オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー USチャート 2023年10月

2023-10-30 | チャート・レビュー (US)

 

大好きなクイーンの来日公演があると聞いて、チケットを買おうか考えたけど、

それにしても価格が高い!最低でも1万2千円!

自分はライブに行くこと自体苦手なので、それもあってけっこう悩んだ。

一応買うつもりでいたけど、そんな意思だから一般販売開始の時刻逃して、1時間後に気づいて確認するも時すでに遅し。

ただ、悩んでたのは事実だから、逃したは逃したですっきりしてる自分がいるのも事実...。

 


 

10月の全米チャートを振り返ります!

シングル・チャート、アルバム・チャートそれぞれにおいて今月新たに注目すべき活躍を見せたアーティストを取り上げ、

彼らの活躍を振り返ったうえで両チャートの全体的なレビューも行います!

今回はアルバム・チャートの方から見ていきますね!

 

<アルバム・チャート>

1.ドージャ・キャット

 4枚目のアルバム『スカーレット』が全米4位を記録!セカンド・アルバム『ホット・ピンク』(2019) から3作連続で全米Top10入りを果たしています。とはいえ、先行シングル "Paint The Town Red" のヒットやSNSでの人気を考慮すると、全然1位も予想できた感じで、個人的にはまさかの4位。同じ週に元々ドレイクが新作をリリースする予定で、ドレイクとかぶっちゃったら1位は無理だよな...と少しドージャさんを哀れんでいたところ、ドレイクがリリース時期を遅らせたことが判明して、これなら1位とれる、と思ったのですが、強豪不在でも1位まではいかなかったようです。デュア・リパやチャーリー・プースもそうですが、シングルがたくさんヒットしていても、アルバム・チャートでは単純計算で1位とまでいかないアーティストが何人かいます。アメリカのアルバム・チャート1位は壁が高い、というのは以前もこのブログで少し主張した気がするのですが、改めて感じましたね。1位をとれるアーティストととれないアーティストの間に、大きな溝を感じます。そしてそれは、必ずしもシングル・チャートのそれとは比例しないのが面白いですね。👿

 

2.エド・シーラン

 楽曲を聴いていないので詳しいことは言えませんが、音楽的なプロモーションはほぼ無しでリリースした新作『オータム・バリエーションズ』が、全米4位になりました。彼は今年5月にも『-』を出しているので、本作は今年2枚目。1年に2枚も新作を出すとプロモーションが渋滞してしまうのでは?と思いましたが、本作に関してはインディー・レーベルからのリリースで、先行シングルやミュージック・ビデオが一切出ていないそう。偉そうですが、商業的な匂いのしない、アーティスティックなことをするなと思いました。ただ、それでも4位です。彼が、アルバム・チャートで1位をとれる側の人なんだということが暗に証明されている気がしますね。実は前作『-』も、プロモーションはあったとはいえエドさんの気さくな人柄や明るいイメージとは真逆の「悲しみ」を主題としたアルバムということで、(本人も言っていましたが)あまりチャート的な成果は期待できないアルバムだったのですが、結果2位でした。まあ、知名度が圧倒的だから、そりゃそうなるのかもしれませんが、やはり他と一線を画しています。

 

3.バッド・バニー

 長くてとても覚えきれませんが、彼の5枚目のアルバム『Nadie Sabe Lo Que Va A Pasar Manana』が10月に発売され、当たり前のように全米アルバム・チャート1位を獲得しました。タイトルは「明日何が起こるかはまだ誰も分からない」という意味みたいです。当たり前のように、とは書きましたが、ラテン・アルバムの上位ランクインはまだまだ限られた者のみ、といった感じ。タイニーやグループ・フロンテラなど、11位以下で継続的に最新アルバムをランクインさせ続ける実力者はかなり増えているのですが、初週のインパクトがいまいちなケースが多いです(もちろんチャートにランクインするだけでもすごいのですが)。ところで、バッド・バニーのチャート・キャリアの波に、微小な下がりを見ました。イギリスやオーストラリアで前作『Un Verano Sin Ti』(2022) より若干順位が低かったのと、アメリカでの大規模チャート・アクションの戦績(この記事の上の方参照)が総数・ランクイン密集域ともに前作以下だったことが分かりました。Spotifyでは同作が今年、1日に最も多く再生されたアルバムという記録を打ち立てたらしいですが、それはラテン圏が牽引していると思われる世界的な指標であって、英語圏では彼の人気はすでに頭打ちになっているかもしれません。

 

<シングル・チャート>

4.ノア・カハン

 自身の曲がTop20入りしたとかはまだないのですが、ここ数か月でかなり存在感が高まっているフォーク・ロック・シンガーです。昨年下半期に "Stick Season" がロック・チャートでヒットし、同名のアルバムもリリースされてそれは全米アルバム・チャート14位を記録しました。そして今年の6月、当アルバムのデラックス盤『スティック・シーズン(ウィール・オール・ビー・ヒア・フォーエヴァー)』がリリースされ、その効果で原盤(チャート上ではデラックス盤の売上は原盤に加算される)が一気に3位までチャートを上昇。さらに新たな収録曲 "Dial Drunk" がプチブレイクして、キャリア初の全米総合チャート入りも果たしました。ここまでですでに2つの波がありますが、まだまだ続きます。デラックス盤リリースの数か月後、"Dial Drunk" のポスト・マローンをフィーチャーしたリミックス盤が出て、同曲はいよいよ全米Top40入りの本格的なヒットに。先月あたり25位まで上昇していました。そしてそれに続けるかのように彼は『スティック・シーズン』もしくはそのデラックス盤から、有名シンガーをフィーチャーしたリミックスを立て続けに出し、それらはすべて総合チャートにランクイン。ところが、時を同じくしてオリヴィア・ロドリゴが英国のテレビ番組で彼の "Stick Season" をカバーし、それがバズったことで、"Dial Drunk" に続くヒットは新リミックスではなく "Stick Season" になりそうです。4つほど波があったので説明が長くなりましたが、確実に言えるのは今が最もホットであるということです。まあ、ピークは全然これからでしょうけどね。「ホット」とか、慣れない言葉を使いました...。🍺

 

5.テイラー・スウィフト

 "Cruel Summer" が1位をとりましたね。わけあってこの4年前の『ラヴァー』収録曲が人気を博し、チャートで上位をずっとキープしていたのですが、彼女の最新ツアーのコンサート・フィルム(ツアーの舞台裏とかライブ映像を短編映画としてまとめたもの?)が公開されたのと、"Cruel Summer" の新バージョンがいくつか公開されたのとで同曲のポイントが上昇し、シザやドージャ・キャットを抜いて一気に1位となりました。『ラヴァー』収録曲としては初の1位で、ちょっと思うところがあります。というのも、テイラーさんは4thアルバム『レッド』(2012) から前作『レピュテーション』(2017) まで3連続でアルバムから1曲以上が1位をとっていて、なのに『ラヴァー』からは有力シングル "ME! feat. ブレンドン・ユーリー"、"You Need To Calm Down" いずれもが1位を逃し2位に終わったことでナンバーワン・シングルが出なくて、このことで当時わずかなことながらも「時代の変遷って早いな...」とショックを受けていたことを覚えています。まさか4年後に雪辱が果たされるとは思っていませんでした。大物も大物すぎると、何が起こるか分からないですね。

 

6.ドレイク

 発売週を延期しつつもしっかりリリースされた新作『フォー・オール・ザ・ドックス』はしっかりチャート1位を確保し、収録曲もしっかりチャートを荒らしてくれました。ドレイクを一応振り返ると、2018年に5thアルバム『スコーピオン』をリリースした時がTop20を12曲独占でピークのように思えたのですが、2021年の次作『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』が14曲独占で明らかにそれを上回って、2022年の『オネストリー・ネヴァーマインド』で若干落ち着いたように思えたものの、今月の『フォー・オール・ザ・ドックス』で再び14曲独占と帰ってきました。『オネストリー・ネヴァーマインド』はちょっと変化球で、EDM色強めの実験的なアルバムでもあったのでそっちが特殊だったかもしれません。ともかく、チャートはまたも彼に支配されました。ただ、数字だけ見ると今回はちょっと短命な感じが。ファーストインパクトは強いけど、持続するかどうかにはやはりピークという概念が見え隠れします。ヒップホップのジャンルとしての人気衰退にも、逆らえないでしょう。人気の収録曲をいくつか視聴しましたが、彼はもはや普通のラップ・ソングやR&Bソングを売ろうとしていません。どれも1つのジャンルにとらわれない系の凝った曲でした。そして自分は、どうやらそういう「売れに売れた人が作る非王道な、凝った曲」が好きみたいです。最後、どうでもいい話でした。

 

全体レビュー

全米シングル・チャート ・・・ ヒップホップ / R&B アーティストがトップ層を埋めたものの、人気上昇中のジャンル、カントリーはまだまだ根強い! & ドレイク、バッド・バニーの大規模チャート・アクションに微妙な変化を感じた!

全米アルバム・チャート ・・・ リリース・ラッシュは終わったものの、売れっ子のリリースが続いたことで上位にも継続的な変化が! & 改めて1位は堅いと感じた一方で、ラテン勢の静かな全米ブレイクが増えてきたことに気づいた!

 


 

"My Love Mine All Mine" という曲が突然ブレイクし始めたオルタナティブ・ミュージック歌手、ミツキ。

玄人好みの曲、みたいな感じで紹介されそうなシブい曲が、なぜかバズっている。

...いや、嫌いとかではないんだけど、その、よく分からなすぎる。

普通だったら「好きな人は好き」で処理されそうな曲が、表に出てきている不思議な感じ。

🐢 今月は以上です。来月ものんびり更新していくつもりです。読んでくださった方、ありがとうございました。 🐢

 



最新の画像もっと見る