ダン + シェイのニュー・アルバム『ビガー・ハウセズ』は結局全米34位、トーマス・レットもTop10常連組から抜け落ちて、
カントリーも栄枯盛衰の移り変わりが早い早い。
「大ヒット」があると、こうなりやすいのかな?大きく上がった分、一気に下がる、的な。
それはそれで、スターになりたい人にとっては一種のジレンマ...。
ともかく、ストリーミングがアーティストの寿命を縮めているという小林克也さんの危惧は、改めて本当だと思った。
来年開催予定の第66回グラミー賞(グラミー賞2024)のノミネートが11月10日に発表されます。
それに先駆け、私はグラミー賞人気部門のノミネートを予想しました。
1つの予想につき1点、といったかたちでテスト形式にし、100点満点になるように調整しています。
グラミー賞2019から毎年やっているのですが、なかなか難しいですね...。
過去5年間の成績は、19点 → 21点 → 24点 → 33点 → 35点。
上がってはいますが、基本は半分もいかない感じです。
普通に読んでいっても絶対面白くないので、下のコメントだけでも流し読みして下されば幸いです。
(※ 2022年10月1日~2023年9月15日が今回の選考期間です)
・主要部門
年間最優秀レコード賞(10点)
- シザ / Kill Bill
- テイラー・スウィフト / Anti-Hero
- ピンクパンサレス with アイス・スパイス / Boy's A Liar, Pt.2
- モーガン・ウォーレン / Last Night
- ビヨンセ feat. ケンドリック・ラマー / America Has A Problem ( Remix )
- リル・ダーク feat. J.コール / All My Life
- オリヴィア・ロドリゴ / Vampire
- アイス・スパイス feat. ニッキーミナージュ / Princess Diana ( Remix )
- マイリー・サイラス / Flowers
- ザック・ブライアン with ケイシー・マスグレイヴス / I Remember Everything
テイラー・スウィフトやマイリー・サイラスはほぼ確実。モーガン・ウォーレンは、これまでことごとくグラミー賞から無視され続けているのが事実ですが、"Last Night" が全米1位を記録した今年はさすがにノミネートされるのではないかと思います。ザック・ブライアンも去年初めてカントリー部門にノミネートされたばかりですが、今年は急成長だったので主要部門への昇格も全然あり得ます。ちなみに、アイス・スパイスの "Princess Diana" はお試し枠ですね。
年間最優秀アルバム賞(10点)
- シザ / SOS
- NewJeans / Get Up (EP)
- メトロ・ブーミン / Heroes & Villans
- テイラー・スウィフト / Midnights
- ボーイジーニアス / The Record
- ジョン・バティステ / World Music Radio
- トラヴィス・スコット / Utopia
- マイリー・サイラス / Endless Summer Vacation
- タイラー・チルダーズ / Lasting In The Rain
- カリ・ウチス / Red Moon In Venas
年間最優秀レコードにノミネートされたアーティストは、連動して年間最優秀アルバムにもノミネートされることが多いことを思い出し、重複を確認したところ、3人しか重複していませんでした。...まあ、それはいいとして、事前のグラミー賞分析(1つ前の記事)をもとに考えた予想がこれです。せっかくなので、半分は当たっててほしいですね。なお、NewJeans はEPですが、アルバム賞としておきながらもEPのノミネートもあり得るので、入れました。
最優秀新人賞(10点)
- JVKE(ジェイク)
- ペソ・プルマ
- アイス・スパイス
- グロリラ
- レイ
- ノア・カハン
- リジー・マカルパイン
- トゥージー
- DOECHII
- ミーガン・モロニー
ここも前やったグラミー賞分析をもとにしています。ジェイクさんは今のところ "Golden Hour" しかヒットになっていませんが、SNSでのファン交流(ファンサ?)の多さが目立ちます。ペソ・プルマ、アイス・スパイスのお二方はほぼ確定ですね。ミーガン・モロニーさんも最近のグラミーの傾向からノミネートされる確率が高そう。また、細かいことをいうとトゥージーさんは新人(スタジオ・アルバム1枚以下)ではないのですが、グラミーは細かいことを気にしないということで振り切って、予想に入れました。ラッパーとしてはコイ・リレイさんを入れる枠が足りなかったのがやや遺憾ですが、とりあえずこれでいきます。
・ポップ部門
最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞(5点)
- エド・シーラン / Eyes Closed
- テイラー・スウィフト / Anti-Hero
- オリヴィア・ロドリゴ / Vampire
- マイリー・サイラス / Flowers
- デュア・リパ / Dance The Night
少し迷いましたが、一応全部ポップ・アーティストによるポップ・ソングでいきます。モーガン・ウォーレンの "Last Night" とかここに入る気もするのですが、今回は無難に...。
最優秀ポップ・デュオ / グループ・パフォーマンス賞(5点)
- テイラー・スウィフト feat. アイス・スパイス / Karma ( Remix )
- ピンクパンサレス with アイス・スパイス / Boy's A Liar, Pt.2
- ノア・カハン with ポスト・マローン / Dial Drunk ( Remix )
- フィフティ・フィフティ / Cupid
- メトロ・ブーミン feat. ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ / Creepin
リミックス・コラボ曲多めで、フォーク・ロッカーからラッパー、K-Popアイドルまでよりどりみどりな予想になりました。ここはけっこう攻めてるつもりです。
最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞(5点)
- NewJeans / Get Up (EP)
- テイラー・スウィフト / Midnights
- サム・スミス / Gloria
- オリヴィア・ロドリゴ / Guts
- マイリー・サイラス / Endless Summer Vacation
毎回ここの賞は正答率が高いので、今回も無難にやって得点を稼ぎたいところですが、結局あまり自信ありません。テイラー、オリヴィア、マイリーの3人が今回のポップ部門の核になると踏んだのですが、外れたらいたいです。
・ロック部門
最優秀ロック・パフォーマンス賞(5点)
- メタリカ / Lux Aeterna
- フー・ファイターズ / Rescued
- ブリンク182 / One More Time
- ノア・カハン / Stick Season
- スリープ・トークン / Summoning
ローリング・ストーンズもありましたね...。新曲 "Angry"、YouTubeの再生回数とかすごかったのにチャートには出てこなくて残念でした。ノア・カハンさんはアメリカーナの方に振られる可能性もありますが、個人的にはよりロックではないかと思います。
最優秀ロック・アルバム賞(5点)
- メタリカ / 72 Seasons
- パラモア / This Is Why
- ディペッシュ・モード / Memento Mori
- スリープ・トークン / Take Me Back To Eden
- ピアス・ザ・ヴェイル / The Jaws Of Life
かなりチャート頼り。実を言うとディペッシュ・モードやピアス・ザ・ヴェイルはよく知らないのですが、チャートでの順位が良かったので入れてみてます。ファンの方がいらっしゃいましたら、失礼な言い方ですみません。
最優秀オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞(5点)
- メラニー・マルティネス / Void
- ボーイジーニアス / Not Strong Enough
- ホージア / Eat Your Young
- ビーバドゥービー / Glue Song
- ラナ・デル・レイ / Say Yes To Heaven
グラミー賞2023から新たに追加された賞です。これができたおかげで、オルタナ・ポップ系のアーティストがノミネートされやすくなりました。5組中3組がこれまでノミネートを受けたことがないアーティストですが、「初」がたくさん生まれることを祈ります。
最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞(5点)
- メラニー・マルティネス / Portals
- ボーイジーニアス / The Record
- ゴリラズ / Cracker Island
- ザ・ナショナル / First Two Pages Of Frankenstein
- ホージア / Unreal Unearth
ここも割とチャート頼りですね。ボーイジーニアスやホージアさんはチャート・アクションがすごく良かったです。ボーイジーニアスは男性ではなく、女性ロック・シンガー3人によるロック・ユニットですね。
・カントリー部門
最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス賞(5点)
- ベイリー・ジマーマン / Rock And A Hard Place
- ミーガン・モロニー / Tennessee Orange
- ルーク・コムズ / Fast Car
- レイニー・ウィルソン / Heart Like A Truck
- タイラー・チルダーズ / In Your Love
レイニー・ウィルソンさんのノミネート歴を確認したら、意外にもまだゼロノミネートでした。カントリー音楽が過去にないほど振興している現在ですが、まだまだグラミー賞は新手の融合的なカントリー音楽に対して慎重なイメージです。...が、とりあえず将来性のあるレイニーさんはノミネートさせておくべきでしょう。
最優秀カントリー・アルバム賞(5点)
- ケルシー・バレリー二 / Rolling Up The Welcome Mat
- ミーガン・モロニー / Lucky
- ルーク・コムズ / Gettin' Old
- レイニー・ウィルソン / Bell Bottom Country
- タイラー・チルダーズ / Lasting In The Rain
最優秀オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞を新たに予想に加えたことで、他の賞を1つ削らなくてはならなくなったのですが、最も思いつきにくく、かつ外れやすい最優秀カントリー・デュオ / グループ・パフォーマンス賞を削ることにしました。カントリーはやっぱりソロのヒットの方が多いですからね、デュオ / グループも数えるほどしか活躍している組を知りません。
・R&B部門
最優秀R&B・パフォーマンス賞(5点)
- シザ / Kill Bill
- ディディー feat. ブライソン・ティラー / Gotta Move On
- アッシャー with サマー・ウォーカー & 21サヴェージ / Good Good
- リゾ feat. シザ / Special ( Remix )
- ココ・ジョーンズ / ICU
若手とベテランを良い感じに入れました。ディディーは90年代から00年代前半に活躍したラッパーで、自分は名前を聞いたことがある程度だったのですが、なんとアルバム(下記)は13年振りだそうです。R&Bシンガーのブライソン・ティラーが曲の大半を歌う "Gotta Move On" は結局その最新作に収録されなかったのですが、ディディーの復帰作として注目を集め、少しチャートでヒットしていましたね。懐かしい感じのR&B音楽が好きです。
最優秀プログレッシブ・R&B・アルバム賞(5点)
- シザ / SOS
- クロエ / In Pieces
- カリ・ウチス / Red Moon In Venas
- ジャネール・モネイ / The Age Of Pressure
- ディディー / The Love Album : Off The Grid
実に5年ぶりのニュー・アルバム『SOS』(2022) が大ヒットしたシザは、前作『Ctrl(コントロール)』(2017) とその楽曲がグラミー賞で高い評価を受けていました。また、前作から今作までの間にも、"Good Days" がグラミー賞2022でノミネートされています。決してグラミーとの相性は悪くないシザ、今回大活躍する可能性は高いでしょう。ちなみに "Good Days" けっこう好きです。
・ラップ部門
最優秀ラップ・パフォーマンス賞(5点)
- ガンナ / FukUMean
- アイス・スパイス feat. ニッキーミナージュ / Princess Diana ( Remix )
- グロリラ with カーディ・B / Tomorrow 2
- メトロ・ブーミン feat. ドン・トリヴァー & フューチャー / Too Many Nights
- ドレイク & 21サヴェージ / Rich Flex
ドレイクが久しぶりにグラミー賞選考委員会に自身の作品を提出したというニュースがありました。...いや、久しぶりといっても確かグラミー2022で "Way 2 Sexy feat. フューチャー & ヤング・サグ" がノミネートされていたので、2年振りですね。昨年11月頃リリースの『Her Loss』とその収録曲を提出したということで、予想に入れました。
最優秀メロディック・ラップ・パフォーマンス賞(5点)
- ビヨンセ feat. ケンドリック・ラマー / America Has A Problem ( Remix )
- リル・ダーク feat. J.コール / All My Life
- トゥージー / Favorite Song
- レイ feat. 070 Shake / Escapism
- タイラー・ザ・クリエイター feat, カリ・ウチス / See You Again
ここはすらすら出てきました。ビヨンセとタイラー・ザ・クリエイター以外はあまりグラミーで見ない顔ぶれですが、どれも大ヒット曲なので選考されうるし、されてほしいです。今さらですが、"All My Life" は歌詞がいいですね。確かにハードなことは言っていたけど、基本的にはポジティブで現実感もあるエンパワーメント・ソングです。
最優秀ラップ・アルバム賞(5点)
- グロリラ / Anyways, Life's Great...
- メトロ・ブーミン / Heroes & Villans
- トラヴィス・スコット / Utopia
- リル・ベイビー / It's Only Me
- ドレイク & 21サヴェージ / Her Loss
この賞は基本的には若手ラッパーがノミネートされにくい賞となっているのですが、かといって2023年は中堅~ベテラン勢の年ではなかったので、今回は若手中心の構造になる気がします。グロリラは、攻めすぎでしょうか...?最優秀新人賞にノミネートされた勢いでたくさんノミネートされる、みたいな物語を想像しているのですが、それはアイス・スパイスも十分あり得るかもしれません。
...以上です!去年の35点は奇跡だと思っているので、超える自信はありませんが、運を味方につけたいですね。ひとまず目標点は30点で!
おおお...バッド・バニーも新作出してたのか...、知らなかった。
ドレイク → バッド・バニー → テイラー...ってこと?大変だな...。
10月は他にも個人的な推しがアルバムを出してたりしたんだけど、一方で彼らはチャート外。
...いや、違うか。自分が選んでチャート外の音楽を聴くようになったのか。
トップ・チャートに載らないようなジャンルも、今後は好んで聴いていきたいです。