写真はマンションの内覧会で撮ったものです。白い矢印の先を見て頂くと、細いひび割れが入ってるのが分かります。ここはベランダの天井部分です。つまり、上階のベランダのコンクリートの床で、下側の天井面は吹付タイルで仕上げをしています。吹付タイル部分に、このようなひび割れが入っていることは、コンクリートの躯体にもひび割れが入っていると予想されます。
このひび割れはコンクリートの乾燥収縮によるものです。コンクリートは水で練り、打ち込んでから、水分が蒸発して乾燥していきます。そうしますと、体積が収縮していき、周りは固定されていますので、ひび割れが生じます。コンクリートは乾燥収縮が宿命なのですが、建物にひび割れが入りますと、コンクリート自体の耐力も落ちますし、中の鉄筋を錆びさせ、建物の寿命を急激に落としてしまいます。従い、施工業者は、ひび割れが入らないように施工すること、また、ひび割れが入ってしまったらしかるべく補修をしなければなりません。コンクリートのひび割れは、あってはならないものですが、出来てしまうこともあります。
ひび割れの場所、幅、要するにひび割れの状態によって建物としての重要度は異なります。写真のように、ベランダの床など、重さを支えている構造体に入っているひび割れは補修が絶対に必要です。一方、トランクルームなどの表面のモルタルに入っているひび割れは、構造体ではありませんので、気にする必要はありません。コンクリートの中にある鉄筋を錆させるようなコンクリート面のひび割れ幅は、0.4㎜以上と言われています。0.4㎜と言われてもピンと来ません。シャープペンシルの先が0.5㎜ですので、シャープペンの先がひび割れに入ってしまうようでは問題があるわけです。
内覧会に行きまして、壁や床などのコンクリート構造体の表面にひび割れを見つけたら、施工業者に指摘して下さい。そして、そのひび割れの部分は仕上げ材なのか、構造体なのか、どうして起きたのか、そしてどのように補修するのかを、業者に聞いて下さい。特に構造体のひび割れにつきましては、後々、問題になっても困りますので、ひび割れの原因、補修方法など写真入りで報告書として提出させておいた方が良いでしょう。(612)
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