亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

ヨーロッパのリウマチ学会が終わったようです

2010-06-23 | 膠原病(SLE、シェーグレン症候群)
ヨーロッパのリウマチ学会の年次会(EULAR 2010)が6月16日から19日まで、ローマで行われました。
ローマって言っても、会場はけっこう離れた郊外で何にもないらしいですけど(笑)でも、ワインもお食事もおいしかったなんて話も聞こえてきます。

アメリカのリウマチ学会(ACR)も、世界の重要な方向づけをする学会で、今の全身性エリテマトーデス(SLE)の診断基準も1982年にアメリカのリウマチ学会で決められたものが基本の考え方として扱われてきましたが、リウマチの勢いを見るDASやその改良版である、EULARの改善基準スコア)もヨーロッパのリウマチ学会でできたものみたい。昨年、発表されたリウマチの診断基準「2009ACR/EULARクライテリア」は、実質的にはヨーロッパ主導だったと聞きます。それだけ影響力の強いヨーロッパのリウマチ学会。

全身性エリテマトーデスの診断基準や勢いの判断についても、最新の研究を反映した基準を設定したいという動きがあると聞いていたので、何か発表がないか気にしていましたが、ざっとみたところ、見当たりませんでした…。残念。
そういえば、ヨーロッパ・リウマチ学会は関節疾患が中心だそうで、速報でもリウマチのお話がほとんどですね。

それでも、SLEの患者会 Lupus Europeが、SLEの職場・家庭への影響を調査した報告をしたようです。詳細は読めていませんが、発症してもやれることをつづける、無理はしないというバランスを取ることが難しい病気だけに、ここに注目され研究されるのはちょっとうれしい♪

あとは、中国からのSLEの疫学の報告(pdf)があったみたいですね。血液疾患は、ヨーロッパの18.2%より圧倒的に多くて57.4%(マレーシアの45.8%と比べてもさらに多い)とか、腎疾患もヨーロッパの27.9% やマレーシアの7.4% と比べると45.8%と多いけれど、神経疾患はヨーロッパの19.4%やUSの12.1%と比べると、中国は4.5%と圧倒的に少ないというような報告が。こんなに特徴的に出るのは統計の問題か、地域性・人種性によるのかわかりませんが。。。
日本の疫学はどうなんでしょう。

個人的に「へー!!」と思ったのは、「関節炎を有する患者ではアルコール摂取者が少ない」らしいってオランダの先生の報告。飲んだ方が関節炎にならない!?ふつうに考えると、炎症があるときにお酒を飲むとよけいひどくなりそうなイメージがあって、実際、調査した患者さんの飲酒量は比較調査した健康な人より少なかったようですが、これからの研究に興味があります。適度の飲酒がいいなんて研究結果が将来まとまったりするのかなぁ♪

そうそう、EULAR 2010用のiPhoneアプリなんてものまであったみたいですね(笑) iPhoneで行われている発表の情報が確認できるみたい。巨大な時間割を持ち歩かなくてもいいし、発表概要や抄録まで読めるらしくって、使わないけど、ちょっと興味があったり。

専門家ではないのだけれど、学会での最新の研究やいろんな地域での状況の報告は興味あります。どんどん研究されて、リウマチもSLEも、生活の質(QOL)を下げてしまう病気だけに、進行を抑えたり苦しい症状を楽にする方法がどんどん見つかるといいなと思います。

にほんブログ村 病気ブログ←参加中!
研究がどんどん進むといいよね!、と思ったら、クリックを♪

Comments (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年も特定疾患の更新の時期です | TOP | 甲状腺薬チラーヂンは夜、飲... »

6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (gardenia)
2010-06-24 22:07:08
ぷろぱさん、お久しぶりです。その節は、お世話になりました♪

SLEは、本当に、無理のないように、でもやりたいことはやるというのが難しい病気ですよね。私は、症状が軽いときは、調子にのって、ついつい無理をしてしまい、あちゃっ!なんてことがよくあります。

SLEの国別疫学調査ですが、興味深いですね。人種差もあると聞きますが、統計上の問題もあるのかな~と思います。病態診断の基準、又、どの段階でSLEと診断するのかは、各国でばらつきがあるでしょうから。日本のように、中国では、ステロイドによる治療を必要としない軽症SLE患者さんがカウントされていないからかも~って感じがします。分母(患者総数)のとり方が違うから、大きな開きがでるのかも~って。

ぷろぱさんのブログはとても、勉強になります♪読みながら、そうそう、と共感したり、へえ~って頷いたりしています。
ご存知かもしれませんが、カナダのバンクーバーで、International Lupus Congressが27日まで、開かれています。病気の研究が進んで、薬の選択肢が増えて、QOLが向上するといいですね!
返信する
このブログのおかげで、 (tofu50)
2010-06-24 22:16:16
NatureJapanのTwitterでお知らせがあった以下の記事を読んでみました。
全身性エリテマトーデスでコルチコステロイドの効果を増す
http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=78569
http://www.nature.com/nature/journal/v465/n7300/full/nature09102.html
SLEについてもいろいろな研究がどんどん進んでいきますように。

返信する
励みになります (ぷろぱ)
2010-06-27 08:39:22
gardeniaさん、おはようございます。
わぁ、喜んで読んでいただけるなら、励みになります♪

Int'l Congress on SLEは、今だったんですね!!毎年でないので、見落としていました。
「SLEと生きる」なんていう患者向けのプログラムもあるようです。
気持ちが沈まないような活動性と、カラダを休めるバランスって、ほんとむずかしいですね。
http://www.lupus2010.com/education.html

次は2013年、ブエノスアイレスらしいので、いけそうにもありませんが(笑)
http://www.gladel.org/contenidos/2013/12/30/Eventos_2732.php

中国の統計については、全国的な調査ははじめてというお話ですし、今後の丁寧な解析をみてみたいですね。
SLEのお話ではありませんが、抗甲状腺薬メルカゾールの副作用、無顆粒球症の報告がイギリスではとっても少なくて、なぜだろうと調べたら、甲状腺の治療を家庭医がしていることが多くて、無顆粒球症が見落とされている例も多いんじゃないかという指摘を聞いたことがありました。
返信する
記事ありがとうございます! (ぷろぱ)
2010-06-27 08:39:52
tofu50さん、こんにちは!
SLEの関連記事ありがとうございます!
SLEの患者さんが、リウマチの方と比べても、ステロイドの感受性が弱いなら、そのステロイドの受容を邪魔しているところを抑える薬を併用すると、ステロイドが少なくて済むんじゃないかという研究、でしょうか。
まだまだ動物レベルの研究ですが、これは今、ステロイドの減量に苦しんでいるたくさんの患者さんに希望を与える研究ですね。

乳がんの研究もSLEの研究も、どんどん進んで、「昔は怖い病気って言われてたんだって」というくらいに言われるようになるといいなと思います。
返信する
はじめまして。 (三和メッシュ)
2010-07-08 21:01:23
ヨーロッパのリウマチ学会(笑)ってなんかいいですね。ワルノリでなくなんか親しみやすい言葉に変えて頂くと医療の意識とか中身とか変わるのではと思います。
返信する
ようこそ♪ (ぷろぱ)
2010-07-11 00:33:57
三和メッシュさん、はじめまして。

The European League Against Rheumatism(ELAR)は、欧州リウマチ学会って訳されることが多いですね。
そのまま訳すと「リウマチと戦うヨーロッパ同盟」という感じなのでしょうか。サッカーじゃないけど、ヨーロッパ組っぽく見えます(笑)

何となくわたしの中では、「ヨーロッパのリウマチ学会」が自然だったので、そんな風に♪

病気の説明でも、後から専門の資料を調べるにはカルテ風の表現がわかりやすいんですが、つまり「こういうたんぱく質があって、こういう働きをするのだけれど、攻撃されて、うまく働けないの」というようなわかりやすい説明が、自分でも実感しやすいこともあるような気がします。

またぜひ遊びに来てくださいませ。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 膠原病(SLE、シェーグレン症候群)