ 

千々和かみと 白々しき みち故に ふたたび
ツラなりしもの全て みちずれ てんの 次元移行つゆのよは じき あくムに 転ずる

 
   γνῶθι σεαυτόν





どらん どらん
どらん
 どらが鳴る。
よふけの部落のひろつぱで。

どらん どらん
どらん
 まどがあく。
あつちこつちで音がする。

どらん どらん
どらん
 かけてくる。
ブーメラングや毒鎗が。



どらん どらん
どらん
 みんな来た。
獅子でも出たか、火事なのか。

どらん どらん
どらん
 をどるのだ。
月だよ 月だよ 月なんだ。

どらん どらん
どらん
 輪がをどる。
月夜の部落のひろつぱで。

            「 どらが鳴る 」



Apashe - Good News -


豊かに みたされたせいかつ 
幸せな 人生ゆめ あらたよの みちの「よい」と 引き換え

   神に 語られる。
   結びつけられる。 感じられる。 意識させられる。

   そこに 惹きつけられる 向かわされる。
   そう在らしめられる。 いかされる。



 私という ソの 主観の受動態
    「~される」は 実に よくツカエル 「よい」言種イイぐさ に なるでしょう 

主観者の よい夢想、よい言説を コの場所で
しんじつとするには あまりに デキすぎる  それは 呪い。 呪詛のイイ。


サルバドール・ダリ「記憶の固執」



愛なる言葉 
善き教え
ワンネス 真たるに ふさわしい 良言を並べた

トクだけの よい行為は 
よい行為に 耽溺する 「自分」を よくミ逃し

ことの本質を 観ないための方便こうイ に 執着してしまう。

但得酒中趣 勿為醒者傳

非在、エゴゆえの 魔境あかし も よく知らぬ 
  「私」たちは みな よいニンゲンを いきておりますから・・・・・・





ひるはどこもがひかるんだ。
みてるとどこもがひかるんだ。

ぼうしのひさしがひかるんだ。
たれのひさしもひかるんだ。

フツトボールがひかるんだ。
たかいおそらがひかるんだ。

せんせいのかほひかるんだ。
にこにことしてひかるんだ。

せんだんのえだひかるんだ。
めをもつえだがひかるんだ。

こうていのこゑひかるんだ。
みんなのこゑがひかるんだ。

がつこうのそらひかるんだ。
みてるとひるがひかるんだ。

               「 ひかる 」



かなしい 
あのおうちのひとたちは
あれから ほどなく 警察沙汰にまで こじれてしまったと 人づてに 聞きました。

殺し 
殺され続ける 
かなしい自分 を み棄てて 私も貴方も 

このバで なにかを 形容せずには イられない
イイ神さまに イかされる 私という イきもの


みな よく得ずくなしに ひとを 抱きしめることの できない 

   「よい」人 間バけもの を 我ワレは いきておりますから。



The Zone of Interest - Ending


仏に逢うては 仏を殺し、祖に逢うては 祖を殺し、
羅漢に逢うては 羅漢を殺し、父母に逢うては 父母を殺し、
親眷に逢うては 親眷を殺して、始めて 解脱を得、物と拘わらず、透脱自在なり 『臨済録』



本文は エセー「バラ、バラ、つぶつぶ。ポロ、ポロ、つぶつぶ。」(2017-7-21 公開:現在クローズ)を 加筆編集
赤字は 新美南吉の詩です♡