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サウジアラビアでは、奥さんの顔を直接見ることは出来ません。彼の家に入ると、部屋がカーテンで仕切られていて、カーテンの向こう側では、奥さんが料理を並べている音がします。しばらくすると、奥さんが、パンパンと手を打ちました。それが、料理の準備が出来たから、入っていいよ、という合図です。
料理の並べてある部屋に入りますと、誰もいませんが、テーブルの真ん中に、大きなお皿の上で、肉とご飯が湯気を立てています。周りは、果物などご馳走が並んでいます。ふと、私が座る席の前に、小皿が置いてあって、その小皿の上に、ウィンナソーセージみたいなものが、2本並んでいるのに気付きました。友人のアラビア人は、「お前のために、ヤギを料理した。ヤギの一番おいしいものがそれだ。さー食べて」と言いました。私は、何だろう?と思いながら、食べてみると、味はチーズみたいです。ここで、問題です。これは何だと思いますか?ヒントは2本という点です。
さて、答えですが「ヤギの目玉」です。それを聞いたら、2本目はマジマジと見てしまって、食べるには勇気が要りました。目玉というのは、結構奥行きのあるものなのですね。でも、考えてみると、魚の目玉を好む人はいますので、慣れの問題なのでしょう。今となっては、随分と昔の話になりましたが、ふと、小皿に並んだ目玉を想い出します。