2019年秋の高知の続き。
吉良川のまちをうろうろ。上手の方には立派な「いしぐろ」を持つ家が並ぶ。
このように基壇部は軽く整形した石を積み、その上の部分には小さな石をみっしり並べ、天端は瓦を葺いている。
角の部分には補強のため隅石が積まれている。
なぜ上まで切石を積まずにわざわざ小さい石を使うのか、、、と思っていたが、ふと思った。
これは石垣ではなく、基本的には土塀だ、と。土塀の補強のために表面に石を埋め込んだものなのかもしれない。
水切瓦と同じように土を露出させるよりも風雨に強いということで石の割合が大きくなってきたのだろうか。
しかし赤土と漆喰を練り合わせた「ハンダ」を使わず石だけで空積みしているところもある。
いろんなタイプがあってそれぞれに魅力的だ。
「いしぐろ」はこんなにカワイイ顔をしていながら、第二室戸台風のときの瞬間最大風速84.5mの風にも
耐えてきたというツワモノ。明治時代の建築とされるこちらの木下家でも、がっちりと取り巻いたいしぐろが
長年家を強風から守ってきたのである。
見事な鷹の鏝絵。元々あったところから外してきたのを保存してあるようだな。
御田八幡宮へまっすぐ上る坂道の途中に、公開している町家があった。吉良川まちなみ拠点施設「まちなみ館」は
旧長田家住宅と旧松本家住宅。トイレも整備されパンフレットなどが置かれていた。
いしぐろや水切瓦についてなどいろいろ尋ねてみたかったが人がいなかった。
もう一軒「おまつり館」にも入れたが、座敷には上がれず土間から座敷を眺めるのみ。
ちょっと物足りないが・・・逆に言えばその他の家には人がずっと住み続けていて空き家になっていない
ということだろう。それはいちばん素晴らしいことだ。
メインストリートである旧土佐街道へ下りてきたところに、妻壁がレンガで積まれた町家があった。
レンガ壁には水切瓦は取り付けられていない。
前回の記事で、レンガが使われている家は比較的新しいのだろうと書いたが、今あらためて写真を見ていくと、
確かに妻壁がレンガ積みの家はたっぱが高いという傾向があるようだ。
一般的に近世の町家は天井が低いつし2階で、時代が新しくなるにつれ普通の2階建てとなる。
この武井家住宅は1988(明治44)年の築という。2階の軒下の持ち送りも面白いな。
上にすきまの開いた変わった格子。
このあたりの町家にも「ばったり床机」があるんだな。前へ倒すと腰掛になる、折りたたみ式。
こちらの家では格子の下の部分に鉄板(銅板?)を貼っていた。
立派な細木家住宅。こちらは通りに面した2階の壁にも水切瓦がついている。そのうえ窓の上にも別途
ひさしがつくという凝りよう。しかしゴチャゴチャ感はなく、1階の両脇を飾るなまこ壁と2階の黒壁が
モノトーンで統一され超クール!!
たまごのような丸い石が積まれた生垣。カワイイ~~~
こちらも細木家住宅。ここは細木さんが多いようだ。1階の左右のなまこ壁と井ゲタのマークが入った部分は
戸袋のようにに見えるが、こんなところに戸袋は要らないし・・・単に装飾的な壁なのだろうか。
玄関脇にこういう小さな戸がついている家もちょくちょく見かける。この向こうは塀に囲まれた前栽だが、
この戸は通用口みたいなものなのだろうか?上には瓦まで載っておりきっちり作り込まれている。
これは何の建物だったのだろう。道路からセットバックして建つ半切妻屋根の建物は明らかに他の町家とは違う。
お風呂屋っぽいけど・・・・
妻壁に丸いマークが。
白タイルが清潔感あふれるこの建物は床屋だな。現役っぽい。超レトロでしびれるね~!
続く。
吉良川のまちをうろうろ。上手の方には立派な「いしぐろ」を持つ家が並ぶ。
このように基壇部は軽く整形した石を積み、その上の部分には小さな石をみっしり並べ、天端は瓦を葺いている。
角の部分には補強のため隅石が積まれている。
なぜ上まで切石を積まずにわざわざ小さい石を使うのか、、、と思っていたが、ふと思った。
これは石垣ではなく、基本的には土塀だ、と。土塀の補強のために表面に石を埋め込んだものなのかもしれない。
水切瓦と同じように土を露出させるよりも風雨に強いということで石の割合が大きくなってきたのだろうか。
しかし赤土と漆喰を練り合わせた「ハンダ」を使わず石だけで空積みしているところもある。
いろんなタイプがあってそれぞれに魅力的だ。
「いしぐろ」はこんなにカワイイ顔をしていながら、第二室戸台風のときの瞬間最大風速84.5mの風にも
耐えてきたというツワモノ。明治時代の建築とされるこちらの木下家でも、がっちりと取り巻いたいしぐろが
長年家を強風から守ってきたのである。
見事な鷹の鏝絵。元々あったところから外してきたのを保存してあるようだな。
御田八幡宮へまっすぐ上る坂道の途中に、公開している町家があった。吉良川まちなみ拠点施設「まちなみ館」は
旧長田家住宅と旧松本家住宅。トイレも整備されパンフレットなどが置かれていた。
いしぐろや水切瓦についてなどいろいろ尋ねてみたかったが人がいなかった。
もう一軒「おまつり館」にも入れたが、座敷には上がれず土間から座敷を眺めるのみ。
ちょっと物足りないが・・・逆に言えばその他の家には人がずっと住み続けていて空き家になっていない
ということだろう。それはいちばん素晴らしいことだ。
メインストリートである旧土佐街道へ下りてきたところに、妻壁がレンガで積まれた町家があった。
レンガ壁には水切瓦は取り付けられていない。
前回の記事で、レンガが使われている家は比較的新しいのだろうと書いたが、今あらためて写真を見ていくと、
確かに妻壁がレンガ積みの家はたっぱが高いという傾向があるようだ。
一般的に近世の町家は天井が低いつし2階で、時代が新しくなるにつれ普通の2階建てとなる。
この武井家住宅は1988(明治44)年の築という。2階の軒下の持ち送りも面白いな。
上にすきまの開いた変わった格子。
このあたりの町家にも「ばったり床机」があるんだな。前へ倒すと腰掛になる、折りたたみ式。
こちらの家では格子の下の部分に鉄板(銅板?)を貼っていた。
立派な細木家住宅。こちらは通りに面した2階の壁にも水切瓦がついている。そのうえ窓の上にも別途
ひさしがつくという凝りよう。しかしゴチャゴチャ感はなく、1階の両脇を飾るなまこ壁と2階の黒壁が
モノトーンで統一され超クール!!
たまごのような丸い石が積まれた生垣。カワイイ~~~
こちらも細木家住宅。ここは細木さんが多いようだ。1階の左右のなまこ壁と井ゲタのマークが入った部分は
戸袋のようにに見えるが、こんなところに戸袋は要らないし・・・単に装飾的な壁なのだろうか。
玄関脇にこういう小さな戸がついている家もちょくちょく見かける。この向こうは塀に囲まれた前栽だが、
この戸は通用口みたいなものなのだろうか?上には瓦まで載っておりきっちり作り込まれている。
これは何の建物だったのだろう。道路からセットバックして建つ半切妻屋根の建物は明らかに他の町家とは違う。
お風呂屋っぽいけど・・・・
妻壁に丸いマークが。
白タイルが清潔感あふれるこの建物は床屋だな。現役っぽい。超レトロでしびれるね~!
続く。
それにしても、鷹の足元は鳶口じゃあないですか!この絵柄、初めて見ました。防火の願いが込められているんでしょうか。それとも、材木を扱った家だったか(木炭かも)・・・。まさかと思うんですが、トンビが鷹を生む~なんて、子孫繁栄を願ったものなら面白いですね。
今の国道55号からだと建物があまり見えないかもしれません。
ちゃんと駐車場も用意されているので次回は行ってみてくださいね!
右瓦と左瓦の葺き分けについては注意して見ていなかったんですが、、、
両方が同時に見えるところがなかなかありませんね。
鷹の鏝絵も、クロスしているのは何かの道具だなとは思って
見ていたのですが、鳶口でしたか。どこかから切り取られて
運ばれてきたもののようだったので、あまり追究しませんでした(苦笑)
材木や炭の関係の家というのが可能性高そうですね!