去年、最初の緊急事態宣言が出るちょっと前。早くから計画していた旅だが世の中の状況が悪くなってきていて
どうしようかと迷っていたのだが、宿に電話してみると歓迎してくれる様子だったので行くことにした。
花巻空港からバスで45分、盛岡駅に到着。数年ぶりの盛岡。ビルの間から白く光る岩手山が見える。あぁいいなぁ。
道路を渡るために地下道に降りると、私の好きな陶壁画作品がある。「四季の図譜」。やっぱり素敵だ!
今回はじっくり見てみよう。この作品は大小の四角い陶板を組み合わせたもので、春夏秋冬の四季を
表す4つの壁画に、少し小さめの1つの壁画を加えた、合計5点のシリーズになっている。
パーツは全て四角い陶板だけれど、大きさや厚みの異なるものを組み合わせてあるので凹凸がある。
白と青と、わずかな色しか使われていないが、スタンプや手描きの模様、文字や記号が書かれて
いたりと、その表現がとても面白いのだ。
こちらは四季の図譜の内、「春」。
桜の花と複雑な天気図、縄飾りなどが描かれている。眺めていると、残雪、春の嵐、雪解け水、
花冷え・・・いろんなものが連想される。
待ちわびた春の喜び、躍動感や生命感、晴れやかさ、浮かれ気分だけでなく、物憂いな気分、
まどろみさえも感じられる。子供の頃の遠い記憶が呼び出され懐かしく切ない気分に満ちてくる。
こちらは「夏」。
半分は波打った手描きの横線で埋められ、もう半分は爽やかな水色のグラデーション。
海、夏空、波しぶき。スコール、雷鳴、嵐・・・水、水、水。夏休みの記憶がよみがえる。
面白いのは、青い水の滴りとはまた違った「さんずいへん」「読点」などがちりばめられているのだ。
まさにしずくのように見える。夏のイメージを体現する文字、記号。
そして、こんなところに本物の文字も。「油町」「大工町」「本町」。秘密のメモのように
こっそり記されたこれらの町名は、実在した旧町名のようだ。
他にも数か所に記されている。目地を路地に見立てて、まちの記憶を忍ばせているのだろうか・・・
こちらは「秋」。
黄金色に色づいた草原(畑?)に、馬がうじゃうじゃと。スタンプで押した同じ形の馬が面白い
効果を生んでいる。
何かに追われているのか、何かに急かされているのか・・・無心に駆け抜ける馬の群れから、
不穏な空気、慌ただしい気配が伝わってくる。
こちらは「冬」。
丸い粒は雪かあられか。北風、木枯らし、雪遊び。鬼のようなのは風神か、なまはげか?なまはげは
秋田だから違うか。。。春を願う人々の静かな暮らし。真っ白な世界。
私の生まれ育った土地でも子供の頃はシーズンに数回は積もっていた記憶がある。窓の外の真っ白な
景色に興奮して飛び起きたものだ。翌日のびちゃびちゃの通学路は嫌だったが。。。
そしてこちらの半分サイズの陶壁画は、タイトルは書かれていないが、早春、とでも呼ぶべきか。
「冬」に描かれているのと同じ鬼が、今度は豆を投げつけられて逃げている。
節分が過ぎれば立春、暦上はもう春だ。
夏なら夏の、秋なら秋の、冬なら冬の。呼び覚まされる記憶。いつまででも眺めていられる。
素晴らしいパブリックアート。盛岡に着いていきなり30分以上この前で過ごしてしまった。
作者の村上善男という人は盛岡出身で東北を拠点に活動した画家。これは1982年の作品。
本塩釜駅でも村上善男氏のタイル壁画がコンコースの壁を飾っている。
どこか他にもこの人の陶壁画はないだろうか。あったら見てみたいなぁ。
続く。
どうしようかと迷っていたのだが、宿に電話してみると歓迎してくれる様子だったので行くことにした。
花巻空港からバスで45分、盛岡駅に到着。数年ぶりの盛岡。ビルの間から白く光る岩手山が見える。あぁいいなぁ。
道路を渡るために地下道に降りると、私の好きな陶壁画作品がある。「四季の図譜」。やっぱり素敵だ!
今回はじっくり見てみよう。この作品は大小の四角い陶板を組み合わせたもので、春夏秋冬の四季を
表す4つの壁画に、少し小さめの1つの壁画を加えた、合計5点のシリーズになっている。
パーツは全て四角い陶板だけれど、大きさや厚みの異なるものを組み合わせてあるので凹凸がある。
白と青と、わずかな色しか使われていないが、スタンプや手描きの模様、文字や記号が書かれて
いたりと、その表現がとても面白いのだ。
こちらは四季の図譜の内、「春」。
桜の花と複雑な天気図、縄飾りなどが描かれている。眺めていると、残雪、春の嵐、雪解け水、
花冷え・・・いろんなものが連想される。
待ちわびた春の喜び、躍動感や生命感、晴れやかさ、浮かれ気分だけでなく、物憂いな気分、
まどろみさえも感じられる。子供の頃の遠い記憶が呼び出され懐かしく切ない気分に満ちてくる。
こちらは「夏」。
半分は波打った手描きの横線で埋められ、もう半分は爽やかな水色のグラデーション。
海、夏空、波しぶき。スコール、雷鳴、嵐・・・水、水、水。夏休みの記憶がよみがえる。
面白いのは、青い水の滴りとはまた違った「さんずいへん」「読点」などがちりばめられているのだ。
まさにしずくのように見える。夏のイメージを体現する文字、記号。
そして、こんなところに本物の文字も。「油町」「大工町」「本町」。秘密のメモのように
こっそり記されたこれらの町名は、実在した旧町名のようだ。
他にも数か所に記されている。目地を路地に見立てて、まちの記憶を忍ばせているのだろうか・・・
こちらは「秋」。
黄金色に色づいた草原(畑?)に、馬がうじゃうじゃと。スタンプで押した同じ形の馬が面白い
効果を生んでいる。
何かに追われているのか、何かに急かされているのか・・・無心に駆け抜ける馬の群れから、
不穏な空気、慌ただしい気配が伝わってくる。
こちらは「冬」。
丸い粒は雪かあられか。北風、木枯らし、雪遊び。鬼のようなのは風神か、なまはげか?なまはげは
秋田だから違うか。。。春を願う人々の静かな暮らし。真っ白な世界。
私の生まれ育った土地でも子供の頃はシーズンに数回は積もっていた記憶がある。窓の外の真っ白な
景色に興奮して飛び起きたものだ。翌日のびちゃびちゃの通学路は嫌だったが。。。
そしてこちらの半分サイズの陶壁画は、タイトルは書かれていないが、早春、とでも呼ぶべきか。
「冬」に描かれているのと同じ鬼が、今度は豆を投げつけられて逃げている。
節分が過ぎれば立春、暦上はもう春だ。
夏なら夏の、秋なら秋の、冬なら冬の。呼び覚まされる記憶。いつまででも眺めていられる。
素晴らしいパブリックアート。盛岡に着いていきなり30分以上この前で過ごしてしまった。
作者の村上善男という人は盛岡出身で東北を拠点に活動した画家。これは1982年の作品。
本塩釜駅でも村上善男氏のタイル壁画がコンコースの壁を飾っている。
どこか他にもこの人の陶壁画はないだろうか。あったら見てみたいなぁ。
続く。
村上善男さんのご関係の方でしょうか。
この盛岡の地下街と本塩釜駅の陶壁画は旅の途中で偶然見つけたのですが、とても素敵で大好きです。
どこかほかにもあれば見てみたいです。