まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

台南の近代建築(台湾)

2009-09-13 01:41:35 | 建物・まちなみ
澎湖島の馬公から飛行機で、高雄でなく台南に飛んで来たのは、在来線の台南駅舎を
見たかったから。
台南は1624年にオランダが港を占領して行政府を置き、1661年に
鄭成功に追われるまで38年間地域経営を行った台湾最古の街。
日本統治時代にも大いに栄えた台湾南部の大都市である。

空港からタクシーに乗って約10分。見えてきた!白亜の台南駅舎~!
うわぁ~カッコイイ。1936(昭和11)年竣工。
右側には貨物扱いのスペースがあり、台中駅や新竹駅のように高い塔を戴いては
いないものの実に堂々たる構えだ。あぁいいなぁ!
台南駅は新竹駅と同じく国定古蹟に指定されている。

それにしても・・・後ろのタワービル・・・ジャマ!!

四角いフォルムにアーチのデザインが繰り返される。南国らしく車寄せには
さらに深いひさしが張り出していて、濃い陰を作りだしている。
やしの木もちゃんと左右対称に植えられたのだろうか。




よく見ると外壁の白色は塗り変えた色のようだ。もとはどんな色だったのだろうか。


せっかくなので台南の近代建築も見ていこう。駅の荷物預かりに荷物を預けて出発。
民生緑園という巨大なロータリーの近くにいくつか集まっているので見やすい。
・・・が、その前に連れの機嫌を保つために(笑)有名なちまき屋へ。


さて建物をめぐる。

旧台南測候所。1898年。都市古蹟。
円形に見える多角形の平面を持ち、瓦屋根の中央に塔が立つ、一風変わった形の建物だ。


旧台南合同庁舎。1937(昭和14)年。都市古蹟。
水平ラインを意識したモダニズムデザインの白いビルの上に、灯台のような展望塔が
突き出した姿は、遠くからも目を引きとても印象深い。今も現役の建物だ。
驚いたことに、この建物は1930年にまず展望塔部分が造られ、その後の拡張で
両側の建物が造られたとか。


これももとはベージュ色のタイル貼りだったのを白いペンキで塗ったようだ。
窓や展望塔のひさし裏に壷型のツバメの巣がたくさん!

中はどんなんかな~、と日よけガラスのドアに顔を寄せて覗き込んだら、
おっちゃんと目が合ってしまった(照)。

ちょっとそれると旧林百貨店がある。1932(昭和7)年。都市古蹟。
当時は台南最大の百貨店だったという。林というのは日本人の名だそうな。
ファサードが押し出されたデザイン。ネットがかかっているが、改修するのか、
取り壊すのか?


向かいは土地銀行台南分行(旧日本勧業銀行台南支店)。1937(昭和12)年。都市古蹟。
ギリシャの神殿ばりの巨大な列柱がずらりと並ぶ威圧的な外観。日本の威信を
見せつけるような建築だ。


しかしよく見ると、柱の上についているのはえびす様?かわいい~!
こんな遊び心もあったんだ。


ロータリー周辺には他にも立派な建築がいろいろある。
国家台湾文学館(旧台南州庁舎・台南市政府)。1916(大正5)年。都市古蹟。
台南市警察局。1931(昭和6)年。都市古蹟。
嘉南農田水利会。1940(昭和15)年。都市古蹟。
台南公会堂。都市古蹟。

あまりの暑さにバテてきた連れをスーパーに残し、ひとっ走り、旧台南放送局へ。
1932(昭和7)年。都市古蹟。


これが放送局?公園の木々の間に建つこじんまりした洋館は住宅にしか見えない。
左右対称でないところが面白く、住宅っぽく見える原因でもあろう。


オランダによって作られた要塞である赤かん楼も見たかったのだが、連れの機嫌は
もうこれ以上保ちそうにない。残念だがまたにするか。。。
キンキンに冷えたシャーベットを食べてから駅へ戻る。

これは駅前ロータリーに面したビル。見事に弧を描いている。
岡山の桃太郎大通り沿いのビルみたいだ。


自強号に乗って高雄へ。

続く

コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タイルの楽園 その2(台湾) | トップ | 彦根を歩く (前編) »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宝箱 (yume)
2009-09-13 10:04:34
台湾ってまるで「宝箱」だなぁ。。 と思ってしまいます。
どれもこれもたまらなく素敵な建物ばっかりじゃぁありませんか。
こういうものが平気でゴロゴロと残っている。。いえ残っているどころか、現役で使われているんですよね?。。

日本は急ぎすぎたよなぁ。と思います。
返信する
yumeさん、 (ぷにょ)
2009-09-13 20:33:07
私が素敵なのをピックアップしているからですよ!?
でも確かに、現役でちゃんと使われているのが多いです。
壊して建て替える、という発想がないのかなと思いますねぇ。
返信する
Unknown (びんみん)
2009-09-18 02:17:19
こんばんは。
再びの台湾旅行記、楽しませていただいています。
近代建築がよく残っていますね。119って消防署?
いくらちゃんと残しているといっても、いつでも見にいけると思っているとなくなっていくので、今のうちに行っておいた方が良さそうですね。
返信する
びんみんさん、 (ぷにょ)
2009-09-18 22:33:18
お久しぶりです。
ほんと台湾は各方面見どころが多くて何度でも行きたくなりますね。
ご飯もおいしいし、風景もいいし、今回は行ってないけど温泉もあるし。
小さなまちも魅力的なところがいっぱいありますね。
中国語ができるびんみんさんならもっと自由に旅できるでしょう。
うらやましいです。
返信する
澎湖島にも日本時代の建物がありますよ! (甘ちゃん@台湾)
2009-11-18 01:22:36
澎湖島にお出でになったようですが、日本時代の建物が沢山保存されています。ご覧になったかも知れませんが・・。現役の県庁舎も日本時代の建物を利用しています。地下は駐車場になっていたり、内部もしっかり改装されているのですが、昔のままのモノが使われています。台湾は歴史が浅いので、古いモノを大切にしているような気がします。日本時代の迎賓館などは屋根をかけて、それから解体して、組み立て直していました。工事期間中は檜のにおいがプーンとしていました。
返信する
甘ちゃん@台湾さん、 (ぷにょ)
2009-11-19 22:05:15
ようこそいらっしゃいませ!!
澎湖島に行くときに甘ちゃんさんのサイトで勉強させていただきました!
近代建築のページは印刷して持って行って、ほぼ見て回りましたよ。
澎湖島は日本語はおろか(エセ)英語もほとんど通じず焦りましたが
食べ物もおいしくほんとに楽しかったです。
今回で要領が分かったのでまた行きたいと思ってます!
返信する
はじめまして。 (ユートラベルノート)
2010-02-16 18:41:05
はじめまして。
ユートラベルノートの増谷と申します。

写真レビュー楽しく拝見させていただきました。

日本の大正時代や、長崎を思い出すような風景ですね。特に観測所が可愛いです。銀行の柱は色さえ白かったらパルテノン神殿ですね!

実は、この旅行記事を見て、わたしたちのサイトにもぜひ、このような生の旅行情報が欲しいと思い、ご連絡させていただきました。

わたしどものサイト、「ユートラベルノート」はいろんなブログや情報を集めたサイトです。
旅行に関する情報をたくさんの方が見たり、書いたり、共有したり、意見を交換したり、できる場所です。
今までユートラベルノートでは「韓国」からのいろいろな情報を発信し、皆さんの情報をもとに記事を作ってまいりました。
今後、ワールドトラベルノートとして、台湾の記事もどんどん作っていく予定です。

よろしければ一度、ユートラベルノートのサイトに、こちらのブログを登録してみてはいかがでしょうか?きっと、ほか旅行者の役に立つだけでなく、旅行者同士のあらたなネットワークをつないでいけるはずです。

ぜひ一度、気軽に遊びにきてください。
(アドレスはURLの部分に貼らせていただきました)
返信する
ユートラベルノートの増谷さん、 (ぷにょ)
2010-02-20 18:02:06
ごらん頂きありがとうございます。
こちらのサイトは海外旅行の話題はそれほど多くなく
国内、それも近場が多いのでちょっと趣旨が違うかもしれません。。。
また旅行に出かける際には貴サイトを使わせていただきますね!
返信する

コメントを投稿

建物・まちなみ」カテゴリの最新記事